男は自画像を描く
少しも似ない自画像を
鏡を見ながら描く
その面影は兄弟友恋人
鏡は男以外を映す
少しも似ない自画像を
鏡は自画像を映す
彼女はときどき
始まりの海を思い出して
自分の手足をしげしげと見つめる

かつてはヒレだった器官を
もう水かきもない指先を
指輪をはめた指を

海の底にやすんでいた
はるかな祖先があ ....
こんなにはやく掘り返すなんてね
ドングリもまだ双葉
もうそこには宝物も埋まってないよ
涙と一緒に空に捨てたから
さり気なき言葉端々に、
乙女惑わす恋の技巧(からくり)。
感づるがまま君見つめ、
感づるはただ罪と密(みつ)。
真冬の園(その)には早すぎた、
不埒な青き春の花。
なぜ猫は愛されるのか?

それは何度も何度も進化したから

なぜ人は憎みあうのか?

それは何度も何度も進化したから

人間は猫と違い
憎みあう程度には
進化しているが
愛さ ....
あなたの組み合わせた 手

こっちをじっと見つめる 眼

開いた口からこぼれるのは 言い訳

わたしを閉じこめておきたいだけ?



窓から空をのぞけば 魚




 ....
ヴィルトゥオーゾ奏でる生命久遠の大遁走曲(フーガ)。

あらゆる衆生の影に咲く、神へ祈る五言律詩。

ああ、いつか、かの場所が、

開闢以来の融和地点!

(雲雀の揚がる・・・)
カストラート唱(うた)う永久無音の鎮魂歌(レクイエム)。

あまねく衆生が岩に彫る、神へ咒(のろ)う七言絶句。

ああ、今宵、この場所が、

絶対無比なる臨界地点!

(鳩の飛び立 ....
むこうの木々が 影になり
すべてのものが 暮れなずむ

なにかをみることを忘れて 
貝のようにとじたまぶた

ずっと ずっと まっていた
やさしいひかりの ふるのを

地表を背に ね ....
どんなにつらくてもけっしてないてはいけないよ
昔聞いた誰かのいいつけを思い出しながら
私はたまねぎの皮をむく
涙が止まらない

たまねぎに閉じこめられていた
大地の恵みと太陽の光
それと ....
この惑星が軌道に乗ったころ
まだ誰も息をしていなかった
宇宙の不思議にため息をつく
子供も老人もまだいなかった
   
幾万年こえ私は日々の営みの
合間にふとため息をつく、
かつてあなた ....
夜空に小石が光る晩、
枝から枝へと移ったサルは、
ぜんぜんみていない空に気付いて、
チッキショウ俺たち、遭難してんだ、と吠える。

ああ、もしもう一度、群青色の空が見えたってよ

ああ、 ....
ケルリ(12)
タイトル カテゴリ Point 日付
自画像自由詩118/12/11 23:17
指輪自由詩316/3/13 0:44
タイムカプセル自由詩116/3/5 1:47
恋の技巧自由詩115/11/30 1:08
EVOLUTION自由詩215/11/27 22:24
ウオゾラ自由詩5*15/9/10 2:39
零の反歌自由詩115/8/7 0:24
零の時間自由詩115/8/7 0:05
星見自由詩115/4/22 2:49
たまねぎ自由詩115/4/12 14:22
宇宙のため息自由詩215/4/11 1:51
夜空に小石が光る晩・・・自由詩014/10/17 0:28

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