凍える手のひらを
りんごほっぺに
ぺったりくっつけ
まっさらな
じゅうたんの上に
一人立つ私は
ホワイトプリンセス
確かここには
ゆらゆら舞い散る
桜の花びら
....
僕は初めて買ってもらった画用紙に
花を描いた
一生懸命
描いた
けれども
クレヨンがないから
色を塗れない
「この花、何色だろう」
道をせか ....
突然
季節を忘れて
しまったかのような
そんな暖かさに
包まれた夕暮れ
縄跳びに夢中になる
見知らぬ子供たちの
笑い声が高く響いて
向こうの方では
あつあつの ....
まるで
この世の
全てのものが
寝静まったかのような
そんな静寂に
包まれたとある一角
溝の中で自慢の目を
光らせる野良猫さえも
その混沌とした
闇に溶け込み ....
ある日
自分の知らないものを
知るために
旅に出ようと
試みた少年は
持って行くものを
選ぶのに三日かかった
三日後
大きなリュックと
大好きな本を片手に
少年は一人
....
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