手にすれば砂になる
あのひとに似た 言葉の欠片

やがて風になり
記憶ごと消えてしまう予感

二人にとって
何の意味も持たぬ出会いだと
さよならも言わずに去ったひ ....
 
 
 
 

小鳥たちの早口な囀りに 
花と花とが重なり合って
楽しげに揺れている

陽光はやさしく遮られ
差し出すてのひらに
さやさやと白い気が降りてくる

ときめきを ....
桃色の花が青い空に映えて
その名前を知っているように思う
思いながら、足早に通り過ぎる朝

ドミノのように倒れながら
日々は、わたしの心を置いてきぼり

立ち止まったら迷子になるから ....
 


にわか雨の気配に慌てて
息を切らして
額に汗を滲ませて

は、と息を吐くベランダで
からりと笑う太陽に
力が抜ける

平凡すぎる何かを守ること

小さな願いと
安堵 ....
茜色の夕景に
深く肩を落として

聞こえない音に
耳を澄ます


流れ着いた場所で
振り返ってみても

瞼の裏側に帰ることは
できないけれど


夕刻の光の
あま ....
ため息ひとつ、に
ざわりと肌が蒼くなる

胸のあたり
寄り添っていたものは
事も無げに剥がされて

冬晴れに干された
枯葉みたいに宙を舞う


振り返って見えるもの
そ ....
祥希いつみ(6)
タイトル カテゴリ Point 日付
水紋自由詩318/8/23 14:12
てのひら自由詩2*17/6/1 13:38
春分自由詩3*17/3/20 20:25
いとなみ自由詩8*13/11/24 14:51
静寂自由詩7*13/9/27 0:05
剥離自由詩4*13/9/23 2:48

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