密生している高木が
お辞儀をしているのでした
すると明るい時間に立つのは
随分とひさしぶりだと解ります
きらきらと光りに靡いている
真っさらな仮面をつけている
その地獄のやうな風が ....
許さないから
与えない
見捨てるために
置き去りにする
そのために
口を捨てる
老人のように聴衆の中に立つ
彼らと同じ土の中から生え出た
私の体はいったいいつ
老人になるのだ ....
土手にのびる枯れ草を
焼いている
斜めにあがった太陽が
息をしている
薄い黄金色して
狐の尾のように揺れる
ちぎれちぎれに草が
もえている
風がやむ
眠りにつくよう
し ....
とてもやわらかな風が
吹き抜けていく
春がどこかで生まれ
白いシャツが
色付きの女に着られる
どうしてこうも
ぽっと太陽があがるのか
腫れたからだの
すみずみまであたたかい
....
0.07sec.