腐敗したものの中から立ち上がる春が臭う
ねじれながらクロトンの葉がまだらに燃え
枝の根元に寄生した洋ランも
咲くのを待ちわびるように根を伸ばし続ける

雨が降ればミミズがあわあわと這い
家 ....
両手いっぱいに
摘んだ花

丘には輝く太陽

押し寄せる波のしぶき

唇にふれた砂

転がり落ちた車輪は
赤く朽ちてゆく

僕はあなたの乾いた瞳をなめて

夕日が暮れるのを ....
まよいあぐねてたどりついたは
もりよりふかくかくれた麓
かわやきやはたけがありのままにほうちされ
わきみちにあるふるいじぞうがぶきみにほほえんでいる麓
そこの麓びとらはみないんきにこちらをみや ....
私はしらないあさがお
墓石のうえでつるをまく
私はしらないうろこぐも
かぜにふかれてきえる
私はしらない鶏鳥
飛ぶことを忘れたまま
私はしらない子馬
ヒズメを地につきたて
私はしらない ....
じっとして
息をひそめていればよかった
そしたら
なにもかもが感極まったままで
なにもかもが仏尊としたままで
かるがるにスキップ
輝かしいばかりの海原
だったろうに

鞄なんかも ....
けだるくなって
ぬぎすてたズボン
やーやー言って
砂と砂らが、ほころんだ

あなたは
珈琲をたしなむようにわたしを抱いた

あの夜も
その夜も

そしてこの夜は
夢のなか

 ....
一寸の安らぎに
耐えかねて
毒を飲んで吐き
もだえる
仏門の前に立って
拝んだりしてみても
卑猥な美しさに見とれ
煩悩と野蛮にふける
しつこい奴には平気で眉をしかめるし
腹の立つこと ....
鍬も
鎌も
放り出された
むき出しの畑
半分お気楽に
半分苦しげに
つるが垂れ下がっている

歴史参考書も
試験マニュアル書も
免許書なんかも
土手の方に投げ捨てちゃっていたので ....
また
おちた
おちていった
無数の鐙骨、仏の門
歯抜けたおと

悔い改めようにも
祈る神がいない

鉄のにおい
しめった皮膚のにおい
歯抜けたくちづけ
脱臼するアイ

とり ....
あそこのT字路に行きあたると
追突注意の看板があるんで慎重に横切ってください

交通整備しているお兄さんに早口で言われます

もしかして

もしかして
太ったおばさん
もしかして ....
十字路を右にでた大道り
美しく立ち並ぶ鉄筋のあいだ

次々に子供たちが落下していく

十段箱の腹をした女が快活に歩いていく

いろんな地区の、いろんな宗派の大股の大佐が
給油所やカフェ ....
古腐れた木のあいだから
ピンク色の肌がこぼれている
わせわせとしながら土が舞い
よってたかってみんなに詰られるも
おちゃらけるブー助
こころには
キラリんと杭

ばかっぷりなブー助
 ....
メランコリッタ
きみの口笛が
さびしく水平線に難破しているのが聞こえる
情熱はいずれ消える火なのだね
メランコリッタ
うなじにまかれた針金
それをといてあげられるのは誰
怒りも苦しみも敵 ....
ガビ
ガビビビビビ
変な音
とても変な音だ
ソファーに腰掛けた真向かいの人は
その変な音をたてながらわたしに向かってきた
思わずよけた
ガビビビビビと
強烈に変な音を高めて
真向かい ....
とどろきとどろいて
龍が天へのぼっていくのを見た
妙にあたりは青ぐろかったなぁ
マックがバグって
あたしもバグりかけたけど
そうやすやすと朽ちてたまるか
ってふんぞり返るうしろ
蠅が一匹 ....
てだこ、大ぬしは飛ぶ

てだ、いちろくが、
てだ、はちろくが、

日夜
苦しそうにマフラーを
まいてるカップルたち
こんなすがすがしい愛はない
うどんのようにスルスルと伸びて
熱い ....
バカでなまけモノで
虫歯だらけでだらしなくて
おまけに足臭くて
口臭くてげっぷばかりで
なのにあいつは
人一倍、許される
誰にでも許される
こっちはめいっぱい
働いて、規則正しく寝て起 ....
どうにもこうにも
犬の糞をふんずけてしまった時みたいに
マヌケだ
きれいにかしこまった感じで
「どうでもいいよ」と
受話器からのご返事
ああ
がぶがぶとポカリでも飲んで
その後ティラミ ....
ステンレスキッチンに置かれた
一枚の紙切れ
強烈に窓からそそがれる
陽射しにめまいしながら
水をのんだ
昼の電波網では
とにかく男と女が終止
運命の出会いをくり返している
のに中庭には ....
ミネ(19)
タイトル カテゴリ Point 日付
春の手記自由詩6*12/3/2 11:38
両手いっぱいに自由詩2*12/2/29 17:36
自由詩2*10/3/23 17:27
私は自由詩7*07/2/21 1:21
茅屋自由詩106/6/11 17:44
砂がほころんで自由詩106/6/7 0:24
無題自由詩206/4/28 0:55
荒れた畑でわたしはとても健やかだった自由詩106/4/25 12:01
神殺し自由詩206/4/23 20:25
そんなこんなで自由詩506/4/22 16:03
それがまず、自由詩206/4/21 17:11
その豚の悲劇自由詩206/4/21 1:02
メランコリッタ自由詩606/4/19 21:29
相関性の皆無自由詩406/4/19 10:51
新年にギン蠅自由詩105/1/23 23:46
てだこ、大ぬしが飛ぶ自由詩6*04/12/19 23:43
不平の肉塊、無為の空自由詩2*04/12/19 23:27
鼻でわらえ自由詩9*04/12/4 17:59
「大目に 二合水」自由詩8*04/12/4 16:17

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