嘘にまみれたこの日常
嘘が舞い散る街のなか
僕も私もみんな嘘つき
嘘に喜び嘘に泣き
気づけば嘘に生かされている

嘘が転がる時代の片隅で
嘘を買い漁り嘘を着飾り
ありふれた嘘を求め安堵 ....
海に浮かぶ
緑色のぷにぷにした
ゼリーみないな物体
ながめながら

さっき黒い人にもらった
苦すぎるコーヒー
ちびちび飲んだりして
物思いにふける

ただようぷにぷに
さみしそう ....
相変わらずメリーゴーランドは
無人のまま永遠にまわっている

雨の日とか晴れの日とか関係なく
毎日ひたすらまわり狂っている

モノクロの少女たちが列をなして
空っぽのメリーゴーランドを眺 ....
頭をひねり潰された俺の残像が
道で抜いた雑草握りしめて
きたない路地裏をうろついている

心を半分あげたのに
残りの半分が急に変色したことが
なんとなく釈然としない

新発売のガムを気 ....
自販機で温かいコーヒー買ったら
なぜか熱々のファンタが出てきた

仕方なくお釣りのレバーを引いたら
なぜかお釣りがさっぱり出てこなかった

そんな世界滅亡1日前の朝

なぜかしらいい予 ....
僕らは小学3年生
産業廃棄物のような3年生
今日も算数の時間が始まる
ゴミ焼却のような時間が始まる

上級生が窓からおはじきを投げてくる
さんすうセットに入ってるおはじき
僕らはそれをう ....
朝が死んでしまった日の夜
私は涙を流しながら台所で玉ねぎをむいていた

どうしてこんなことになってしまったのか
ただ真面目に生きてきただけなのに
どうしてこんな目にあわなければいけないのか
 ....
君が空のテープ持ってきて
ぼろぼろのラジカセに差し込んで
無音を永遠に再生してるから
私もしばらくここで聴いている

つくりごとの放課後
妄想してもいい部屋のなか

青空の飛行機雲眺め ....
青く澄んだ空を見上げれば
白いシャツが一枚
笑顔でひらひら飛んでいる

ああこんなにも素晴らしい
透き通った世界が広がるのに
君は安定剤の飲み過ぎで
あまり安定とは言い難い状態

漂 ....
ほこりまみれのテーブルに
酸化して濁った紅茶と
粉々になったビスケット

ふたりテーブルを囲んでる
会話のひとつもなく
お茶もお菓子もろくに手をつけず

ただわざとらしく
口をぽかん ....
先生はいつも家に屋根裏部屋があるふりをしていて
どうしよう雨漏りだと慌てふためいて
今日の空模様が今ひとつであることを
哀しみに満ち溢れた顔で大袈裟に伝えてくる

まったくどうしようもない
 ....
がらんどうの音楽室
壊れたオルガンを解体している
ばらばらと散らばる鍵盤
わらわらと湧いてでる歯車
錆びたネジを引き抜いたら
マネキンの首が転がり出てきた

どうしてだろう
いつも窓際 ....
僕の身体は
どろどろに溶けた
小さな部屋に閉じこもり
どろどろに溶けた

生ぬるい温もりに包まれ
どろどろに溶けた
依存的な空白に心奪われ
どろどろに溶けた

僕はどろどろの液体
 ....
僕は欲しい
君が大事にしているその空っぽの鳥かごが

フリーズドライ加工した僕の青い鳥を
崩れないよう軽やかなシルエットで詰め込んでみたい

そしてそれを密閉空間の中心に吊るして
三角座 ....
優しい夕陽が沈んだから
僕は列車に乗り込んだ
枯れた汽笛の音が鳴り響いて
列車は静かに発車した

車両には僕以外誰もいなかった
心地のいい空間だった
がたんごとんと揺れる音が
夜の訪れ ....
彼女は月へと旅立った
美味しいお餅を食べるために
彼女はロケットで旅立った
ごおごおと音を立てながら

炎と煙を巻き上げながら
ロケットは月へと向かったが
彼女は興奮のあまり
ぴょんぴ ....
君のその変色した合成樹脂みたいな脳みそから
濁ってる記憶だけを取り出して
映写機に装填してレトロ上映会を開きたい

僕があの頃の君に惚れていたかどうかなんて
そんなどうでもいいくだらないこと ....
寒い朝、可燃ゴミの日だったので、袋をまとめてゴミ出しに行った。

ゴミ置き場にはたくさんのゴミ袋が山のように積み上がっていて、
そばではカラスが一匹、首を傾げながら袋の中身をじっと見つめていた。 ....
朝早起きして市場へ行きました
新鮮なお魚が食べたいと思ったので
貯金をくずして行きました

市場には死んだ顔した人でいっぱいでした
みんな死んだ顔で商品を漁っていました
仕入れの人は怒鳴っ ....
鋭くとがった満月がふわり
さみしそうに浮いてた夜
かわいそうだから食べてあげたら
途中で胃がもたれてしまった

静かな夜
見て見ぬ振りをする夜空
食いかけの満月が恨めしそうに
僕を睨ん ....
僕たちの仕事、
それはぐちゃぐちゃになったルービックキューブを、元の形に戻す仕事。

僕とひろみちゃんとたかしくんは、
一切の外気が遮断された部屋で、
ベルトコンベヤーから運ばれてくる大小様 ....
太陽が大爆発したあの時、僕の頭の中ではゴミ収集車の音楽が鳴り響き、郷愁とは言い難いさみしい気持ちで満たされていた。

燃え盛る破片が隕石となって地球に降り注ぎ、人々の阿鼻叫喚が温泉のように街中で溢 ....
トマス氏は知りたくてたまりませんでした
ドーナツの穴はどうすれば食べられるのか
トマス氏は解明したくて仕方ありませんでした
ドーナツの穴ははたしてどんな味がするのか

トマス氏は毎日考えてい ....
埃の浮いたオレンヂジュース飲みながら
酸化して古ぼけた青空を眺めていた

ぽつりと視界に横たわる
誰もいない廃アパート
屋上で誰かが手を振っている気がしたけれど

たぶん気のせい

 ....
あなたはゼラチン体質
脳みそが半透明
よくわからない言葉を発する

あなたはゼラチン体質
全体的に粘着質
ねちゃねちゃ音を立てて動く

ゼラチン状態のあなたは
なにを言ってもすまし顔 ....
安物のヨードチンキ
木製薬箱から取り出しまして
お立ち会いの表舞台に撒き散らしたら
さあ今宵も開演

埃ひとつない椅子に腰をかけまして
これからお目にかかるは摩訶不思議
センチでレトロな ....
目が覚めたら季節は冬
見渡せば湖のほとり

静寂の空
辺りは錆びた空き缶の残骸
ヘドロの道を踏みしめて
辿り着いた絶景

息を飲む
そこは一面に広がる限りなき退廃の世界
地平線まで ....
映りの悪いカラーテレビ
メンヘラ歌手は歌う
恋愛至上主義

悪い薬を飲みすぎたせいで
心に溜まる濃厚な沈殿物

お湯を注いで約3分の即席恋愛に
手のなる方へと理性が散らばる

致命 ....
がらんどうの音楽室
壊れたオルガンを解体している
ばらばらと散らばる鍵盤
わらわらと湧いてでる歯車
錆びたネジを引き抜いたら
マネキンの首が転がり出てきた

どうしてだろう
いつも窓際 ....
観覧車がまわっていた
あかしろきいろが楽しそうにまわっていた
君が乗りたいっていうから
僕らは観覧車乗り場にやってきた

500円札を2枚つまんで受付に渡した
目の前にあかいゴンドラがやっ ....
wakaba(33)
タイトル カテゴリ Point 日付
フールなエイプリル自由詩118/4/1 10:40
ぷにぷに自由詩017/12/17 16:57
遊苑地自由詩217/4/9 21:49
どうしようもない夕焼け自由詩117/4/1 19:02
世界滅亡の前日に自由詩117/2/5 19:11
算数の時間自由詩217/2/2 22:49
朝が死んだ自由詩1*17/1/26 22:35
無音カセットテープ自由詩217/1/22 23:10
漂白自由詩017/1/22 22:53
ティルーム自由詩1*16/8/8 22:20
開かずの間自由詩316/6/11 21:14
オルガンと首自由詩1*16/6/11 21:09
自由詩016/6/10 0:18
君の鳥かごが欲しい自由詩016/6/8 22:35
哀愁列車自由詩116/6/7 20:43
うさみみ少女、月へ旅立つ自由詩116/6/5 22:46
イレイザーヘッド自由詩116/5/29 13:24
ゴミ袋と手首自由詩1*16/2/23 7:38
にこやか市場自由詩316/2/17 0:01
食べ残し自由詩116/2/9 7:55
ルービックキューブ自由詩2*16/2/7 7:38
ソレイユ自由詩215/11/29 23:10
ドーナツの穴の食べ方自由詩3*15/11/23 10:44
涙があふれて自由詩0*15/11/21 18:10
ゼラチン体質自由詩4*15/11/19 19:56
キネマ劇場のふたり自由詩4*15/11/16 11:15
残留物自由詩015/11/13 9:40
エクスプロイテーション歌謡自由詩1*15/11/11 13:42
オルガンと首自由詩215/11/11 8:53
古い観覧車自由詩115/11/9 16:25

Home 次へ
1 2 
0.06sec.