心地よい大気に
二酸化炭素の灰は
静かに降り積もり
街路樹がしめやかに光合成を始めて
朝の街は足早に行き交う ひと ひと
流れる河の勢いが増す
何も語らずに
そこに建つ ビル ....
そして雨に濡れた
木は影さす
雨の木の影は遠景の都市を覆い尽くし
雫の滴りが大地に潤いを与えていた
雨雲の空
そそり立つ木々には滋潤
幹には伝う雨
影が色濃く大地に降りる
....
伏臥の悦楽がやってきて
無音の法悦に浸りながら
大気の肌に触れたなら
読みかけの「ジャンクリストフ」
どんな偉大さでも、偉大なものはすべてりっぱである。
苦悩もその頂点に達す ....
ニュースも見ない
気晴らしのバラエティーなどもってのほか
パソのスイッチは錆ついて
空を ほらこのとおり見上げて
小鳥の声が存在感を増し
たまの音楽はクラッシック
ベトーベンにフォーレ ....
午前中 やるべき事を済ませたなら・・・
軽い昼食と読み止しの本が本棚から取り出され・・・
午後は街に出る
見慣れた商店街
人通りが心もち多いのか
気候が良い分 空気と肌の触れ合いを楽 ....
湿り気を帯びた
黒潮からの風が流れくる
幾分か柔らかさを含んで
太平洋の西のはずれ 日本列島 梅雨
空気が清々しい 今年
寒暖の激しさは何処へ
二酸化炭素の濃度が増えて
肺が ....
白いシャツの腕をまくりあげ
太陽を肌の上に滑らせる
二の腕の火傷のあとが
額を太陽光にむけて
第三の眼を養う
速読の技術
午前中の爽やかな空気を腹いっぱい溜める
心をまとめる ....
湿り気のある空気が押しつけて
暗い灰色の空から落ちてくる
細い糸のような雨
歩道にあたり
無残に砕けて
この大地を黒く潤す
雨の残骸が田畑で生きて
静かな雨脚に日本の雨季はし ....
大地に白糸のような雨が降りしきり
その花は静かな雨垂れを聞いている
丸くて 弾みそうな華唇の群れ
たおやかな雫が留まり留まり 大地に帰る
良い羊のむらがりの曲線美
パステルカラーの ....
梅雨の合い間 合い間に
カンと響くような乾いた空気の日に
移り気のように 淡く
心模様が小さな声を立てている
軟らかな手毬の感触
煌びやかな蝶が羽を休め 行き交い
正しく極楽浄土のお ....
青空に白雲の流れ
こうして天空は流動し呼吸をする
空とこの大地が接合する場所
なだらかな斜面に牧草が茂り
遠い過去から 吹き上がる風
そして長い髪が絡み合って
巨大な帆を作り上げ
....
この広野の緑
太陽と空
黙ったままでこの手で触れられそうな
あれは黒雲 これは白雲
青空の透明な胸から
まるで物語のように
ナイロン糸で吊るされた 雲の形態
君に確かに語って ....
高原を渡り始めた
透明な夏の風が
秘密の小道を過ぎてゆく
爽やかな空気と小川は流れて
僕たちの秘められた池へ続く
清楚な美しさ
清々しい山々
空気に宿された力
水の記憶 ....
あなたと過ごす
また夏が巡り来ます
松林の間から
輝きで溢れた
あの海を望み
ほら きらきら輝いて宝石のよう
見つめる海の予感で心がはち切れそう
遠い砂浜には
昼顔が群 ....
暗く 美しい
雨色の漏れ来る
この灰を深く塗りこみ滴る
まだるい色の顔料は雨粒に溶けて
曇天の空を 一つ 一つ埋めてゆき
重い筆勢の抽象絵画のように
空に架かっている
目視で ....
霧雨 降る 青山通りに歩み
国連大学のビルは時雨れ
青学の研究棟が そびえ立つ
巽書店の100円コーナーは「華」
柳田国男
中国文学史
「唐詩の鑑賞」はある
楊けいの「梅 ....
この大空 濁色の夢
灰に湿された曇天
豊熟な大気の湿りに保たれた
か細い清乳
豊熟の胸より滴り落ちる
霧雨の土地
しとやかな木々の緑 潤い
伸びる葉 葉に零れる 雫
豊 ....
ベランダに鉢植え
やわらかな大気がゆっくり空に侍りつつ
曇天は寝息を立てて
温浴の風 静かに降りて
ビルディングの静かな午後が始まる
鳥のさえずりが空間を示して
立ち木の常緑は静か ....
雨は崩されてゆく
透明の灰が静かに積もりゆき
アスファルトの水溜りに雨音の波紋ができた
土地は湿り気を増し
ビルディングは地階から 灰に埋まった
飛び散る 雨
しぶきが足元を濡らし ....
大気ら 愛の鉛のように躍動して
大気 豊穣な胸のように揺れる
灰白色の空は疾風に満ち満ちて
風と会話を交わす
神々しい者らを礼拝する
神と神々の御手に触れ
疾風は頬を切る
髪 ....
密やかに しめやかに
貴方と交わされた 約束
このとおりに曇天
静かに雨が落ちるのでしょうか
祈念した
風 やわらかく 雨 細く
日蓮よ!
立正安国論のご予言どおり
「一 ....
小鳥が木々の間でさえずる
東からの陽光は力いっぱいカーテンを押し
木と木の間の陽だまりの陰
微弱な風に誘われ 揺れた
飛翔の者
その素早い軌跡をガラス戸に焼きつけ
さえずりは空に昇り ....
一足 一足と 雨が近づき
一つ 一つ 我々が浄化され
雨 雨の日に崩れゆくビル
舗装道路が湿り気を帯びて腐乱してゆく
人が人として輝くために全ての物質は滅び
雲が押し寄せて
....
その幹線道路を折れて
閑静な住宅街へ入る
丘へ向かって
ダラダラと伸びる坂道を登る
要塞のようなマンション群
東京を見晴らせる 丘
複雑な構造のマンションは
ト・ウ・キ・ョ・ ....
暖かなコーヒー
沸騰する苦い色の液体
牛乳をたっぷりと浸みこませ
ベランダで 爆発物を飲料にする
爆薬はカフェオレ
導火線は中南海
烈火のエクスタシーに浸る
雨 ....
私の指が透けて通るほど
大気は爽やかに留める
木々と眼球の間
透ける空気に樹木は裸になり
沈黙の呼吸を続けて 地球は浄化され
透明な気体が絞り出されて 私は深呼吸する
透き抜け ....
何もかも
灰に侵されて
ここ都の西
東京タワーの見える 丘陵は包まれて
驟雨に煙り
高層ビルは霞んだ
遠く 近く 雨垂れの音は
軽い放心に誘うから
純潔の水 ....
暗闇が押し寄せて
冷たい驟雨は街を灰色に染めた
ミッドナイトを巡る 静かな宵
闇 深く 真実の時は流れ始めている
嘘をついたような蛍光灯の下で
折口信夫 読み止さしのページ ....
ディスプレイは視覚と前頭葉を刺激して
パーソナルコンピュタは外部と繋がる出窓
望みの世界とアクセスできる
視覚情報は脳天直撃
魂に影響する
今一度 ここを 押さえろ!
....
時雨れて 灯る
電飾の街に
密かに流れている 音楽
それぞれの想いに
灰にむせぶ
軒の低い 並びに
人 人は傘に身を寄せて 通り過ぎ
雨足に歩道は すっかり
足音と ....
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