回る風車を 川面に浮かべよ
風車は川面を渡る 風に吹かれていっそう
それを浮かべた 二人を向いて回る

   汚れた手のひらを 水中に差し入れよ
   手のひらは川の下の 流れに押されて
 ....
蔓長い水草の絡まりついた 手を叩き
水をたらふく吸って膨れ上がった 足を踏み鳴らす

「丘の裾野に咲き誇る
 キンポウゲの群生から
 花房一本嘴にくわえ
 夜露の空を飛び渡り
 あなたの ....
一番目の子は 僕に口を付けてくれました
二番目の子は 僕に低い声をくれました
三番目の子は 僕に語る言葉をくれました
ですから僕はあなたたちに こう語ります

三人の幼子が並んで くうくう寝 ....
首を左に小さくかしげ 閉じた瞼の毛細血管に透かして

 − あなたはいつも気まぐれに人を愛したり、出て行ってしまったり
 − あなたが受けた傷の分だけ、貴方も誰かを傷つけたのよと
 − いくら ....
軽蔑の笑いとひそひそ話とが四方を取り囲んでいる
 白目を剥き出しにした形相が唾を飛ばしながら迫ってくる
  一切は耳を塞がれ受け容れられずに拒絶される
   正面背後上下左右に立ち塞がり穴が開く ....
おみなごは 瞼を伏せて
差し出した 手の先の
細く長く しかし
硬く乾いた 指の淵      私を 呼び止めないで
縦に小さく 裂けて          たとえ 私の
深い紅 滲む      ....
幹は細長く地べたに生えて
  空中に頼りない枝を投げ
   その先っぽのささくれに
    引っ掛かるように
     空舞う結晶の伸ばした指がかかり
     やがて一塊の         ....
      後ろを振り向いたなら
          雪が降ってくる       腫れ物を引掻いて
               little         雪が吹かれている 
      ....
帰り道には息白く
粉雪は暗がりの空から降り
人の歩みの前に降り
犬の歩みの後に降り
踏まれる間もなく吹かれて消える

帰り道には息白く
口々から放たれたおしゃべり達は
流れそして漂いな ....
     π   朝の日差し  ♯
夜の静謐              午前の陽気
      幼な子の 小さな手のひら
  ×    水をすくい 光の陰る   ÷
        黒い眼に  ....
降り積もったばかりの雪に覆われた萱野高原には
裸の岳樺木立 透き通る雑木林
冬季閉鎖された板張りの茶屋の建物
道路沿いを着かず離れず蛇行する山犬の足跡
足跡に平行しながら 私の歩みは心の向く方 ....
金槌海豚(11)
タイトル カテゴリ Point 日付
KAZAGURUMA自由詩306/3/28 22:31
水死体が歌うバラッド自由詩306/2/11 21:29
雪と子供自由詩005/4/8 1:07
二つの引っ掻き傷自由詩105/3/22 21:07
微笑みが覆い隠していられるのは自由詩105/3/19 16:15
均衡自由詩205/3/18 17:39
幹は細長く・・・ vision & voice 1自由詩005/3/15 0:10
isolation & circulation自由詩205/3/12 12:54
帰り道には息白く自由詩105/3/9 22:40
結晶 バリエーション1自由詩205/3/7 23:15
降り積もったばかりの雪に覆われた萱野高原には自由詩105/3/5 23:27

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