秘密の愛になっちまった、
僕らはこれからどうしよう。
君は一人のさみしさに
ほとほと疲れて傘の中。
勝手な恋のお付き合いに
ごめんなさいって言いながら、
しっかりと僕を引く君の白 ....
人類と言う生き物は
宇宙の僅かな確率の中に点る
一本の蝋燭です。
ふりかえりますと
単細胞の進化から、魚類や爬虫類の時代を経て
何百万年の昔に、やっと二本足で立ったのです。
悠久に思え ....
年末と言うのに
テレビが悲しいニュースを告げる。
『発達した低気圧のため、北の海は大荒れ、
ベーリング海にて、港帰りの漁船、遭難!!』
ああ、こんな時に。
凍てつく北の海に ....
植物に炭素が良いからと、
畑に、ダイヤモンドをいれても
....
人、人並の生活ができれば
幼い日の貧しさも遠の ....
みぞれを吐き尽くした後の
灰色の空の中に、
ちょうど私のところから見れば
....
私は時おり
人生を振り返る。
長い時間であったはずの今までを、
頭の中で、
記憶のカードをめくるよう、
一瞬に。
そして、
開かれた時空の闇に
吸い込まれ消えて行く。
時間と ....
わが家では、
大人はみんな無防備です。
すっかり気がゆるんで
世間体が無くなります。
わが家では、
子供はみんなカメラマン。
親のすること漏らさずに
小さな事も覚えます。
わが ....
乳飲み子の
おちょぼの唇
その奥の
ピンクの大地に生えそめし
白く小さき二本の歯
乳首をふくみ
シングをたてる
『アッ』と驚く
母の声
それにびっくり
乳飲み子は
母の驚 ....
手
神は、この手を御創りになるのに
四十数億年も費やされた。
人間は
....
足
足は手よりもぶきっちょうだ。
しかし、僕は
限りない愛着を覚える。
それは ....
人は円のデザインより、産まれ出で、
光りに現れる。
形の無い脳の思考から、産まれ出で、
そして今、
誰の目にも映るデザインが街に生きづく。
見えない手足と吸盤を持ち、
道を ....
『ほらっ、パパっ
これよく見てーッ。
土には穴がイーッパイあるよ。
くーぅろい土は、なんかくうぅさい。
これは芽ッ?、芽が出ているよ。
アッ、虫さんかじっているねっ。
....
『キッ・キッ・キーッ』
『ケンチャン、ごきげんネ』
『キァッ・キャァッ』
『今日は、なにして遊んだの』
『アブーッ・アッ・アァーッ』
『フーン、ママとターニイチャンと ....
上の子が『パパァ』と絡み付く。
遊んで欲しいのだ。
下の子が泣き出した。
おしめかもしれない。
それは、全く時を構わず、
親の都合を構わず、
甘え、頼り、私を求める。
解って ....
小さな細胞にも戦いがあるように
私は愛すべき者の為に、
喧嘩をする。
世間には、
有形無形の相手が満ち溢れ。
その中で、
私らしさを存在させる為に
喧嘩をする。
イエス・ノー ....
シンとして、乳首ふくます母と子を
ほのかに照らす五ワットランプ
電話が鳴った。
子供が生まれたのだ。 ....
澄んだ月夜の闇の中。
頭をよぎる人の名を
空しく呼ぶ声は
蒼きしじまにこだまする。
今宵の夜長をいかにせん。
若き血潮にかせ掛けて、
ただ待つ姿も痛ましく
君が心を奪うとき、
....
優美・可憐の魔力
君はそれを持っている。
私は香りに引かれる蝶のように、
君の回りを飛び舞う。
長い下顎を伸ばして
君の深いところに秘める
真実の密を吸いたいと思う。
私は美しく ....
結ばれた二人はダンスを踊る。
暗い闇の中で、
あっさりと私の手をすり抜け、
君は別の手のべに絡まれた。
結ばれた二人は森に忍ぶ。
絡まる蔦のように、
私の入る隙間はもう無い。
二人は ....
夕暮れの
紅き流れのきらめきと、水面を渡る
風のもろ手に撫でられて、
君の黒髪は
恥ずかしそうに夕日にはだけている。
私は
遠くの日を見ている君の横顔を見ながら、
なぜだか、そっ ....
またも私はおまえを泣かせる。
気付くことなく
言葉は冷酷さを増し、
おまえの耳は、
兎のように目を赤くする。
近寄るごとに、
言葉を交わすごとに、
私はおまえを泣かせる。
君が去り行く間に、
僕は唱えていた。
名残惜しいような、寂しさと
いい男でいたい
自分の可愛さが、君に悟られぬよう。
そんな自分を知りながら、
別れのしるべを導いている。
....
私が心貧しく荒れていたとき、
あの娘は拳を包んで
涙を塗った。
....
起きもせず、眠りもせず
顔の前の空気を、音もたてず吸っている。
この悲しい痛みは消えはしない。 ....
厚い胸に抱かれる安らぎを、
強い腕に抱かれる安らぎを、
あなたから教わりました。
恐れの要らぬ、
心身からの甘えに
恋する喜びを、
生きる素晴らしさを知りました。
今、幸せで ....
おまえの言った言葉を、
僕は信じきっていた。
しかし、
それが嘘だと判ってがっかりだ。
どうして嘘なんかついたんだ。
君らしくもない。
そしておまえは言った。
『嘘をつく ....
望んだはずの
二人っきりの語らいは、
余りにも二人っきり過ぎて
時の過ごし方に困り出す。
ここには僕と君しか居ない。
こんな時
きっと互いに考えることは、
次の言葉を選ぶこと。
頭 ....
人前でキスをしたり、抱き合ったり
それがいけないことですか。
素直にそれが湧くもので
今伝えるべき表現なら、
あらゆる時空でそれが出来るなら、
本当に愛し合っている二人でしょう。
....
1 2 3
0.19sec.