今し方までボクとおなじぐらいの松林の、
ついたての破れ目がそこいらから
背に射して、
唇を添えて、
通じるオルゴールのようにまわっていたよ。
熱したそこをものにして
>向こうは 鳴る< ....
御とヲさまは弾き出された『酸漿』なのかもしれません
三日三晩思い込まれる、剥脱、「まだ見えません」
半熟卵の木漏れ日に沈みゆく列車を双方から塞ぐ、
乳状の不死鳥は たなびくは朱漆で 丸い影とあり ....
後半のリストを引用する、
思いは、
勾配を。(ぱっと「はなして。」)
三日月珈琲ショップで
さじを翳す。
たびかさなる落ち葉と斑点が腑に
....
夕涼みの足音までに素材として肩組んだPeace
アクリルは釘で刳る鴉のウタ 雨天の、種
古着に火曜日、
木製から響く 実話としてのプリズム
風刺画みたいな現金贈与 さして。
見渡さな ....
銀狐の純血に舌を這わせ麻痺しかかる共通点がよだつ
彼女の、港内は失敗を波止場から目を細める
不都合に、小分けにした終点を迎える後先も黒塗りに甘える
廃止された門扉に裸体がぶ ....
隅々まで{ルビ悠=とおい}シャーレのわたつみを游ぐ眼球の記憶へ
多分私たちは今よりもうすこし先を上手に歩くべきだったの
伸びた爪も取れかかったパーマも色褪せた素肌もまた
いまの ....
歯向かうだけの机上の祖の あのハナは 間が、いいのです。
繊細な表情は独自の速記であり致命的な傷に悩まされる
『あたりちらす/
舌がからまり草木がそよぐからだ/
このよ、迎え入れられ/
....
燭の芯
そのふくよかな呼吸のまた
連続した事に至る悼みと痺れが
つきあかりに足を伸ばし
短くはじめる
あてのない
散歩している、かのような、
空室の三方を のんびりぶらぶら
ガワのほと ....
満場一致の湿った場所にギョロつく子と
山犬の道理、光芒は肩を並べ
あしの速さを競うように、
浅瀬に乗り上げあとに続いていく
噴霧器の全勝。
それは唇が触れましたか。
えぇ、
次第 ....
ハハは真夜中になると
冬のある、電気ポットに まだ幼い鶯の、
恋を
香ばしい、縁 で。
のんでは。
首と傾げて
チチ、と ないた
父、とは
汚れた手を添えると また仄かにぶり返した 望 ....
アバタエクボの氷塊[不透明]と剥がれかけた包帯、そして瘡蓋
っああハあ……ァッィ……うやっァ゛ン+特にこのネコのこと
引っかき傷を収められたばかりの黄土色の日焼け跡をくもりがらすは。
だらしなく ....
文字数の足りない最終回を
とりあえず
一年後に弾薬として
気の利いた演奏を
壊したい人質はまだ急須の底
貯金箱の目前まで
句読点を怪文書に隠してはいた
暗黙の被害者たらず
ほじくれば聖 ....
寝そべれば ただ、砂の城の住人になれた
ビーチボールから空気が漏れ出すような、
答えの見えない穴の空いた口先だけが
時と場所を超え、私に還ってくる。
亡き砂の浜はわだつみに近づいていく
水際 ....
ふわふわしてぽっかりした
海老或いは蟹。
雲の上 蜘蛛の餌食
空いた口 垂れ下がる前髪 咥えただけの空蝉が煩い
あれはナツのことだろうか。
画廊から数歩落窪んだ辺りに ど ....
酔っ払いの特売日に倒れこむことは、この地球のかけら。アップテンポでも薄化粧は忘れないよ。アグレッシブでもない テナガザルは道草だらけ修正液未満の汗をかく。
それでは丸い、バーミヤンの勢力圏を老眼と直 ....
奇異な金環食の貯金箱には未だ一円も入っていない、いないのだ。だがテレビの砂嵐の前では息が詰まる、つまってる、甘く湿気った菓子を求めて いつものひとの臭いがする。鎮痛剤を呷った。まだまだ殺されるために蓄 ....
祭壇へ。贄と献花を、それで薬包紙には土塊を
よこたえたからだ、しんじるものは
とろとろのなまくびから、外れた瞑りを探している
なおざり、枯渇した口癖から点と線が逃げ出した
「有 ....
笑窪や谷間における大気の現象は
空き缶の中に、門扉を失くす
自動販売機の明りを飲み込んでいるだけだと
少年の手を引いて尋ね回るが
そもそも昆虫はその先を知らなかった
滲んだキャンバスの敷居を ....
天使の梯子を知ってるか
酷熱の花束は ゆっくり目を閉じる
正面のシャツからは ぽろりと泡立ち雲へ成る
ペーパーナイフは知っている、魔法のブレスレットは
琥珀の液体を濃くする司会者のよう ....
期待外れにも所持している体躯は永久に若々しく、蛤の殻を積み上げて、浜辺に打ち上げられた。ほんのささいなオケージョナル・ドレス、銀杏の季節の後ろ姿ばかりを見送っている。運悪く雨に心つくし、幸いにのまれ ....
気晴らしを服毒してぺたんと座る。
うんうん言いながら伏し目がちに窺う
鄙びて果てる安息は、
ピロートークにもならないから
縫いつけられたように目が離せなくなる
足は縺れて転んだようだった ....
河原に足を浸す女の子といる気がするだけ、
いつか夢にまで見た田舎道の七の月に。
肩甲骨を置き去りにした、水銀灯に対する還らずの雨にかくれんぼ。
閉店した本屋があるnull番地、泥除けの ....
古美術商と少年
魔法のランプのサインを一切れ 汐のとき 伽羅の砂時計に、口の端にのせておけば、箇条書きに草は群がり栄え華々しく執行されるかもしれない……自慢話に興じるこっくりさんに従い、虫が巣 ....
希少性のあら捜しに仕立てさせる魅惑 やわらかに富めば、このかいな いいほうで、熱烈に繁殖した黒砂糖の鎖を断ち切る一指、こころなしか、ほのかな香りに包まれ、ほとびるは着の身着のまま。
美女と野獣の ....
「{ルビ弥=いや}が上にも」と蠢く弾力と渡ってうたって、ふっくらとした真綿の断層は息を切らした、奔放に惹起し、鮮烈に粋る。消え入るようなコンパスは錯覚を刻んだ犠牲者、途を記し伝わってくる、ただ頭が足り ....
たのしいおもいでも、つらいきおくも、ほろにがく反芻する。むさくるしく空虚な嘘の中心に足を運ぶ なんども。ざわつかせる世界もこの胸も、白い目で見る明けの明星の強さに趣を見つけるには。
目障りな ....
フロアライトに照らされた祖父の鍵束は
まるで、ゆりかごみたいな影絵を思い起こさせ、
熱帯夜を引き止める、ぱたり
閉じられた胸とベーゼ、
暗闇に見える涙が乱反射して三白眼と
手を翳す
....
滑らかな機関銃と流暢な筆の走りに
しがらみをなくした玉響の廃人
三角に影をなくした陽気な小股が
予想通りの横顔に挑戦状を叩きつける
光芒は麻薬を含んで余命を水没させ
空襲警報は不慮の事故 ....
継ぎ足された寿命 流れ去る秋の空
私の代わりに種明かしを
『一年後 叫ぶ 千羽ノ鶴』
そんな知育玩具の傷跡、そんなケチな細胞膜
二つ返事の読み物、成立しない御神灯、
『力は入らないよ。』 ....
黒っぽい磯、赤裸々な暗礁、あらぬ余殃
風穴
罪のない心が弐度死ぬ
重みを咥える胸腔に大ぶりの菊が咲く
濁声に記載される荷車に両手を戻し吹きかける
少しの綿毛及び花火が散る
....
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