看板の電球が歯抜けのように消えた店
街路灯の陰には牙が落ちている
その店にたむろする娘のポケットに
住んでいた鼠の、よくとがれた牙

からかっていただけなんて今更
引き返せないと、思わ ....
生きたまま肉体を裂かれ、湧き出た
痛みに勝った恥辱が顔を白くした。
アレルギー性の皮膚を爪が掻き毟って、
顔の裏に血を滲ませ
瞼の下に血を走らせ
口の中では、オブジェのような舌が
鶏冠のよ ....
公園の噴水前のベンチに腰掛け
土鳩に餌やる
みすぼらしい趣味人が
裏では道化をしているなんて誰も知らない
細い腕は
杖よりも細い
皮膚は土色で
わずかに青ざめ
眼はまだなお光を宿してい ....
パソコンに保存された
鼻の写真をみていた

持ち主のわからない鼻が
吸ったり吐いたりしたまま
羅列されている

鼻の剥製
を作ってみよう

このコレクションに僕の鼻を
並べる ....
ひとしきり思い出にふけった
夜の次に訪れた
朝の光は色が欠けていた

切り取った窓に、蜘蛛が浮かんでいる
細い影が
睫毛より間近に、光を遮っていた

本棚の上には郭公が
羽を休め ....
すみきたすみれ(5)
タイトル カテゴリ Point 日付
鼠の歯自由詩213/8/18 3:46
無題自由詩013/8/14 2:53
晩い道化自由詩113/7/29 21:05
止血(鼻)自由詩413/7/29 2:51
AM3:17自由詩413/7/29 2:32

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