六十歳の定年に仕事はお払い箱にされた
定年延長再雇用は却下されて
容赦なく投げ出された訳さ

家の借金はあるし
嫁さんは体と心がどっちも弱くて
結婚当初から
俺にずっと養われてたから
 ....
空のてっぺんあたりにお日様が昇る
暑いなんてもんじゃない
熱いんだから

夏が真っ盛りだ
八月
男は上半身裸で赤銅色をしていた
女は着ていたが乳房の形が浮き上がって見えた
夫婦は二人と ....
空から落ちてくるのは
紛れなく男の体だった

地面に激突して壊れた
直ぐに回復して立ち上がった
立ち上がって歩きだすと一人の女が現れて微笑みながら進路に立ちはだかった

女は男の唇に自分 ....
口を裂かれても言えない事はある
もし
口が裂けたら言える筈はないのだが

時間はさかのぼる
空間は移動した

時代は戦争に飲み込まれていた
侵略と略奪
無慈悲な殺戮と暴力

殺さ ....
4階建ての雑居ビル。一階入り口の通路が直ぐに行きどまる所にエレベーターがあって最上階まで延びている。通路の横に寿司店があって店頭では持ち帰りの寿司を販売していた。二階はパブレストランでエレベータでも上 .... 全員が死んでしまった。
アパートの住人は一人残らず死んでしまった。

昨夜、アパートに火災が発生したのだ。
近隣に延焼はなかったが、一度に燃えていっぺんに黒焦げの残骸になった。
その灰の中か ....
毎日が同じ事の繰り返しだから厭になるね。
と、人に何気なく言ってしまった。
ら、その人は「え?もし毎日が違う事の繰り返しだったら、私なんか一度に磨り減って擦りきれてどうにかなっちゃうよ」と言われた ....
彼女は天国に向かう途中だった。そこは生きながらにして昇りつめる事ができる。
健康な肉体には健全な性欲が宿る。そして健全な性欲に道徳は邪魔だ。
第一、男女は共に股間の中心をその人格ではコントロールで ....
風俗以外の女性は知らなかった。
不潔かな。欲望が一人で歩き出したら抑えきれない。男子の体の仕組みはそうなってる。
そんな時は誰にも迷惑をかけられないからマスターベーションで欲望を鎮める。
不潔か ....
女性の必需品買い忘れました。
六十四歳父親です。
いくら父親と言っても娘に頼まれた生理用品一人で買えるほどの強い心臓兼ね備えていません。
買い物はいつも十歳年下の嫁と二人です。

女三人と暮 ....
出口のない部屋に閉じ籠められて
私は腐敗してしまいそうだ

流浪の眼では
天井を突き破れないから
大腿骨の壊死した足では立ち上がれない

天界は遥か彼方
黄泉の国で待っている人の
す ....
化粧しない女と
化粧する男

売れない絵かきと
熟れない詩人

言葉の重みと
その軽さ

一直線
と一曲線

地図のある部屋の壁
ナビのない車

狂気と

狂喜

 ....
洗濯機の中で汚れた衣類が回る。
夜に洗って朝に干して。そんな生活繰り返して繰り返して。
何だか寂しくなって、その寂しさに苛立って。

人に産まれて女に育ち
人に産まれて男になった。

洗 ....
最寄りの駅から電車に乗る。自宅から車で七八分の距離に最寄りの駅はあった。JR線沿いの市街。
地方にはどこにでもありそうな駅周辺の風景。
車は近辺の有料駐車場に停めた。
どうせなら自家用車で東京へ ....
家が裕福ではないのに子供はたくさんいて、末っ子は九馬君だった。
人間の産んだ子供に九馬って何だろう。名前の付け方酷くないかって、俺でなくても誰でも疑問に思うだろうが、所詮他所の家の事だから耳慣れてし ....
心にも闇はあるらしい
顔はヘラヘラ笑っていても
心にゃ真っ暗闇が立ち込めて
雨もざぁざぁ降りまくる

心にも炎がめらめら立ち上ぼる
火の見やぐらをよじ登り
思いきり鳴らせよ
はんしょの ....
言葉に与えられている無限の力
なのに
言葉に素直になれない人たち


おはよう
言っても
おはよう返せない人に
見せてあげたい
鏡に写してその顔を

くだらないお喋りはできても ....
正義の味方が何人現れても
この世界に蠢く悪の虫は退治しきれない

人は皆、最期に斎場に運ばれ
「済み」の焼き印捺されてしまうから
だから生きている間は祭りに参加して
わっしょいわっしょいや ....
二つ年下のよっちゃんに家に見せたい物があるから遊びに来ないと誘われた。 単純にじっとしていられなくて胎児は未熟なその足の片方で蹴った。
に過ぎなかったのに、女はそれが嬉しくていとおしくて、側にいた男に報告した。
「私たちの赤ちゃんが今元気にお腹を蹴ったわ」
まだ生ま ....
男は、どこか母親に似ている女に自分の遺伝子を遺したいもの
らしい。
kが大柄な体より小柄な女ばかりにひかれてしまうのはそのせいだろうか?

kの父親は大柄で筋肉質。胸板は厚く肉体労働に従事して ....
人にやさしくされるのは辛い
人にやさしくなれないから辛い

もし
心を計る温度計があったら
ヤバイ

もし
死んだ父親が生き返ったら
ヤバイ
もし
死んだ母親が
生まれ変わって ....
詩を創ってネットに書き込んで何か貰えるのお父さん
娘に訊かれた
何も
そう答えると
つまらない
と娘が言った

それなら
俳句とか川柳とか、賞金か賞品の出るやつに応募しなよ
そっちは ....
いつも閑散としているガソリンスタンドの横からその路地に入る。道巾は車1台しか走れないスペースで一方向にしか走れない。両側に貧相な佇まいが軒を連ねているが、途中には産院と歯科医院があってその狭い駐車場が .... 人生が一枚のキャンパスだとしても
俺は絵描きにはなれず
絵は苦手で下手くそ

それでいて、嘘で自分をしっかり塗り固めていないといられない
俺の人生
それでいて
他人にはからきし嘘をつけな ....
取り柄なんて何もないし
いたって目立たない人間

脳みその出来はわるいのに
考えてしまう性格
くよくよとジメジメとぬかるんでいる人格

中学の頃は太宰治にのめり込んだ
ような気がする
 ....
家族が崩壊しかねない危機的な状況におちいっても
あらためて会議なんてしなかった

そんな日がそんな時が
来たんだよな
前触れもなく突然に

上の娘が下の娘も連れて家を出て
アパートで暮 ....
しぶとく生きようぜ
たとえその生きざまがどんなにぶざまで惨めったらしくても
怯む事などない
しぶとく生きようぜ

しぶとく生きようぜ
たとえペンが剣より強くても
インクが切れたら役にたた ....
船が海に飽きて空中を浮遊したり
飛行機が空に絶望して海底を探検したり
少年が瞬くまに老人に進化したり
したら
愉快で痛快だな

子供が鉄棒に失敗して砂場に落ちた
自力で這い上がり立ち上が ....
翌日。
妻は薬局で妊娠検査薬を買ってきて試した。
陽性だったと妻はそれを俺に見せた。
俺たち夫婦は子供を授かった。勿論その事実を確かめる為に俺は会社から休みを貰い妻を産婦人科に連れて行った。
 ....
こたきひろし(1106)
タイトル カテゴリ Point 日付
六十歳の定年に仕事はお払い箱にされた自由詩419/4/20 6:53
屋根の上にはソーラパネルなんてなかった時代に自由詩319/4/20 5:04
断崖と絶壁が自由詩119/4/19 7:10
口外しては自由詩219/4/16 7:00
螺旋階段を昇って自由詩119/4/16 1:10
火炎の花が空に自由詩419/4/14 11:28
惰眠自由詩419/4/12 6:32
健康じゃない肉体に宿る蛇って何よ自由詩119/4/11 7:17
ネット詩人は自由詩719/4/8 1:17
地元で一番の安売りスーパーで自由詩419/4/7 8:11
果たして私は誰ですか自由詩219/4/5 22:18
言語の羅列自由詩119/4/5 6:39
心に愛がないから自由詩319/4/3 23:44
最寄りの駅から自由詩519/3/31 10:19
熟れないトマト自由詩219/3/31 9:08
心に闇があるらしい自由詩119/3/30 0:00
やがて疲れはてて自由詩319/3/29 20:59
問題は何一つ解決を見ない自由詩219/3/27 23:15
芽が覚める頃自由詩019/3/26 23:39
フラストレーション自由詩519/3/25 0:25
女の名前は恵美と言った自由詩419/3/24 1:04
冷血な自由詩019/3/22 23:33
詩を創ってネットに書き込んで自由詩419/3/22 20:41
散文と詩文の間自由詩219/3/17 9:28
人生は一枚のキャンパスだって誰がが言ってた自由詩219/3/16 6:59
文学なんてこころざしてないよ自由詩319/3/16 1:00
家族会議はしないけれど自由詩419/3/13 5:58
しぶとく生きようぜ自由詩419/3/13 5:08
船が青い海に絶望して自由詩419/3/11 6:53
天変も大地の異変もなくて 続編自由詩419/3/10 8:53

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