あまりに多くを求めすぎて
多くのものを失ってきた気がするけれど
多くを求めないと やはり
失うものがある気がする

少し肌に痛い初夏の日差しは
駅までの道はあと少しなのに
ずっと彼方に広 ....
真夜中に星空を眺めている時に
魚が陸に上がり進化したように
空の彼方へ人類が飛び立ってゆく
そんなことを夢想するけれど

星空の下 瞳を閉じて
「今が60年代だったらよかったのに」と歌って ....
終わったと思っていたことが
何度でも返ってくる

時代がふいに変わっていって
時間切れのベルが鳴ったから
時の中に置き去りにして
綺麗な空に吸い込まれた
終わったと思っていたことが
何 ....
「回想」

歩き慣れた田舎道を
自転車に乗れなかった日々を思い出して
忘却の悪魔に逆らいつつ歩いた

かつて通いなれた校庭の時計を見上げて
遠い日にかいた汗の匂いを思い出して
忘却の悪 ....
三年半前からやり直したいと
タイムマシンに乗っかって
太陽の向こう側
黒い宇宙に放り出される
そんな悲しい夢で目が覚めて
なぜだか優しい気分になる
そんな不思議な朝もある

人がひとり ....
世界が
果てしないほど分厚い 一冊の書物に感じ
決して読み尽くすことのできないと
絶望する 
重苦しさと 心地よさを 
同時に感じて

「美しいものが正義だ」と言って
読むべき箇所と  ....
当たり前の日々が
とても壊れやすいものだと知ったなら
二百年後も生きているつもりで
庭の草を抜こう

二百年後も生きているつもりで
上手に身繕いをして
二百年後も生きているつもりで
大 ....
地上に楽園を築きたいから
仮に命が繰り返すとしても
ただがむしゃらに生き続け
平和に 空へと人々を解き放ちたい

鉱物を食物に変えてしまうほどの
欲望で地上を満たし
食物連鎖からさえも解 ....
心の闇に眼を凝らせば
悲しまなければならない事があるのに
夕暮れの中で 人を想う時
幸福を感じてしまう

正午過ぎに届いた葡萄を
くるんでいた 三年前の夕刊を読みながら
自分の中の
穴 ....
目を凝らすことで
見失っていったものたちを
再び見出す時を
夢見て生きたい

少年の日に抱え込んだ
得体のしれない何かに駆られて
夜通し誰かと語りあっては
ひたすら答えを求め続けて
 ....
あらゆる忘却は
ゆっくりと進んでいって
人生の上り坂と下り坂の数は同じで
忘れた頃に
大切な事を思い出すから

海へ行こう
世界平和の為じゃなくて
明日の自分の人生の為に
新たな何か ....
人生を続けるために必要な
センチメンタルもある気がするから
ありきたりの 大切な気持ちを
忘れないために街を歩いた
人もまばらな平日の休日に

季節が廻っていくのを許せるように
失われて ....
この地上の幸福の量と不幸の量が
ずっと一定の気がしてしまったら
空の彼方を眺め夢見よう

新しい波が起こる
いつの時代も
日々の暮らしに溺れ続ける人々をさらうように

「時代」という言 ....
砂時計の砂が
上から下へとこぼれ落ちるように
時はただ流れ落ちてゆく
というのは嘘で

病室で 痩せた老いた手を
そっと握りしめた時
弱い力で 固く優しく握り返した祖母は
何度も何度も ....
大人になってもう一度
天使になりたいと
思い続けた夏の終わりに
夕方に少し雨が降り
涼しい風が吹いた休日に

ただ庭の草を抜く手を休め
一人きりの部屋で
ほうじ茶を淹れたんだ

思 ....
涼しい風が吹いた夕暮れ時
落ち着かない気分で 遠くの街へと行った
ユーラシア大陸の反対側で
18世紀に作られた音楽を聴きながら
行った事のない神社へと向かう
月の光に照らされて
初めての  ....
感情を持った人々が
僕のそばを通り過ぎる
川の流れのように 車の流れのように
傷つかないように気を配りあって
気がついた時には人の海の中
グチを言いながら世界を味わう

すべての飢えた子 ....
世紀末にすくすく育って
考えなくてもいい事ばかり
考える癖が抜けない僕は
新世紀まで生き延びては
いつの間にか時を重ねて
路面電車の中に座って
リズムを取ったりなんてしているのさ

は ....
空を覆う岩戸の内側で
空の彼方に思いを馳せながら
ピアノの音を聴いていた

太陽と月に生かされ続けて
ピアノの音を聴いていた

荒ぶる神を  
祭ることも 鎮めること忘れていた
小さ ....
世界が卵を温めている
幼い日に感じた感覚を
確かに今も感じながら
解けないパズルを目の前にして
少しだけ強くなろうとしているのだけれど

世紀末にピースフルな気分で
早い速度で移り変わっ ....
大島武士(20)
タイトル カテゴリ Point 日付
初夏自由詩215/5/3 18:37
Slow Evolution自由詩115/4/17 13:10
銀河自由詩315/2/3 9:54
回想自由詩015/2/1 18:29
日々の歌自由詩015/1/9 23:34
海沿いの街自由詩315/1/9 23:23
二百年自由詩215/1/9 23:21
楽園自由詩015/1/8 22:26
優しい傷跡自由詩215/1/8 22:25
可視光線自由詩115/1/8 22:23
海へ行こう自由詩014/11/3 13:49
感情の色彩自由詩014/11/3 13:48
新しい波自由詩014/11/3 5:39
生長自由詩114/11/2 13:47
天使自由詩014/11/2 13:45
地球光自由詩214/11/1 21:13
地には平和を自由詩314/11/1 13:42
新世紀自由詩114/11/1 13:41
月とピアノ自由詩1+14/10/31 0:37
2014自由詩2+14/10/31 0:20

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