夜の散歩に出掛けた際に
無数の小さな光たちは
私を少年時代へと連れていく
できるなら、ここへ来ることは避けたかったのだが
不意に遮っていったかつての残像は
無罪の色をしていた
....
夜の海へ飛び込んだように
目の前の景色が滲んでいる
零れ落ちてゆく星を見上げれば
私はこんなにも小さい
打ち上げられた空き缶と海藻
錆に絡まる濃い色合いが生々しくて
気づけば思いき ....
時の価値を忘れてしまった代償に
時計しかない部屋へ閉じこもった
裏庭に咲いている白い花の名前を知らないから
切り捨てることの潔さを知ろうとすることで
丸くおさまると決めつけた
だから今、 ....
知らないウタをうたうような
継ぎ接ぎだらけのメッセージ
深海魚に憧れた午前2時
淡い光 ガラスに溶け合って
27℃ モラトリアム
絡まったコードの先を探す
詰め込んだ感情の ....
夏の朝は早く
蜩の話し声が聞こえていた
雨上がり
入道雲は悠々行進
忘れ去られて行く毎日
モチベーションは何処へしまったかな?
窓ガラスに映るのは
揺れる二本の電線だった ....
光を切り裂いたカーテンの色は青く
寝癖はやっかい、目が腫れぼったい
母親が漕ぐ自転車の後ろにしがみつく派手なズボンの幼稚園児が
男の子なのか女の子なのか判別できない
それを何気なく追い越してみ ....
ありきたりな時間を刻む
虚像は実像よりも鮮明
ここから貴女に手を振った
見えていないと知りながら
一生懸命手を振った
小さな子供が「こんにちは」と言ってくれた
貴女は脆い人 ....
月が雲に埋もれてしまうように
儚い想いを隠したくない
宛先のない手紙のように
本当のことを伝えられない
溜め息をついては
言葉を摘んで誰に渡す?
記憶を信じられなくて
先 ....
億劫な時間に堕ちた鼻声
飲み忘れた風邪薬はじっと息を潜めていて
嫌なことばかりを思い出してしまう
咳払いをする度に捨てられてゆく羞恥心と
塵も積もれば山となりゆく倦怠
冷房の真下で居眠り ....
足手まといなら、そう言ってくれてかまわない
貴方の自虐的なジョークを
笑ってもいいのか分からない
社会勉強を鋭角から睨み付けた1ヶ月前から
次から気をつけます、を連呼している
泥濘を ....
眠らない窓の瞼を無理矢理閉じてから
物干し竿に明日の天気を聞いてみる
コンビニで買ったビニール傘は
骨が一本折れてしまい
それでも黙って使い続けるせいなのか
答えを教えてはくれなかっ ....
古びた電話ボックスの中にあるタウンページに
妙な親近感を抱くようになり
気付けば少しおせっかいな人になっている
大量にばらまかれたレジュメには
不気味な挿絵が載せられていたけれど
その絵が示 ....
中洲に立ち止まった時間
初めてなのに何故だか懐かしくて
辿った記憶の終着点には
少年が笑いながら花を引きちぎっていた
涙腺をどこかに落っことしてしまったことで
確かに愛は死体となった
....
大阪に引っ越してきてから
足元を注意深く見るようにはなったが
以前のように、空を見上げることは少なくなったかもしれない
目まぐるしく流れていく時間に憧れて
気付けば270円の足に依存してい ....
オレンジ色の明かり、ガソリンスタンド
不確かなテリトリーに取り残された
野良猫の輪郭を浮き彫りにした
初対面のエンジン音たちに
どこか癒される自分がいて
つい、声無く笑ってしまった
....
散らばってしまった僕は
群がることが得意でないと気付き
とたんに鳥肌が立った
逃げ出したとして行き場を失うだけで
秒針がもう少し早く回ればと言ってみたところで
掬い上げたものは、既に零れ落ちている
....
すれ違い様のカンニング
嗚呼、陰湿!
やたらと大きな箱に入っている金属片は
確かに鋭利な形をしているが
触れたならば崩れ落ちそうなので
威嚇する顔つきはどこか可哀想
捨てられないか ....
知らない遊びを怖がって
炭酸飲料で約3%に希釈した恍惚を飲み干す
最初から分かりきっていたこと、花より団子
お利口さんな日々を過ごしてきたものだから
東淀川がどうしても大きく見えすぎて ....
耳の中、ゆっくりと流れ込んでくる群青色の金属音は
きりり、きりり、と子守唄気取り
前に進めば、曖昧なクラシックが見えてきて
立ち止まれば、冷えきったエレクトロニクス
遠い国か? い ....
花園に対する興味を失ってからもうずいぶんと経つが
今更になって入場を許可された
偶然にも暇をもてあましていたということもあり
成り行きでそこへ向かうこととなった
かつて想像していた光景ほど色鮮 ....
ピエロの仮面を被っていた理由を
楽しくなかったからと言ってみたのなら
つまらない嘘をついたことになる
どうせかっこつけるんだとしたら
不器用な人間だから、と漫画の受け売りをしていたい
そ ....
止まない雨だった
優しいままでいられるほど嘘つきではないから
まだあまり汚れていない窓ガラスに向かって
冷たい視線を送り込む
反射した感情の行方を知っているくせに
しばらくそこに立ち止ま ....
柔らかな日射しに包まれて
梅のほんのりと香る今日の良き日に
鳥となる準備は整った
目まぐるしい日常の中に
留まることを許してもらえない代わりに
整理整頓を行うための箱を貰ってきた
捨てるべ ....
ジャングルジムでの遊び方を忘れたのは
威勢が良いだけの雄叫びが、もう通用しなくなったからで
不安定な足場で怪我するくらいなら
帰り道でつまずく方がカッコいいと思っていた
汚れを知らない白いスニーカーが ....
ただ、呼吸だけをしていれば
それが唯一の救いになっていたのだろうか
砂漠に捨てられた緋色を
ドライフラワーと呼ぶことはつまらないおふざけ
ひび割れた部分を優しく撫でてみて
前頭葉で水の滴 ....
都会を知らないじゃがいもは
わけもわからず大阪方面の電車に乗り込み
その行く先を疑いながら
車内アナウンスだけを頼りにしている
スポーツ新聞の大きな見出しは
仕事とばかりにこちらに笑いかけて ....
昼時をちょうど過ぎようかという時間
決して長くはない行列の最後尾で
ただぼーっと店内を見ている
忙しなく揺れるエプロンと
食べ終わった食器のガチャガチャは
去年のマレーシアを思い出させる
....
白壁の結露が乾く前に
一足先に階段を駆け降りて
鏡の曇りが晴れるよりも早く
下駄箱から逃げ出した
必要なものが少なくなってしまい
机に描かれた落書きもどことなく素っ気ない
悴んでばかり ....
変わらない景色に馴染めなくて
冬の雨も相変わらず嫌いなままだ
冷たい言葉遊びに対して
拒絶という、純粋すぎる答えを与えてくれた
微かにも願ったことがあったなら
さらば、青い花
....
騙された方がきっと馬鹿なのだろう
色褪せてゆく写真をいつまでも握り締め
捨てる機会を伺っていた
自発的な行動が出来ないまま
差し伸べられた救いの手にすがり付くも
それは青白く冷たいレ ....
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