僕は水滴の海の中にいるらしい
あれからずいぶんと辺りに溜まりだして
毎朝、水没していく海岸線を眺めている
君を思い出す時、それは決まって朝で
想い出の中の君も、それは決まって霧の中 ....
あと2時間半後、僕は天使になる
デフラグの手続きを済ましたら
戸棚に入れてあるスナック菓子から「報せ」を受信する予定だ
収束していく僕の視線と汗と手に持ったコンビーフン
まだか?まだな ....
三日前、
宇宙から眺めた地球は
星屑を散りばめたように
不幸だった
ふと目が覚めた地球は
一滴の涙を流して、訴えかける
「お父さん、お母さん、こんなとこに置いていかないで」
知生 ....
目が覚めるまで
沈潜していた球体な淡さ
とっておきの熱量で
浸透し
静かに生起する
春の木陰
突然の雨に
学校帰りの子供の声と小鳥の囀り
春の全部 ....
仕舞い込んだ紅茶を
いれ直して
今年はじめて来襲する
十一月の風雨に
備える
深夜十時に
飼い犬が眠りから覚め
近寄ってきた日曜日に向かって
吼える
悪夢から目覚めたように
....
わたしの頬に触れる祖父のしわがれた手
頭をさげている父、恥ずかしげな母
小さな炬燵で
談笑する両親と祖父母
モノクロテレビの前で遊ぶ、姉とわたし
僅かにあたたまる部屋の温度
次第に想い出さ ....
空を見上げる。
僕は浮上した
「夏の夕暮れよ、すべての存在をハンマーで叩く響き
僕は焦がれていたのだ
紙飛行機を投げたその時から、大炎上している」
*
子供の頃
白と黒の水の中に ....
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