空は曇り
風は冷たい
砂はしめり
海は鳴る
深い、深い深い深い
闇のような
死人じみた暗雲が
ひろがる
ひろがる
ひろがっていく

返事は、床を伝わって届く

コンクリを踏む ....
月夜のビルディング
その屋上に座す
大勢の透明な人々

洪水はやみ
街は黙って溺死したまま
波打つ腹に月を映す

誰も居ないが 誰かの居る
窮屈でないひしめきの群れが
あちらやこち ....
本を閉じると
立ちのぼっていくけむり
あちこちから湧き立ちはじめる
エクトプラズム

小屋の外をかけまわっていた子供が
ふいに立ち止まって
草原のはるか向こうを見た

ぼくはしおりを ....
首をたれたる山の猫
尾っぽを幹にまきつけて
上目遣いに梢を見やる

たわわに茂った緑の葉
あまねく陽射しに当てられて
葉脈をちろちろ光らせる

峠のふもとの静かな林
暮れるにつれて霧 ....
つつましやかな紫煙の残り香が
わたくしの肩の辺りをただよって
広いような
また深いような
みずうみの表面へと消え
それはやがて
春と同化していくのでありました

からすの兄弟を乗せた小 ....
匂いがする
花の匂いだ
こいつの名前知ってる、と問いながら
ごくしなやかな動作で
友達のしめった手が
その花のくきを折った

(売店でなめたアイスクリーム)

錆びねじ曲がった標識に ....
だれかがいる
みんなここにいる
くすぶっている
うなずいている

僕は呼び声を聞く
ふいにあの声を聞く
悲鳴または笑声
唸りあるいは叫喚

中空
樹上
地中
頭上

いる ....
海面がてらてらと光る
冷たい色をたたえ
満月のすがたをうつす

車輪が砂を食べていく
一回転で七百十粒
車輪が砂をしいていく
後ろでもまた一回転
千四百二十粒

誰もいない
誰も ....
凪目(68)
タイトル カテゴリ Point 日付
時化の予兆自由詩109/4/29 2:00
水没したビル群自由詩309/4/17 17:07
おうまがどきの温度とぼくの友達との関係自由詩409/4/16 23:59
森閑自由詩209/4/16 2:06
桜花自由詩709/4/5 19:07
初夏自由詩609/4/4 18:48
幽霊自由詩209/4/3 23:59
胎動自由詩609/4/1 22:54

Home 戻る 最新へ
1 2 3 
0.13sec.