それはおおきなかわよりも
ながくながれていたとおもう
わたしはかってなおもいこみで
そのひとをなぐさめようとしてしまった
それが やさしさ の ぎしきみたいで
わたしは やさしさ を ....
{引用=上手に息ができないとしても
あの海のように世界はひどくしょっぱくて
ひりひりと小さな傷や大きな悲しみにしみてくる
だからというわけでもないけれど
そう たとえば空を飛ぶ自分 ....
秋がささくれて冬になる
きっと もう
と、つぶやいているときでさえ
確実に近づいてくるものと そして
確かに遠ざかってゆくものとの あいだで
音もなく消えてゆく そのときのわたしをどうか ....
{引用=今日は今日を生きて
生きていることに少し感謝しました
少ししか感謝できなかったのは残念ですが
明日は明日を生きて
今日よりも少しだけ多くの感謝をします
ほんの少しだけか ....
{引用=わたしは小さな虫だから
近づいてくる冬が怖いとおもうのは
あたりまえだなんておもわないでほしい
もうだいぶ寒い
(すーっと すーっと ねむく なる)
からだから力が抜けて
....
わたしの、やわらかいところは
羊水のような液体のなかで、うかんでいる
わたしの、やわらかいところは
いつもたくさんのことで、満たされていて
それをとどめておくことに疲れると、忘れてしまう
....
そんなとき
わたしは、ふとおもう
たとえば、いまはいているくつ
をぬいで、みなもにたったらしずまずに
わたりきることができるかもしれないとしたら
それが、わたしのこころをすくってくれる
....
季節のせいだろうか
皮膚がうろこみたいに剥がれてゆく
少し前まで自分の一部だったものが
まるで別の存在に思えるのは
過去の自分を愛せず
そして許せないのと似ている
(あるいは受け止 ....
アンナは、わたしの大切な友人で、まるで姉妹のような存在でした。どんなことでも話せるし、あんなことやこんなことをして遊びました。そんなアンナが、わたしを残していなくなってしまったのは、とても辛かったので ....
わたせなかった手紙には
同じような言葉をならべてしまった
愛しています
いまでも
愛しています
愛しあった日々は
いまでも
愛しあっていたと
愛したことにだって
いまでも ....
「記憶」
見上げれば青空
小さい頃の記憶にある
かつての夏の日差しのように
気づかぬうちに過ぎてゆく
何かがわたしの背中を押している
「今日」
自分のことでいっぱ ....
うまく思い出せない
見送った後ろ姿なら
鮮明に焼きついているのに
君の笑顔が好きだった
それは本当のこと
なのにうまく思い出せない
強がってさよならの言葉の最後に
わたし ....
ただ生きてゆくための幸せなら
わたしは要らない
もしも人が
幸せを呼吸する生きものだったら
息もできずに倒れる人が群れると思う
それほど幸せは少ない
けれど
簡単に見過ごしてしま ....
静けさを呼吸して
ふくらんだ悲しみをはく
そんな自分を少し可哀想だと思う
今日も一日、雨だったから
なんて、理由にもならない
何となく電源を入れた
パソコンがウィーンっていいながら ....
わたしに銃口をむけたら
あなたよりも速く撃つ
その瞬間を待って
わたしは草陰にひそむ
マシンガンのような武器は持たない
細い糸を張り巡らせて
その瞬間を待つ
あなたよりも ....
君へ手紙を書く
タマムシから君へ
君は人で、わたしは虫だから
君にとってわたしは虫以上でも以下でもない
けれどわたしのからだは虫とは思えないほどきれいだって
君は知ってしまったから、わた ....
わたし、ずいぶんやせてしまって
てのひらには、ようみゃくみたいなけっかんが
あおじろくひかってみえるほどです
だから、あなたのこと
やさしそうになぜたりするのも
ぎゅうっとだきしめたりす ....
わたしの説明書には
「単三電池6本で動きます」と書いてある
つまり電圧に直すと9ボルト
何処かでおちた雷が
光だけを見せている
地響きみたいな衝撃がつたわって
わたしは静かに動き出 ....
足踏みをしていたら
後ろから吹いてきた風に追いこされてしまった
きっとわたしは
まだ夏のままでいたかったのだと思う
だってまだ海にも行っていないし
夏服の気に入ったのも見つけていない ....
まだ、飛ぶには早すぎる
わたしは
滑走路を駆け抜けるほどの
強い言葉を知らない
まだ、飛ぶには早すぎる
わたしは
助走のために散らかした言葉を
犠牲にしすぎたから
まだ ....
やせっぽっちの捨て猫だった
ミーミーないていたのでミーと名づけた
小雨が降る桜が散ったあとの公園だった
とても弱っていてミルクも飲まない
指先にミルクをひたして唇に寄せた
かたく閉じ ....
きらめき、眩しさの中
幻の人をさがす
どれくらい歩いてきたのか
帰り道もわからなくなってしまった
もしかしたら
それが本当の旅なのかもしれない
絵に描いたような出会いなんて
まっ ....
転がるように、おどけるあなた
まるでピエロみたいだった
はらはら、わたしは
あなたが演じるあなたを
ただ見つめてる
空中ブランコ、ゆれてもその手を
つないだその、手をはなしたくはな ....
わたし、さかな
あなたの前では息もできない
それは言いすぎかもしれない
だけど夜になると
淋しさを呼吸するわたしは
誰でもない一匹のさかなになって
どこまでも
きっと、どこま ....
暮れてゆく夏のかたむく日差しのように
あなたの後ろすがたが遠ざかってしまう
今日あった嬉しいこと、虹
久しぶりに見れたこと
あなたの後ろすがたが遠ざかってしまう
淋しさがぼんやりと浮 ....
永遠なんて信じていないから
今日を懸命に生きている
わたし
だけど
あなたといると
永遠があればいいなって
思ってしまうから
明日のこととか
来週のこととか
今日が ....
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