しわひとつないテーブルクロスに、鮮やかな花々。
ポーカーフェイスの給仕に椅子を勧められ、席に着く。
差し出されたメニューは白紙で、けれど彼は静かに問うのだ。

「ご注文はお決まりですか?」
 ....
定期考査に追われた学生のように、さぁ、身辺整理を始めようか。

いつでもどこへでも旅立つことができるように。

跡を濁さぬ鳥のように。

埋め尽くす雪のように。

澄み渡る空のように。 ....
来年のことを言ったから鬼が笑った。

勘が良すぎるのは考えもの。
唐突な別れは何の感慨も呼び起こさないらしい。

ひとを失うということのなんと簡単なことか。
「哀しい」のだと確信を持てない ....
 残酷なまでに美しいこの時を

 君よ わすれないで
 雪も降ろうかという冷え込みに襲われた あの冬の日
 君は生まれ 私は逝く

 私が最期の吐息を零す頃 君は生まれて初めての光を感じた
 君の表情が忙しく変わるたび 私の為の悲しみは薄れゆくだ ....
黄昏時の丘 曼珠沙華の群生

緋色の絨毯 唱和する彼岸への祈り


少女は手に堕ちることなく{ルビ喪=うしな}われた

陽炎の向こうに見えるのは

あどけない影の ゆめまぼろし

 ....
 赤い夜明けの子守歌。
 青い果実が交わす密談。
 緑の森に蝶の舞う音。
 黒の墓場に響く慟哭のオペラ。
 白兎が沈む沼のため息。
 黄金の地平を巡る聖歌。

 君は歌いながら旅をする。 ....
ニシオギユウ(7)
タイトル カテゴリ Point 日付
白い食卓自由詩208/4/24 13:52
delete自由詩008/4/23 11:40
別離自由詩208/4/23 11:38
春、葬送自由詩108/4/21 15:36
一月二十六日自由詩108/4/13 14:38
夜緋≪よあけ≫の境界自由詩008/4/13 13:17
夜の童話自由詩308/4/13 4:58

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