看板によると高井戸の線路の脇の神田川は
源流から5.5km程下ったところだそうだ。
水面には川沿いの遊歩道から桜並木が暗い影を落とし、
時折濁った水の中で丸々と太った真鯉が
その堂々たる腹を反 ....
僕ら離れている
そこにきみがいるのか見えない
歩いている人影が見える
声はまだ聞こえない
風に髪がなびくのが見える
きみか と確信する
呼ぶ声を聞く
まだきみの匂いを感じない
見つめる ....
あのこはデンドライトの目玉を入れているよ。
琥珀色の瞳の無い眼球に
植物みたいな結晶が光っているよ。
あのこはじっと動かない。
瞬きもしない。
あのこの目玉はデンドライトだよ。
極光にはきっと音がある。
ガムランボールと云うものをご存知でせうか?
あのような りぃんりぃん だの しゃらんしゃりん といった金属の音、
きっと聞こえると僕は思うのです。
北欧では極光はワル ....
わたし
(これは人間になってから知ったのだけれど)
以前は棚田のホウネンエビでした。
ある暑い夏の日に
BOSEのヘッドフォンで音楽を聴きながら歩いていたのです。
ちょうどドビュッシーの夏の ....
無数の光をちりばめた濃紺の空に木々の影が黒々と穴をあけている
木立の間からこちらを伺う者が二つの黒曜石の瞳に北極星を映す
私は一頭のバイソンが荒く息を吐きゆっくり歩いて行くのを目をそらせずにただ見 ....
でも
雨になりたい
土になりたい
大気になりたい
海に、葉脈に、光に
石に、風に、雷雲に
なりたい
暗闇の中魚を狙うゴイサギの真っ黒な目玉に
森の中草を踏んで歩くゴリラの低い声に
海 ....
成人しても未だ 僕は少年で在った
擬似恋愛と云う名の 温い乳白色の海に泳いで居た時
也以上此処に居れば全身がふやけてしまうと思えど 離れ難く
慰めに水を掬って小瓶に詰め 家へ持ち帰ったのだった
....
鳥になります。次はきっと、鳥に。
きみの部屋の窓辺に降りて、
ガラスをこつこつ鳴らします。
きみが窓を開けても、飛び立たない。
それがぼくです。
逃げない鳥がぼくです。
スズメかな。メジロ ....
恒温動物である僕たち人間は正常に生きてる限り36℃前後の体温を維持し、起きていても眠っていても温かい。
一体僕らの何が熱を発しているのだろう。
流れている血か?
肉か?臓器なのか?
目に見えぬ ....
割れるぞ、頭。
きみがあふれるぞ。
ア・ア・ア・ア・ア
質量、体積、意味の無いくらい。
真っ黒な 空 だ!
存在、存在。
きみがあふれて、あたしの咽の中
宇宙になった。
I can feel your soul in the naked black torso
That is a vision of old time memory
(NY public lib ....
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