ごみの地層を覆う街まで歩きたくなって
遊覧列車の高架をくぐり抜けた
午後八時
オレンジの街路灯
生まれたときはまだ海だった舗道
水面をつらぬく橋脚の
その上へ歩を進め、立ちどまる
眼下に ....
いちばん高いまんなかのところで
ぼくたちは見ようとしていた
うすくあでやかな冬いろのいとが
ほろほろうねって逆さまに
暗号のようにふってゆくのを
ぼくはぼくたちはみたかった
みたがった
....
すぎていった風雨のあと 空は
山吹色の 神話のように
かがやいていた
薄明が跨線橋へと降って
思い出したのは、
こちらでは空のむらさきを見た覚えのなかったこと
ずうっと雨ばっかい ....
みどりの精悍な城あとをみる
稜線はふるえて、夜半
南へむかうと述べた喉の
ほとけに花燭を抱きあわせ
うきあがった契りの舟をそらへ
放流する手つきで 投げた
その眼には
映っているだろ ....
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