蝋の羽根を手折って

身体ひとつ飛べ

陽に灼かれて墜ちたなら這ってでも

光に眩んで盲(めし)いたなら 耳を立てて

澄まして


心音を聞いたなら行け

望みを抱 ....
右の瞼を落として閉じた世界を観る



正方形に区切られた場所で



時折触れる温かさに怯え



地球儀にバラバラの心を溶かした



過去



 ....
幾億の刃の葬列

それが彼の命を略奪した





彼に縋らんとその衣の袖を引き

地上に堕としめた結果がそれだ

彼ほど不幸な存在はあるまい


 ....
一振りの剣を掲げた

幾つもの中から ひとつだけ


決めたこと

胸の内で繰り返して


一振りの剣を掲げた

心臓の奥にひとつだけ


命を浴びた望み

 ....
涙の向かう先に堕ちて

それで僕らどこへ?


慈しみ合って泣いて

それで僕らどこへ?


遥か伸びる道

歩き急ぐ人

僕らどこへ




君とどこへ ....
揺るぎ無いものひとつ

残して

捨ててしまえばいい


朽ちた松葉に貫かれ

濁した血に涙して

緩り終わるよりはいい


揺るぎ無いものひとつ

掌に収めて ....
僕らいつも

知らん顔で爪を立てる

僕ら 僕らのことが可愛いから

知らん顔で痕をつける



僕ら

なんで人を愛せないの



僕らいつも

人のこと ....
今日を薙ぐ 薙ぐ

立ち昇る陽炎に眩んで

ゆるりと沈む先の陽に怯えて


明日の手に引かれ

目隠しな日々を薙ぐ

一寸の先に、闇すらも視えず

幻に怯えて日々を薙 ....
刻の針を手折って

真っ暗な夜に祈った

振り切れた僕達は

唇を塞ぎ合って祈った


壊れた針がすっ、と尾を引いて

宵を流れていく


叶うならばひとつだけ
 ....
砂時計をくるり、とかえして

願うのは始め

掃いて捨てた砂粒の、ひとつひとつを

愛でなおしたいと祈るから始め

綺麗なものは全て

緩やかに、隙間から零れていった

か ....
落日の音がした

ごとりと 夜の底を叩いて

日の落ちる音が響いた

繰り返す目覚めに溜息して

むせ返る生活の臭いに眉を寄せた

「しあわせをきめるのはだれ?」

加 ....
夕涼みに飽きて

地平線へ君を沈めた

ぬくもりと共に沈めた

幾つもの日々を沈めた


夕涼みに飽きて

突き抜けた夜の先を想った

ぬくもりを求めて

冷えた心に息を ....
君と出会ったのはそう

粉雪の日だ

舞い落ちる雪の中で

凍えていた









白い矮躯(ワイク)には鉄の茨

からまってからまって

 ....
あなたは白紙の予定帳をめくり続ける









物凄いスピードで 猛然とめくり続ける









「何か楽しいことが書いてあるんじゃ ....
ひとつ ひとつ

恐る 恐る

僕等は日々を重ねていく

鬼よ

鬼よ

僕の目を覗かないで

ふらふらと 揺れる

瞳の色を透かさないで


賽の河原で意志 ....
チクとタクを交互に鳴らし

僕等針の上で器用に踊る

{ルビ盤上=ばんじょう}に刻まれた命数を横目に

白く{ルビ煤=すす}けた心を、軽く踏み付けた


「疲れたのならお休み ....
沈黙をそっと

羊の様に群れてそっと

何を語るでもなく身を寄せて

何を為すでもなく瞳を閉じて

青い青い檻の片隅で

そっと
吹き荒れる日常に警報

すべて掠う すべてを 暴と掠う

伏せたまま聴くのだ

戦が終わったあの日の様に 呆として

終わりの音を 聴くのだ


凪を 凪を

揺るが ....
引金を引け

速やかに迷い無く、目標を強く見据えて

怠惰は瞳を醜く歪ませ

焦躁は感情を抱き殺す


引金を引け

指先を震わす暇など一時も無い

目を逸らす弱さなど根から ....
喉を鳴らして肯定を叫んだ

飢え渇いた老犬のように

醜く振り乱して否定を歌った

与えられるものなどないと理解(わか)って
瞳を虚ろわせて

僕はなにも選べないでいる

生きること死ぬこと

どちらも選ばないで惑って

ただぼんやりと息を吐く

何よりも醜いのは

描いた夢を嘲うこと

馬鹿だな ....
僕等殺意って牙に麻酔をかけて生きてる

容易く揺り動くそれは、人が人と暮らすには鋭過ぎる鋭角

否定の局地に立って人は、ようやく息を吐くことが出来るというのに


僕等息を、息を吸い続け ....
世界が唐突に色褪せ

焦って惑って叫び声を上げる

カサカサに渇いた心の表面に血が滲んで

大切な感情が 次々と零れだした


世界が唐突に色褪せ

夢の先の風景に恐れをなした
 ....
飴玉をねぶる

餓鬼のように

噛み砕いた

いつかの日和

幸せの爪痕
風穴(かざあな)を

生きることに飽きた心臓の中心に風穴を

鮮やかな赤を踊らせる風穴を

人間をつんざいて進む ウタのような

世界を染めて彩る ウタのような

怒涛の如き生命を ....
ニコニコと笑っている

僕と世界の狭間にへばり付いて 辛うじて繋ぐそれは

二度と 空気に触れさせまいと 必死


ニコニコと嘲っている

人と人の間にこびりついて 界面活性剤のよう ....
瞬間の波にさらわれて

僕らはっとして産声をあげる

永遠の海に溶けた心が

掬われたんだ 今


悠久はゼロと等しく

瞬きは永遠と化して世界を刻む

人が悩むべきただひと ....
世の中を二つにわけたとして

善と悪の二つにわけたとして

僕の足跡はどちらにカテゴライズされるのだろう

振り向くと行儀よく並んだ足跡が

なんとなく善にみえたり

深く窪ん ....
歌うことに飽きて口を閉ざした夕べ

存在を辞めていいだけの理由を 幾つも抱えながら

飲み込んだ望み


囀るように 生きて

くちばしを 閉ざさないで

存在を誇っていいだけの ....
立ち止まって三回まわったらわんと鳴け

出来るだけ高く 遠くまで届くように

誰もが 人生には従順であるべきなんだ  きっと

伏し目がちにふらふらしても 突き出た棒に当たるだけ


 ....
しろいぬ(153)
タイトル カテゴリ Point 日付
『イカロス』自由詩106/11/1 23:34
『モリヌークスの瞳で』自由詩406/10/28 9:15
『殺神犯』自由詩006/10/23 6:42
『剣』自由詩106/10/22 16:46
『』自由詩006/10/21 22:37
『揺るぎ無いものひとつ』自由詩106/10/15 22:14
『知らんぷり』自由詩006/10/11 21:49
『陽炎日和』自由詩0*06/10/2 23:11
『』自由詩206/9/28 22:06
『Sand glass』自由詩006/9/19 20:38
『落日』自由詩2*06/9/10 3:53
『夕涼み』自由詩506/8/25 4:49
『朱瞳』自由詩0*06/8/22 21:05
『not found お探しのページは見つかりません』自由詩106/8/22 21:02
『賽の河原で』自由詩106/8/22 20:54
『チク、タク』自由詩106/8/20 10:05
『Silent seep』自由詩206/8/20 7:28
『凪』自由詩006/8/20 7:26
『焦燥感醸造』自由詩206/6/18 19:49
『』自由詩006/6/14 23:00
『虚夢』自由詩006/6/14 22:59
『殺人衝動』自由詩106/6/9 22:04
『シ』自由詩006/6/4 22:29
『』自由詩206/6/3 14:18
『風穴』自由詩206/5/31 22:55
『Smile』自由詩006/5/25 23:41
『ワンシーン』自由詩406/5/25 21:49
『カテゴリー』自由詩106/5/21 8:11
『囀り』自由詩106/5/20 22:56
『the dog』自由詩106/5/20 14:18

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