何かが欠けている躯
幾ら飲んでも酔わない日々
壊れた人形に話しかける
貴方は病んでいるんだね
可哀想とは思わない
有り触れて零れそうさ
無数の糸に操られながら
....
罪と罰を破り捨て
埋もれた遠い記憶
眩いその向こうへ
手を伸ばしてはいけない
それは何時も摑めずに
指の隙間からすり抜ける
醒めない夢を抱き続け
加速で捩れるフレ-ム
止まらないドラムブレ-キ
マフラ-が吐き出す白煙
素敵だとは思わないかい
人は脆く弱く直に死ぬ
醜さすら加速させながら
時に見えすれ違い争い
....
寂れたバ-の長椅子で
瓶ビ-ルにくちづけを
両腕の入れ墨を切り裂く
刃物傷だらけの喧嘩屋に
絡まれた遠い夏の夜
弱い者は踏み付けられて
もがきながらも逃げ場を探す
....
コ-クス炉で焼きを入れた
人ならず者の心が暴れても
悲しい人達が溢れ零れようが
俺達の本質は変わらない
争いや諍いをかき集めて
シノギを上げられないのなら
ヤクザと ....
AK47を胸に掲げて
鋳造された神を待つ少年兵
他人の傷を拡げる為に
有り触れた明日を見ないニ-ト
その瞳は今にも針が飛びそうな
レコ-ド盤と変わりはしない
公平な ....
ジェット団が描いていた
夢の続きは途中で潰えて
跡形もなく砕け散る骸
骨すら残さず灰塵と帰す
命の鬼火を揺らめかせ
ディスト-ションを0にすると
暴れ出すヤマハJ-25アンプ
アシッドジャズしか知らない
娼婦とささやかな恋をしていた
ディ-ラ-からぎったばかりの
ギャランGTOを乗り回 ....
才能のないヤクザ
鬼神に祈る人攫い
地獄坂を転げ上がり
迷い込んだその先は
悲しい人が溢れる
何時もの街並だった
漆黒の宇宙から聞こえるファンク
水平な硝子は古いテレビから抜いた
ミルクホ-ルには単車乗りが集まり
レコ-ドの歌が終わるまで街を走る
自分の手で組み直したエンジンに
火を ....
新調したス-ツを汚されるハリ-
44マグナムが相手を吹き飛ばす
強盗に車を送れと言われたハリ-
人質すら構わず店に突っ込んだ
銃こそ正義為らば威力のある方がいい
この国は ....
水平対向6気筒エンジンの共振
同調の取れたキャブレーターが
吸い込む夜と星屑を爆発させて
違う街まで掠れた唸りを上げる
ガソリンが静かに波打つのは
光年の孤独を確かめる為 ....
秘密警察に連行される赤犬
歌うのを恐れて逃げ出した
真夏の夜に夢を捧げる娼婦
裸足で踊った夜の傷跡
原子破壊された月が落ちて
流浪の民は永久を彷徨う
赤いハリネズミ ....
楽園を探し彷徨う果て
争い奪いあう我ら
辿り着いたその先も
聖地を求め祈る者との
諍いと削りあいだった
忘れ去られた街灯
モノクロ-ムの写真
付き付ける銃口
世界を止めた刹那
確かに消え逝く鬼火
T型フォ-ドに揺られた二人は
トランクに積め込んだ札束すら
如何でもよくなっていた
何度も強盗を繰り返す内に
生と死が混濁し同居する
明日には躯を拾われるとしても
....
街を白く染めるのは楽しいか
神に会ったら聞いて見たいが
口を開く前に殴り倒すから
答えは分からないままだろう
また故郷に雪が舞い狂い
この躯はもう崩れ動かない
救わ ....
錆びた鉄の懐かしい香り
焼け爛れる様な鉄工所で
ベアリングを炙る作業員
外せないヘルメットは
犬の首輪と何が違うのか
赤ラ-クにマッチで火を灯す
骸鉄を一輪車に高く ....
天国では純粋なウオッカを凍らせ
火を付け祈るのが主流らしい
確かめて見たいから逝ってくれないか
俺達はあの扉の向こうへは入れない
幾らテ-ラ-メイドのス-ツを着て
鏡面磨 ....
バカラ賭博で暴れる
チャイニ-ズマフィア
神々の奏でるジャズが
虚ろげな街中に響き
敬謙な祈りを捧げる使徒
粛清により流れた血が地面で
鉄の花を咲かせる刹那すら
....
夜のカ-テンが閉じる街を
飛ばすル-チェレガ-ト
ガソリンは満タンでいい
刺青の上から見える刃物傷を
隠そうとしない不良少年
別珍のスカジャンを纏い
セミアコを助手 ....
鰐革の財布に隠した
色褪せない恋人の写真
知らない街の中で
銃を撃ち爆弾を仕掛ける
眼に映る者を破壊しながら
鋳造された神の名の下に
全ての行為は許されるだろう
....
パレ-ドグロスで磨いたエンジニアブ-ツ
SR400改のキックを踏み下ろす不良
何処となく壊れそうな黄色いエレファント
抽象に浸り溺れるアルコ-ル中毒の髑髏
意識のない人形が横た ....
不死身で居られない切人
過去を眺めている左目のジュリ-
遠ざかる恋人と手を取り合って
毒の河を渡り切れずに崩れ去る
鋼よりも強靭な躯ですら
留まる事は出来やしないなら
....
高利貸しの老婆を殺した女
シノギを納められない八九三
Kで命を削るジャンキ-
すれ違う事はなく擦れ逝く者
破滅が立ち尽くし山羊を待つ
朝の来ない日々へと向かう羊達
旭風防を付けたGS400
段付シ-トに跨って
特攻服とブ-ツを纏えば
後はアクセルを開けるだけ
無敵だとか最速だとか
そんな事は如何でもいいのさ
バッフルを抜いた直 ....
鞄屋から仕入れた道具で
踏切を越えたのなら
其処からはもう戻れない
敬謙なクリスチャン達の
祈りが折り重なり
優しい貴方の左眼から
涙が溢れ零れても
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