噛み合う会話には拍感が不可欠なのだと
一日の終わりに反省するけれど
あげく拍を取れないまま
ついに考慮されるのは

振動にことばに帰納的な推測に
ことばに信号に声帯の震えに
とうめいな笑 ....
テレビの雑音が周りにひしめいていたように感じる
夢の中だからわからないけれど

かわいくない子供だと言われたことがある
半端にしゃあつき
だからといって素直さもなく

馬鹿馬鹿しい
か ....
気怠い色で澱む部屋の
暖かい風を吐く窓際
当てもなく呼吸しながら
かさぶたに爪を立て

血が溢れないように
恭しく祈り
取り返し得ない時間とともに
ひと思いに掻き切った

きっと傷 ....
わたしは空を飛び
空を飛ぶわたしを俯瞰する
わたしも地上を俯瞰するが
だれも空を仰ぎはしない


口もとのさざなみに
ながされてゆく自我
わたしもわたしを掴めずに
意識だけが肥大する ....
何万フィート雲の上
翼を生やして空をとぶ
何万メートル水の中
鰓を身につけ透きとおる
何万マイルの地の底で
硬くかたく流れゆく

幾千万の街を越え
笛を吹くのは
ただ一人

かる ....
名無し指で水星をまわす
お金が増えるおまじない

地面に両足を立てて
アリゾナの方角を向いた

私の心は雲に覆われ
ただ水に浮いた

横倒しになったまま
季節が存在するのかも

 ....
羽化せずに死んだ情熱は
ささくれを剥いたら
溢れ出しました

仰いで歩くと
青すぎて迷いそうだから
椅子に座って待ちました

もうかさぶたになったのに
壊れ物を扱うようで
ひどく目 ....
どのくらい遠いの
   空と海くらい
どのくらい離れているの
   カストルとポルックスくらい
あなたから見えるの
   僕からは背中が 微かに
どのくらい待つの
   きのうまでずっと ....
君は我慢強いんだな
みんな幻想を視ているのに
話を合わせて
なんでもないように

恵まれていたようだね
容易く称えられて
ひとりでも大丈夫だからと
それでも謙らずに

憧れに惜しま ....
炭酸水を一息に飲んだ
目を瞑って喉をひらいて
爽やかさを求めたのに
圧迫感しか残さなかった

未来は楽観的なのだろう
心配は何もないのだろう
その感情は罪なのだろう
現状が善後策なのだ ....
埃を被った地球儀に
息を真っ直ぐ吹き込むと
海が捲れて地面に落ちた

もう線香は消えたのに
祖父の口は真一文字のままで
煙だけが漂っていた

ユーゴが描かれた地球儀なんて
誰も使わな ....
鼻息荒めに帰ってきた
一時間くらいで帰ってきた
勝ち気な顔で帰ってきた
牛肉提げて帰ってきた

さも 狩ったかのように
さも 勝ったかのように
高い肉買って帰ってきた

割下は合わせ ....
陽に照らされた幽霊は
決して嘘をつかなかった
見透かしたように
見定めたように
椅子に坐ったままだった

堪らず
睨み返したら
解りましたと嗤ってから
本当のことしか
云わなかった ....
じおんぐ(13)
タイトル カテゴリ Point 日付
シントニックコンマ自由詩220/12/11 23:45
コドモ部屋自由詩020/4/10 23:47
かさぶたソネット自由詩119/10/13 23:35
祈り自由詩119/2/17 21:58
ニコラウス自由詩118/12/3 16:23
共鳴自由詩118/5/4 22:55
サナギ自由詩318/5/3 0:22
距離自由詩218/3/16 22:29
弧り自由詩118/3/6 21:59
一息に自由詩318/3/3 20:49
地球儀自由詩318/2/28 20:11
スキヤキ自由詩218/2/25 15:12
トランキライザー自由詩318/2/2 23:19

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