7月第3月曜日の海の日の海
砂浜から続いていく波打ち際の
海底はどこも見えない


なんだかんだともう夏なので
麦藁帽子が飛ばされたりします
何か動力でも付いていそうな勢いで
途中駅に ....
あの空の話





もう遠くなった映像の中では
坂道の向こうの太陽と
薄くなるグレーの空とが
混在していて
蝉時雨
引いては寄せて
寂しさを反芻している

知らない知らな ....
夢は、夜の
街灯の明かり
スポットライトの下で


夢にならない浅い日の
出ていかない言葉を
止まりそうな川に投げ入れて
岸辺の草原の
揺れる夜露の中
反転している街並み

空 ....
鳴り止まない犬吠埼
海の声を聞いているのは少女、麦藁帽子
岩に砕ける波の飛沫を数えながら
降りていくのは
坂道

道はいつまでも道で
道は今までも道だった
通り過ぎる国道409号線
 ....
止まれない らしいよ



僕らが乗っている回転装置
呼吸のたびに
くるくる
気付かれないくらいの速度で
くるくる
回ってるんだって
木馬はもういない
回る勢いで駆けていったから ....
覗き込むと
少年時代だった
手頃な石を落としてみても
いつまでも帰着しない
頭上では飛行機雲と交差する記憶
不意に飛んできた雲から雨粒が落ちていくと
からーん、からんと
遠くで跳ね返る音 ....
深々と 静寂な
海にたゆとっていたいんだ
言葉の羅列の大通り
耳を塞ぎたいときもある
その合間にも
世界は回転している


触れるのは少し痛そうだから
ベンチに深く沈みこんで
とり ....
街にはビーズが散らばっていて
きらきら きらきら
あちこちに染み渡っている
信号待ちの隙間に
自分の色を
みんな拾い集めている

窓には夏がはめ込まれていて
静かに 静かに
深い青を ....
奥まった場所に入ってみると
未開封のまま使われなかった気持ちがあって
いつだってつまずきながら走り抜けてきたこころだから
止まらない雨に洗い流されてみたいときもある

ハリー、ハリー
誰か ....
ぐおん
と唸りをあげて
自動販売機が震え出す夏
電車のゆれる空間で
ヘッドフォンの君を見る

ひどく 暑い
冷房が壊れているとか何とか
聞き取りにくい声でアナウンスしていた
ような気 ....
新しい音が鳴り出すと
見上げてしまう癖がついた
国道沿いの滲んだ校舎の上
スピーカーが漏らす
ひずんだ音
ずっとずっと変わらない
ひとつ
呼吸のように響いては
震えている何か


 ....
少年
いつかなくした自転車の
へこんだ場所を忘れてた
あの子を見ててブロック塀に
ぶつけたときにできたやつ
そうだったね
そこに貼り付けたシールは
昔からの空色で
覗くと雲が浮かんでた ....
深緑の
深くなる光を
鉄筋コンクリートの箱の中から
眺めています

時計の針は
ここを刻むと
それ以上は動かなくなるのです
取り残されるように
私と空間は


どこか
こころ ....
この庭を今
黒猫が横切りました
急ぎ足です
影だったのかもしれません

向日葵は私を追い越して
手探りで空へ
夕暮れの角度を真似して
ちょっと斜めに傾いてみると
向日葵と空が
一緒 ....
飛行機の描く曲線が世界で
僕等はそれをなぞるように

思い出したようにつぶやく言葉と
ため息とを
窓から投げ捨てるようにしながら
空の曲線を
眺める
晴天

歓声の子供達
夏の日 ....
覗き込んだ空が
思いのほかまぶしかったので
慌てて手を
空へ
小さすぎるこの手じゃ
空はちょっと重すぎる

飛行機が雲を連れながら
一色の空を抜けていくので
からからに乾いた校庭を
 ....
草原の秘密基地
今はもう影だけで

虫取り網を振り下ろす
残像が目に焼きついた
夕暮れの蝉時雨を
いつまでもそこで聞いていたっけ


通りすがりの車窓から指差した
この草原は僕なん ....
軒下で猫が鳴いた日
街は雨だった
雑音が混じる電話の
聞き取れない君の声
こんな日が原因かもしれない

街に
傘を持って
ついでに長靴も用意した
ばらばらに音が降ってくるので
軒下 ....
窓枠から漏れている気持ちを
ガムテープで目張りする
それで安心かというと
そうでもないらしい

困ったな
僕はそれ以上のすべを知らない


進みようのないことを
あれこれと堂堂巡り ....
街に忘れかけられた
公園のベンチに座って
西日の中の滑り台の上では
始まりかけた夏が
くるくると回っている

夜に向かっている
夕暮れの片隅で
ジャングルジムの天辺じゃ
出たがりの金 ....
僕の隣を35度線が貫いていて

本線から外れたところで
あなたがうつむいていた
ような気がして
振り向いてみると
変わらずに
距離は隠してしまう


あなたの隣を36度線が貫いてい ....
眺めている人を
僕を
その眺めている人を
さらに眺めている人を
どこか遠くで見つけることが出来たなら

僕を眺める人が僕を
眺めているその姿が
どんなふうに見えるかを
聞いてみたいな ....
大きな円を描いて
ゆっくりとゆっくりと
海沿いの風車
丘の上から

当たり前にそこにある日々とか
ここで今に生きてることとか

海に臨んで
やわらかい強風に
回転している


 ....
ゆっくりと朝になっていく一日に
決まったかたちの挨拶を投げ掛けて
次第に集まってくる思考を
開きかけの目で確認する

机の上には
いつからか書きかけの手紙があって
便箋は空を薄くした色
 ....
6月の快晴に出会って
やあ久しぶり なんて手を挙げたりして
からからに乾こうとしてる街を
隙間を見つけながら走り抜けたりする

名前も知らない鳥が
真似できないような声を出してる
それに ....
この街は地図に載っているのに
どうして迷ってしまうんだろう


いつも見る夢のイメージで
飛び越えてみようとしたけれど
上手くいかないものだね
今日と明日の境界線は
思いのほか広い
 ....
空にはたくさんの色があった
傾いたその縁に支えられたのはいつだっけ
鉄塔が突き刺さった夕日
思い出せないほど前から続く
そんな夕暮れ


帰ろう
が口癖だった頃
いつも隣のあの人が
 ....
波立っている
波立っている
いつまでも 平面を


窓を開けると
光が流れ込んできて
慣れない私は
目眩を起こす
両の手では抑えきれない
流れ込んでくる光を

どくどくと
振 ....
この頃の空は
随分と遠いみたいで
息遣いもまた遠い
高いビルの天辺からでも まだ

空に穴があいているらしい
遠くない繋がった場所で
風船に針を突立てるみたいに
シューシュー音を立てて ....
雨の日に
長靴履いて
出掛けると
街は水没していた

どこへ行っても
ざぶざぶと
音がついてくるので
大好きな傘を叩く雨音が
いつまでも聞こえてこない


大通り
だった場所 ....
霜天(468)
タイトル カテゴリ Point 日付
不透明な海の日自由詩304/7/21 15:45
あの空の話自由詩1204/7/20 16:40
夜の自由詩304/7/19 13:33
交差点、遠い空自由詩304/7/17 17:13
回転装置[group]自由詩204/7/16 12:45
井戸自由詩404/7/15 1:51
追い掛ける、空と朝と自由詩704/7/14 17:21
ビーズ自由詩304/7/13 2:11
ハリー、ハリー自由詩604/7/11 18:54
ヘッドフォンの奥で自由詩504/7/9 15:37
ビタミン自由詩604/7/8 11:40
少年と自転車と雨の中自由詩604/7/6 1:28
どこかの折り目を自由詩1404/7/5 0:32
この庭自由詩1104/7/3 20:07
印刷風景 夏自由詩204/7/2 12:50
向日葵の昇る日自由詩404/6/30 2:22
夏の引力自由詩1004/6/29 14:09
距離感自由詩504/6/27 16:19
流れ 零れ 落ちる自由詩1004/6/25 2:15
忘れかけの公園のベンチで自由詩904/6/24 1:43
35度線自由詩1104/6/23 1:37
眺めている自由詩204/6/21 13:34
海に臨む自由詩604/6/20 18:59
ひとつの手紙自由詩404/6/18 18:09
6月の快晴自由詩704/6/17 1:46
空は僕で僕だった自由詩804/6/15 1:44
安息自由詩1104/6/13 16:53
奥の奥の奥で自由詩104/6/12 2:10
この頃の空自由詩304/6/11 16:51
世の中自由詩404/6/7 1:21

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