夢なんて思い出す方法も忘れて
いつも金曜日が終わることを待ちわびている
かといって休日は心躍るようなこともなく
食パンをひとかじりして眠っている
初心を忘れてゆくスーパースターを疑い
雪 ....
こんなのは本当の私じゃないんだと
電気の消えた部屋に帰り
酔いも冷めかけた頃につぶやく。
あぁ、例えば、
上司との飲み会は親睦を深めるという面で大切だと
誰かに言い聞かせるようになった自分が ....
14歳の私があの薄暗い通学路で、ぶすくれた顔をして立っている。
酒が飲める年齢になっても、給料をもらえる立場になっても。
私はつまらないきれいごとと、卑屈な愚痴のどちらかをこぼす。
所詮何も ....
昔の友人の、志の高さを知る。
安い言葉を並べるだけでなくて、努力もしているのだと知る。
私の手元に残るのは、つまらないと言いながら、
安定した生活だけを狙って取り組んできた自分。
私は ....
すごろくみたいだ。
いちばんに上がったあの子が言うには、
とにかくニコニコしてればいいんだよ!って。
私の耳には虚しく響くだけ。
何度も何度も、振り落とされて
私はあと何回ふりだしに戻ればい ....
どんなに心から誠実でありたいと
口にしたところで
薄っぺらで何も伝わりはしない
誠実さなんてものは
都合がよい時にだけ好まれて
都合が悪い時には疎まれるからだ
重視されるのは どう ....
ベタベタに甘い少女漫画が読みたい
スポーツに夢中な青春を送ってみたい
愛しい気持ちでいっぱいにしたい
愛用のマグカップの中のコーヒーに
後ろ暗さもアンニュイも夕暮れも
混ぜ込んで、飲み込んで ....
私は泣いてしまいたい
心にこびりついた汚れを
落とすために
泣いてしまいたい
まるでどこかの主人公
悲劇のヒロインを気取っている
ボロボロ涙をこぼして
顔をぬぐう私
満足す ....
自分の人生を自分で決められる幸せを
噛みしめるべきなのかもしれないけれど
迷って 逃げて 流されてばかりきたような気がする
自分のことなのだから
決めなくちゃいけないことは沢山あるのに
....
朝、出かける前に鏡に向かう
コンパクトを持って、自分と世界の間に膜を張る
心の穴も目立たなくなる
帰ってきてからは、目の前のハイテクなだけの箱の前で
心の穴を埋めてもらおうとずっと座ってる ....
空気を読むってなんなのだろう
私だって一応 必死に感じ取っているけれど
笑う うなずく 話す 返事をする
やり方もタイミングも
できていない気がして 考えすぎて
なんだかよく分からな ....
列車は夜を越えて、
生まれてから18年間を過ごした故郷へと
私を運んでゆく
これからの私の、人生の行く末を考えてみる
あのとき私は、自ら選んであの場所を離れたけれど…
夜の駅の、ホー ....
しょうもないことでまた
心のスイッチがオフになってしまったみたい
落ち込んで 人恋しくなって
目をつむってしまうけれど
私が小さいころから集めている
言葉の宝箱を開けてみたならば
....
今年は見に行けなかった
私はひたすら
見知らぬ誰かの食事を運んでいた
この国のすべての土地の
花弁が地面に落ちるまで
ハコの中の
真面目の象徴は
この花の知らせを読む
この国の ....
黙っていれば誰からも何にも云われないのに
尖った視線を向けられたりしないのに
黙っていれば誰かが仕方なく引き受けるに違いないのに
形だけの感謝くらいしかされないのに
手を挙げて もしく ....
まっさらな善意もときには
誰かを傷つける
精一杯の思いだったけれど
未熟さや迂闊さの先走りだったのか
考えて、考えて、
次はもっと 上手にできるように
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