埋めつくさなければならない、
ような気がして
穴ばかり探していた
思えば
って言ってあのひとは消えた
多分さ、いたたまれなくなったんだろう
チーズみたいに穴ぼこだらけだったから
....
その夜
確率論だとか
誰それがとても悲しむとか
そういうくだらない
なんでもない
ことでしか
君を止められなかった
僕だったらそのまま
飛び降りていたと思うから
君は本当に情が深いね ....
でかいクマの
ふわっふわの
ぬいぐるみに
コブラツイストをかけている
君が
極められているのがまるで自分自身であるかのような
苦痛にゆがんだ顔をして
これ男が急所蹴られるのより絶対 ....
君は柳だと思っていた
しなやかに曲がったり伸びたりしていたから
本当はやわらかな金属だった君は
ある寒い朝にほろりと折れた
ぼくは煙草の灰を落とすのも忘れてその断面を、
じっと見ている ....
心臓を取り出して
はい、って渡せたらよかった
一番近付いた瞬間に
惜しげなく
薄暗い部屋
間接照明で
輪郭はまどろんでいる
意味の無い言葉や
意味の無い温度で
外側は溢れて ....
いろんなもんに辟易だわ
だからって今すぐずっぱり頚動脈切る気にもなれん
決定的に血の欠けるまでの35秒間で
全てを諦められるほど強くないことくらい
かろうじてわかる
だからって
無為す ....
ボックスの中の電話が鳴って
初めて聞いた公衆電話の音は
なんだかすごく懐かしくって
受話器をあげたら君だった
たわいのない話を全部済ませて
嘘か本当かもわからない名を名乗りあ ....
どうしてもわかんないってんなら
13回目のキスをちょうだい
あんたがきらう あんたのすべてを
タコ殴りにして
ちいさくまとめて
かわいく包んでやるから
そう言って
かわいい ....
ええと
どこからともなく
聞こえてくる 口笛
ハローベンジャミン
きみの鼻の牛みたいなピアス
好きよ
ベンジャミンはいつもヘッドフォンで
オルタナティブな音楽を聴く
....
乗り出した半身
月の明かりは
雲にさえぎられていて
それでもこんなに明るい夜
君だけを
見ていられない
本当なら
目をつむったら
飛べるような気がしていた
窓を開 ....
ただ悲鳴をあげている
これだけの脆さにひざまづいた
霧に沈んだ街
ただ温かいだけで
どうしても泣きたくなる
人ごみはゆるやかに
混ざり合っていくけれど
どうにも関係のな ....
流れてきたから
そっとすくった
その手は
まだすこしあたたかい
必死でマッサージやら
なんやらをして
息を吹き返したと思ったら
どうやら気に入られたらしい
こまったなと首を ....
やつれ切った網膜に
君は誰、と聞いてみた
いいから いいから いいから
ここから 出して
みんなゆがんでる、と思ったら
私の左目はへそに、ひじから先はつま先についていた
ごめん、間 ....
半年振りの雨が降って
息が寒い
こんな日は
。
*
やり場をなくしてから
行動がおかしくてたまりません
ないたりすがったり
だれでもよくなったり
なのにいちどもい ....
どろにまみれた
クッキーを踏んで
きみははまた
いつものあしたに
もどってゆく
のです
いとおしいかけらは
そのたびに割れて
ふえつづけ
かぞえきれないほどになると
ありにはこ ....
煙以外の 白い息が
出るような夜は
窓を開けてから布団に入る
まっすぐにねむれますように
温かいもの求めてるのに
さびしいだけなのに
どうしてゆがんでいってしまうかなあ
誰の ....
やわらかくすべてを投げ出さないで
ここに枕を持ってきてあげるから
この腕の中 もがくだけもがいたなら
つかれて眠ってよ
私は涙をひとつぶ流して
あなたの爪あとを洗おう
淋し ....
息を
していると生きているけど
生きているのは息してることではないので
窓の内側からの世界はいまいちきれいじゃないし
煙草のフィルター越しにしか深呼吸を思い出せなくて
あーあの子がくれた ....
繋ぐものはカササギとか
小さな電話機だったりしたので
今年からはきっと
君とはずっと、雨ばかりなんでしょう
たまらなくて見上げた
空はやはり星を隠してるから
さよなら、さよ ....
この白血球は最早なんの反応も示さないのです
血液に花弁が多数、
もぐりこみました
体中をめぐって
ヘモグロビンのように
何気なく酸素を受け取り
おかげで血管は不思議な色です
....
とおーくのほうで
朝
犬が吠えてるです
虹も浮かびます
三寒四温の中
春が背伸び
近くのほうで昼
しかも昨日
その中の今日
芝生の上
半袖でねっころがるのです
た ....
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