欠けたカップを握る

懲りずに思い出していた

ちょっといいガテマラを買ったのに

ちょうどいい自販機で買った缶コーヒーを

彼はベランダで飲み干した

あの昼の滲みが窓にうつる
 ....
今夜でひと区切り

灰に身を浮かべている

安らぎは沈んでいる

やがてくる暗さに構える


ダースのひとかけらを

思い出してちぎる

灰は代わり映えのない

不透明を ....
紙の世界でコーヒーを淹れたい

記憶の断片がいまさら燃え上がる

繊維質の砂漠の中

雨で崩れる家

家具はライターで焼けてしまう

崩れても逃げ遅れない

折り紙ですべては元 ....
うつ伏せはろくでもない夢をくれる
瓦礫の下の手を掴んで目が覚める
マントを引きちぎって
黒のペンキをぶちまけた


それを誰かがみていた


無二に焦がれて詩を贈る
ちぎれた紙切れ ....
青い壁の泳ぎ方は忘れた

信じなかったコウノトリの話

気の遠くなるような昔では

青い地面を活きた気がするから

開かない扉に背を向けて

水平線を目指す

なにも持たずに居 ....
そこだけは器用だった
二つの座標で審判になる
本能をかたる自虐に筋はない
責められなくなった


さじ加減は不器用だった
正直者はたいてい犯罪者
救うのはしってることだけ
肩まで透け ....
蛇口へとめぐる途中の

おだやかな息遣い

逆光の月が見たかった

色気のない一面の灰色には

歴史的なあかりは見えない

湧くのは水だけではない


木の根になって支えたい ....
不安げに明るい道を歩いて
渦の中の待合室
そして本当は夜だった
六十分で世界が変わると信じたんだよ


行為に名前をつけなかった
大人は不都合から目をそらすから
美化される予備軍たちの ....
街を飛び出して
草原に連れて行って欲しい
排気ガスのない場所だから
どのみち眠れない



夢を見ろという
夢なんて持ってない奴らが
手本は今朝のミルクに溶けた
それは帰さなければ ....
学ランが三つ
汚れの比較
胃がねじきれる
些細なゲームをしよう
漂白剤をあげる
いったい何が黒なのか
指一つで気が付く
王冠は一つじゃ足りやしない


テレパシーの強要
分け合う ....
食欲の操作感はすこぶる悪い
体を甘やかしちゃいないのに
君は俺がやつれたと言う


不揃いな髭は口を揃えて
どう生きるかを考えなさいと言う
イメージで完結した影を眺めていた
黙り込んで ....
焦りと不安が狂わせた

備えという名の独占

街から安全な水が消えた

走り回るのは血眼の乳母だ

理不尽がまた増えた

臨界点の明滅をみる

なにもできないままで

空の ....
生まれた時から軋みを聴いている

トンネルばかり走る列車の足音だ

時々思いがけない景色が見えて

映した窓を切り出しては

懐かしい無人の駅に送る

随分と乗り換えないでここまで ....
理解しようとしないくせに

疲れたらどうでもいいと言う

ズレたような悪役になりきる

台無しにして自分を救う



自分以外は赤の他人

無敗の孤独を前に揺れる

演技派 ....
雨が止んでしまった

スカートを木洩れ日に見送る

過程にニヤけそうな日



ベタな健全がどしゃ降りになる

白いドレスの誇大妄想

家庭という傘をさすには遠いだろうか

 ....
自意識が遠ざけた流行
S字カーブのようなポリシー
下品なアイドルが嫌い
金を捨てるゲームが嫌い


わざと遠ざけたものたちが
安い孤独を作り上げていった
人が適当に死ぬドラマが嫌い
 ....
店一番の営業スマイル
気だるい顔して煙草呑んでる

店一番の品出しマシーン
メシ食うときは手際が悪い

店一番のクールビューティー
長テーブルでは陽気なおしゃべり

店一番の古株バイ ....
悲しむことはなく

笑えない理由もない

日常は途切れない

そしてだれかが途絶える



憎むべき人はなく

笑えない理由もない

日常は途切れない

もしもだれかが ....
指針を欲しがっている

根を張った知識をえぐる

本であふれかえった戦場で

今日も血は流れない



天才と狂人の言葉を

おそろいに犯された

こどもたちが借りる

 ....
空が白むのを眺めている


朝より早く夜が終わる


どこかにひとりでいる君


目覚ましはもうない




諦めの塔の頂上の


はがれかけの立て札


同じ ....
ベッドの縁で夜は明けた

琴線は頭蓋骨の中に

そしてそこかしこに

この身が果てなければ

与えられる今日を知る

いまだにそちらを選べない

あきれるような本能からか

 ....
英雄を構成している

悲劇を手の甲で隠した

幸福も隠れてしまった

勇敢と有能が残る



君を構成している

悲劇を心臓にとらえた

孤独に依存している

使命とシ ....
枯れ急ぐ葉が、視界を埋める

踏みにじる赤い葉

流れないイヤホンを外さない

電柱を揺らす、紫の鳥

街から秋が消えた



降ってきた白い朝

黒ずんだ部屋の窓

 ....
泥のような感情を

いつまで押しつける

彼女の中に

何を残せたのか

それを知ってどうする

いつかのやりとりの中で

ギリギリで生きていた俺も

自分で手にかけてしま ....
学校は寝過ごせばいい

起きたら夕暮れだから

バイトをやり過ごせばいい

疲れて眠ってしまうから


気が付けば、朝


義務にくるまっている

指示は代わり映えない
 ....
彼女はうたえる女の子

彼女はすてきな女の子

彼女を遣って並べれば

彼女はたちまち女神のよう

彼女、すてきだぜ


*


彼女はおどれる女の子

彼女はきれいな ....
眺めているだけ



視線は2メートル自由型

テレビの縁を泳ぐ

入信してしまいそうな黒髪の

とてもきれいな女の子



少女は、いつも夢をみる



シンプル ....
朝があざやかで黙る
朝があざやかで黙る
あざがあざやかで笑う


派手に転んでしまった
派手に転んでしまった
晴れを望んでしまった


食パンをかじり飽きた
食パンをかじり飽きた ....
布団でまつ訪問者は

気まぐれで出ていった

不満は循環にやどる

孤独の添い寝に気がつく


ひとりごとはひとりじゃ、ないから

ふさいで側にいてくれ

視界の中で魚になる ....
真剣さの重みで
天秤が壊れた
代わりを踏みにじって
俺たちは忘れる


先へ行くといい
急がずに
安らかなそれをここで待つ
どれだけ叫んでも
鏡にはもう映らない影と
変わらない君 ....
村正(33)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
スーパーマーケット日常体系文書グループ13/4/15
投稿作品
トワイライト自由詩213/6/14 14:59
五月病自由詩013/6/1 5:34
ペーパーハウス自由詩2*13/5/13 19:41
白歴史自由詩2*13/5/5 5:13
再海自由詩1*13/4/29 21:02
ネーミング自由詩2*13/4/25 0:45
湧歩道自由詩1*13/4/24 4:51
浴望自由詩013/4/22 23:22
平成ニヒリズム自由詩1*13/4/19 18:11
甘ったれ自由詩013/4/18 23:16
献立自由詩013/4/17 20:36
麩を買う老人[group]自由詩1*13/4/15 16:34
最終列車自由詩3*13/4/15 2:23
ベッドルーム自由詩013/4/11 7:27
u.o.u自由詩2*13/3/30 4:31
バースデイ自由詩1*13/3/17 1:42
レストルーム[group]自由詩1*13/3/14 1:39
独善自由詩3*13/3/11 3:36
レンタル・フィロソフィー自由詩2*13/3/7 1:40
予防線自由詩2*13/2/8 7:10
スローライフ(not throw)[group]自由詩1*12/12/26 17:11
情熱自由詩0*12/12/25 10:57
色殺自由詩2*12/12/19 2:07
追慕とサルベージ自由詩1*12/12/4 3:57
スローライフ[group]自由詩3*12/12/2 5:33
偶像自由詩2*12/11/29 1:01
アイドル自由詩1*12/11/29 0:55
グッド・モーニング・ブルース自由詩3*12/11/28 6:16
病床自由詩1*12/11/27 1:49
スタンドアローン自由詩1*12/11/21 1:31

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