雨が降るを厭い
風が吹くを厭い
日が照るを厭い
紅い 紅い花を咲かす

雨が降るを尊び
風が吹くを尊び
日が照るを尊び
優しい 優しい実をつける
見つめる先も、行く先も
来た道も、手にする地図も、各々に
例えば、信号待ちのほんの五分ほど
袖振り合っては去ってゆく人

然りて、夏は暑く冬は寒く
転べば痛く、楽しければ笑う
永く共に歩 ....
生きづらそうだねと言われる度に
小さな箱に押し込められるようで
そんなことないって言えない彼らの善意に
大丈夫って言えない自分の弱気に

例えば生きづらさで紙幣数十枚損するんだったら、預金通 ....
昨日をどこへ、捨てよかと
世迷い言、世迷い言

踏み鳴らした葉は、いずこへか
落ちた鳥の羽、いずこへか
あの娘の写真も、いずこへか
冬のましろに潜っては、幾度も幾度もやり直す

ぼくら ....
青い穴の中に白をくゆらせ、
朝と夜、晴れと雨、
春夏秋冬の色に、移ろう空

日の差すを拒まず、飛行機を拒まず、
歓声も、文句もお構いなしの態度の、
世界最大の、偉大な空洞

シャツの襟 ....
麗しくあれ、麗しきものであれと嘯いた
眩い季節が、火葬場の炎に、紅く紅く舞い散る
それを麗しいとほめそやす、餓えぬ人々の足元
舞い落ちた死灰を踏みならし、忙しなく行き交ういきものの
剥き出しの ....
ただ一人懸命に掃除した、水道の蛇口が赤茶げて
所詮こんなものさと自嘲(あざわら)っている

うらぶれた、うらぶれた、朽ち果てた半紙の”夢”の字が
帰っておいでと嘯いている

うるさい、うる ....
わたしの日々の死骸を
喰らい、長らえるならば喰らえばよい
わたしの日々の死骸の
皮を剥ぎ取り、踏むがよい
わたしの日々の死骸に
集り、聖なりと崇めるがよい

わたしは昨日を焼き尽くし
 ....
間違いだと思っていた正しさを
意地悪だと思っていた優しさを
蚊の鳴くような祈りを聞いた

僕を守る両の腕を払い退ける勇気を
偽憤を溶かす真実を受け入れる力を
朝の光に赦し赦される勇気を ....
少女の形は生まれたままに
触れれば崩れる可憐な花の
可憐を装う自己愛のままに

私の形は生まれたままに
触れれば煤ける奇妙なかさの
可憐に為れない泥臭さを愛した

わらうことを忘れれば ....
成る可く期待しない
成る可く絶望しない
成る可く夢を見ない
成る可く流行りを気にしない

紙クズのような逃避の欠片を
無理矢理貼り合わせたそいつを夢などと呼んでくれるな
ぽろぽろ零れる口 ....
鬱でも病気でも何でもなく、
光に黒い陰が差すように
平静のうちにそれを抱え、
にこにこと笑ううちにそれを抱え、
その図体に溜め息を吐き、
手綱を握り、
時に小路を諦め、
時に重さに泣きな ....
仕事がなくて、怒られなくて、
好きなだけ寝ていられて、
頑張って生きる必要だって、なかったとして

明日は、何処に行こう
そんな簡単な問いに答えられる自信が、毛頭ない
あなろぐ時計(13)
タイトル カテゴリ Point 日付
或る女自由詩315/12/1 0:30
行き交う人自由詩115/12/1 0:28
生きづらい自由詩215/11/26 0:48
回帰自由詩115/11/25 23:21
空し、空自由詩215/11/22 18:07
霜月自由詩315/11/21 0:20
廃校舎自由詩315/11/21 0:20
死骸自由詩115/11/21 0:17
遮光自由詩315/11/19 23:44
道化自由詩315/11/19 14:55
成る可く自由詩215/11/19 14:54
虚無自由詩215/11/18 5:38
迷子自由詩115/11/18 5:33

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