ひらいて とじて
ひらいて とじて

洗いざらしのパステルで生まれ落ちたはずだった

陽に向かって微笑んで
眩しさに睫毛震わせ

ひらいて とじて
ひらいて とじて

紐でくくっ ....
朝、君の言葉が心を掻き回す

ふるいそうになる言葉の刃を
ぐっ とこらえて
スイッチ作動

憎悪スイッチOFF
愛情スイッチON
叫びスイッチOFF
沈黙スイッチON
記憶スイッチ ....
映写機の光に変えられて輝く
ちりぢりの埃みたいになりたい

光の中でも
闇の中でも
自ら輝くことはできず
気付かれることさえないのに

暗闇に一筋の光が射した時に
一度きり嘘のように ....
母の日に
小さな手で紙粘土とビーズのネックレスを作ったのだけれど
釣り糸のようなプラスチックの糸で作ったから
「それじゃあ、首が切れてしまうよ」
と父に怒られたのだ

今ならもう傷付かない ....
地下鉄で前にいた高校生が
シンショー、シンショー、
とにやけているので
その視線の先をたどったら
ひとりの青年が楽しそうに何かのまね事をしているのだ

手で何かを大切に受け取る動作
それ ....
Aに憧れて
少し大きなことを言ったら
身の丈をわきまえろ、と言われてしまった
Aは感心されたのに

Bに憧れて
少し過激な冗談を言ったら
何をいうんだ、と言われてしまった
Bは笑って貰 ....
憧れは青くてばかばかしかったけれど
本当はその向こうに欲しいものがあった

美しい石をひたすらに集める夢と
自分を殺そうとするだれかを殺してしまう夢ばかりみる

愛おしい、突然心から言葉が ....
あまりに突然で

わたしは馬鹿みたいにさっきまでの笑顔をはりつけたまま

立ち尽くした








また子供の頃のことを思い出した

喜ばせようと思ったのに
ぴしゃ ....
大丈夫だよ
すべてわかっているよ
きみの渡そうとしている箱の中身も
それについた小さなメッセージカードの言葉も
わかっているという言葉の不確かさと愛しさも
だからそんな顔しないで
外はばか ....
morning.Zn無


君が2日前に置いていったメモにかかれた、言葉?

*宇宙からのメッセージ

だってさ

夜風が命のないもの達を
動かして、遊んでる

カタカタカ ....
その神様は
ちっとも偉大じゃなく
小柄で、痩せた手足をしていて
けれども表情は生き生きとして
老人の顔をした少年のよう
優しく、時々いたずらっぽく微笑み
白い雲と暖かい日差しとそよ風とチョ ....
初めて外に出た少女は

世界の広さを知らなかったから

庭を囲む高い塀など気にもならなかった

ねずみいろのたかあいかべさん


少し背が伸びた少女は、ある日ふと塀の向こうに気づいた ....
あなたをみつけたわたしは
他人に滅多に傷つかなくなった

何の気なく向けられる言葉のやいばで血が流れても
こんな傷大したことないと
あなたが笑ってくれるから
わたしも傷口にきちんと、目を向 ....
白く霧がかる水面を
小船でゆっくりたゆたってゆく

しんと静かだけれど
怖くはない
うっとりするくらい、穏やかだ

オレンジ色の光は頭上
霧の中にぼんやり丸い

わたしは小船の縁に ....
わかるよ、大丈夫だよ と
君は微笑んでくれる

俺がわかってるから と

けれどもわたしは悲しい
悲しくなったから、君がそう言ってくれたはずなのに
君の言葉がさらにわたしを ....
明るい憂鬱だなあ
と思った


だってテーブルには甘すぎるオレンジジュースと食パンと先先週の週刊誌がのっていて、汚い、ほうけた日常があるだけで
わたしはその横に座り、強く胸を押さえ、苦しみに ....
さかしらだ
さかしらな心だ







酩酊した夜道を
歯を食いしばって四肢を伸ばす
いまはもう動物
だって理性をどかした頭は
澄み切って○○を剥き出しだ

街灯も薄ま ....
うそつきなこどもだった




帰り道


鍵っ子だったわたしは
ひとりっきりの家に帰るのが
さみしくて、さみしくて


帰ろうとするMをひきとめようと
こう言ったのだった ....
人生は時の缶詰みたい


冬の午後に眠りから醒めてそう思った
左手が痺れてる
私の腕は男の腕に絡まっていて
わたしはそれを乱暴に解く


男は寝ている


ああ痺れた腕がうっと ....
こうやって真っ白な入道雲を見つめながら無人駅のホームで涼風にあたっていると
私は永久にこの季節の住人で
それ以外は旅しているだけなんではないかと思う、昼下がり


何もかも果てなく親 ....
「どうしてそんなに優しいの?」

聞いたら、きみは
子どもみたいに首をかしげて

「優しいってこと、俺にはわからない
 ただきみにしてあげたいから、するだけ」


悪戯っぽく笑って ....
ベランダの網戸に
小さな蜘蛛が一匹、しがみついている 
風のごうごう吹く真夜中だから
足をちぎれそうにのばして
蜘蛛なんて見るのも嫌なのに
ひどいすきま風に顔をしかめながら
なぜか私は
 ....
町外れの海辺の林の中に
小さなトタン屋根の小屋があって
そこで彼は毎日作っている

「動き続けることに意味がある、しかし動き続けるだけでは意味がない」

彼は思う

彼はずっと作り続け ....
真夜中にテレビを付けたら

派手なメイクと派手な衣装で

あなたはしっかり唄っていたので

私は ひどく 心安らかになりました

相変わらず しゃがれた甲高い声で

「愛しあってる ....
「まだ諦めてないのか」

季節は夏を出し惜しみして 中途半端に突き抜けている
そんな景色をぼんやり眺めていたら
急に耳のそばで声がした
みどりいろの小さな悪魔みたいなイキモノが
あ ....
明日は海が見えるといいな
この窓は晴れた日に水平線が見える
きらめいて きらめくたびに
海鳴りよりも遠くて深い いつかの音がする
胸の奥にいつのまにか 残してしまった


*真剣な話をし ....
目覚ましがゲンジツヲミロと言う 午前4時
寝返りを打って あの人とあの子の後ろ姿に背を向ける
半分起き上がって、ひたすらにただひたすらに
食べる
一ヶ月に一度、何かのために私は栄養を詰め込む
 ....
「死体はロッカーに入れないで下さい」

雑踏の中に立ち止まり、コインロッカーの注意書きを呟く。こっそりと。

東京の駅はなんとなく明るくて明らかに冷たい。



ふうん。        ....
ひとり沈んでいく夜は
月明かりだけを呼び寄せて
鏡の私に背を向ける

それから

秒針の音を消すように
鼓動の音を消すように
そっと自分の肩を叩く

昔幼い私に母が
静かにそうし ....
「女の子らしくていいじゃないの!」
「男らしくて良いじゃないか…」

それは唐突に打ち立てられて現れて
そのたび 私は あ然とする
その上たちの悪いことに
言った本人は気付かずに 
その ....
靜ト(36)
タイトル カテゴリ Point 日付
こころ自由詩412/4/17 10:47
パッチワーク自由詩010/7/9 11:32
wana be自由詩110/7/7 11:41
詩人自由詩110/7/6 17:31
地下鉄自由詩1+10/7/6 15:27
憧れて自由詩110/7/2 11:56
teenz自由詩010/6/18 11:35
2度目の性自由詩110/4/27 1:44
合わせ鏡自由詩310/4/2 17:22
アスタリスク自由詩210/2/3 17:14
そんな神様だったなら自由詩410/2/2 12:38
アカイミ自由詩110/1/31 18:13
あなたをみつけて自由詩010/1/25 16:35
一時の旅自由詩210/1/22 12:57
わかりあう自由詩210/1/18 1:57
明るい憂鬱自由詩110/1/15 15:48
ヤモシレヌ自由詩110/1/10 14:42
うそつき自由詩610/1/9 20:02
時の缶詰自由詩310/1/9 10:15
あかいつき自由詩7*10/1/7 16:32
優しいと言わない自由詩1*09/9/10 18:09
あれあし自由詩2*09/6/14 22:54
メーカー自由詩0*09/6/14 0:54
エッセイ2自由詩009/6/11 2:50
saga自由詩1*09/5/30 0:17
ウミナリ自由詩0*09/5/28 21:28
ほんのうのとなり自由詩009/5/19 22:09
コインロッカー自由詩1*09/4/8 21:29
ねむり自由詩2*09/4/8 18:15
エッセイ 1自由詩2+*08/11/28 15:31

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