明り取りの窓から清廉な光が射し込む
暗い土間に
祈りの声が聞こえるようだ

原初のときのように光は土壁に語りかける
始まりの約束を

飾られた一輪の百合が
ここに永遠が生きずくのをつた ....
艀はもやい綱をとかれて
沖へと流れてゆく

鴎が舳先をとらえ瞑目して深く思考する

おそらくこのとき
海は世界の涯までも穏やかな波だ

落日が暗い岸辺を輝かせて
静かに情熱が波打つ
 ....
目をとじて私の闇をあるく
蹲る人が耐えている
風化してゆく悲しみに

目をとじて砂の川で魚になる
私の想いは砂にあふれ
やがて砂の海へとながされてゆく

目をとじてスズランの咲く丘をお ....
濡れたブロック塀のうえに
一頭の蝶がとまり
雨のなかを飛び去ってゆく

あとには重い記憶だけがのこりつづけた

長く雨は降りつづいた
塀のうえに
忘れられたスイカズラの花のうえに
眠 ....
朝のひかりが寂寥をうきあがらせる
水のなかの部屋で藻のようにさみしくゆらぐ

愛を終えてめざめるさめた白い世界
そこでは言葉がうしなわれている

隔離された生の夢

記憶のなかを雲がな ....
信じられるだろうか
バラのえだにバラがさくことを
そこからはじまる
明日の物語を

不信の想いは命の種を闇にうめる
眠れぬ闇に吠えるようにもだえるのだ

大地をうしない長いときがすぎた ....
眼をとじて
静かなせかいにはいる

闇にそい
わきあがる追憶を孤独が抱きしめる

痩せた犬がうらめしそうにふりむきながら
白い霧のむこうへ境界をこえてゆく

私はあなたのそばで
ひ ....
あふれる光の流れを
掬う
祈りの手の形で

殺戮は今もつづいている
日ごと心が死ぬのに
たむけるのは
忘却なのだ

潮騒の音がきこえる

千もの傷に
ただ一つの愛

なつか ....
消すことのできない現実を
生きる

杭はすさみながら立ちつづける

抱きしめようあやうい姿の今を
山が沈む陽を抱くように

山鳥はねむり
私たちはひそかに地の種となる

抱きしめ ....
掟は高い塀のむこうで眠っている
周辺を傲慢がはびころうとする

横断歩道で信号機はたがいに孤立し
おたがいの過去をたずねようとはしない

信号機は信号機の宿命のまま
明滅している

 ....
遂には不信のまま生涯をおえるのだろうか

いくどとなく陽は昇ったそれでも
明日また陽が昇るとは信じることができなかった
夜の闇のなかをよびかけるための一言をさがしている

無数の問いをかか ....
ある人はりんごを食べ
ある人はりんごを食べなかった
りんごを食べた人が幸せになり
りんごを食べなかったひとは不幸せになる
そのような不毛な幻想を
幸せの糧としてはいけない
私たちの日々の起 ....
そこは暗い地中だ
酷薄なアスファルトの下で
だれがその闇の深さを知るだろう

行き場のない叫びが
硬くのしかかる中
陽の記憶がうごめくのだ

絶望をしりぞけ
陽の記憶のままに
永遠 ....
やがて
海へ漕ぎ出すのだ

背後の松林を
寂寥が吹き抜ける

空疎な日をうめるように
浜木綿が群れて咲く
その眺めだけは
今が
夏だということを
信じてもいいのだ

日が落ち ....
雨が
語ることはなかった
無言のまま
つみかさねられたのは
あなたへの愛しみ

一日の重さをうしない
さまよう
魂の喪失を
かさなる花弁が
ささえる。
無数の

とがる

痛み

その

記憶



うずきを

かさねられた

豊穣の

日が

咲く。
かわらぬひがよどむ

みずのそこへ

ふかく

しずむ

なくこえも

わらうこえも

もとめるこえさえも

とどかないほどふかくしずむ

ただおわらないいのちのしるし ....
こえられるか
それを

はるかな緑の稜線を
過ぎ去った時の豊かな過去の記憶をかかえ
こえられるか

熱いまなざしのさき
あふれる想いのながれる河を
こえられるか

たちすくむ身を ....
夢と過ぎた城をぬける
荒れた田畑を
古い鎧が肩におもい
切り捨てた刀身の血のりは
悔いの闇
あるいは
執着の炎
生きるために
切り捨てたのだ
畦のむこう
暗い林のかなたへ
ゆるや ....
捨て去ることで
生きて
壊れていくことで
創られる
この壮大な城を
なんと呼べばいいのだろう
ただひたむきな愛よ

めぐる城のなか深く
すでに暑い夏の日の下を
いまも
変わること ....
断崖の端で
はまゆりになった魚が
惜別の海をおよぐ

ゆれるはまゆりの
遠く
積雲のかなたまで
もう夏だ。
街路のはてに
遠吠えの声がたつ
土と風
空が放つ夜のにおい
わたしは月に
月がわたしになる
精霊がつかのまに
生をみせて消える
いまだ
途上なのだ。
かりそめの日を生きる
ちとそらのきわへと
ながくつづく道を愛したのだ
はらはらと
はらはらとふりかかる日々
ふりつもる日は
うつりゆくきせつとともに
とけてゆくけど
いたみやぬくもりの ....
抱きしめるのだ
抱きしめられたように
ときには
生涯をかけて抱きしめるのだ
そのことにより
水は底まで澄み
風はふたたび生まれて流れはじめるのだ
抱きしめるものの眼にかわり
月は
修 ....
一群の人が祈りを捧げている
月を見ているのだ
やすむといい
深く川は
あなたのみなもとまで
流れてゆく。
幼かったころ
暗闇にむかい
怖くなってよんだ
どこにいるの
ねぇどこにいるの
その問いが
ながい時をへてかえってくる
どこにいるの
ねぇどこにいるの
わたしはうろたえてこたえる
こ ....
量るために落下する

側面にうつる

まよい

もてあます問いを

ふかくうめて

はずされたかすがいを

もうひとつの手は

握っている

風はやさしい。
雲のさけめへ
わたしの鳥が飛ぶ

バス停のベンチで
その人は彫像のようだ

まちつづける不安が
長い水路をながれてゆく

ふいに顔をあげて
蘇生する花


生きるために生まれ ....
立ちすくむもののようにあるが
けっしてあきらめてはいない
落日の光をあびて
すてられたもののようにあるが
決意のはての姿なのだ
清涼な空気をさいて
鳥がなくとき
景観のさけめから
あふ ....
晴れやかな空を風がわたるというが

晴れやかな空をわたるのは風ばかりではない

晴れやかな空をみる人もまた

晴れやかな空をわたる

晴れやかな空をみる人が

晴れやかな空に悲しみ ....
Etuji(61)
タイトル カテゴリ Point 日付
土間自由詩008/11/14 20:28
自由詩108/11/9 20:26
目をとじて自由詩408/10/18 21:09
自由詩508/10/12 13:31
自由詩208/10/5 20:54
バラのように自由詩008/10/4 22:15
造花自由詩308/9/19 20:56
ひまわり自由詩308/9/13 13:16
野の花自由詩508/9/12 21:11
オミナエシ自由詩208/9/3 22:18
コスモス自由詩308/8/30 21:20
菜の花自由詩308/8/28 11:49
タンポポ自由詩508/8/17 21:34
浜木綿自由詩508/8/11 20:40
紫陽花自由詩208/8/4 13:59
薔薇自由詩208/7/26 14:03
睡蓮自由詩408/7/25 22:09
こえられるか自由詩308/7/18 20:57
落武者自由詩308/7/17 21:01
別れ自由詩308/7/5 22:26
自由詩308/7/4 14:03
自由詩108/6/28 19:58
自由詩308/6/18 20:39
自由詩208/6/11 20:15
自由詩208/6/9 20:25
どこにいるの自由詩208/6/2 21:04
沈黙自由詩208/5/21 21:16
そして自由詩108/5/20 21:32
自由詩308/5/14 20:51
晴れやかな空自由詩208/5/12 20:34

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