シゲジロウは大戦前の生まれである。
 幼くして酒屋の丁稚奉公に出され相当苦労した時期もあったが、まあ今となってみれば概ね平穏な人生だったと本人は思っている。
 戦場に駆り出された時も五体満足で本 ....
まだ若かった三十年前、薄っぺらいクラシックラルースをテクストに辞書と首っぴきで
ランボーを読み、痴がましくもその全訳を夢見たものだったが、十歳の少年が「金利生活
者になりたい」などと書いているの ....
平和ボケしています
毎日いそがしくしていますが
平和なことにかわりありません
冬の寒さにまいっていますが
平和なことにかわりありません
あたしには
必要最低限のものがあって
べつに必要最 ....
佐々宝砂さんの「二流詩人7つの条件」とそれに関わる一連の文章を大変興味深く拝読した。コメントはその文章のところに書かせていただいたので、ここでそれ以上感想文なり批評(恐れ多い)を書くつもりはない。 .... 私が三流怪奇詩人を名乗ることにはいろーんな理由が多々あって、ひとくちには言えない。「三流」「二流」「一流」といったカテゴライズを、否カテゴライズそのものを嫌う人がいることは承知の上で、また、そもそも「 .... 「私を束ねないで」と書いた詩人・新川和江のことが私は大好きだけれども、あの詩はあんまり好きでない。束ねたければ束ねればよい。名付けたければ名付けてかまわん。カテゴライズしたけりゃ好きにすりゃいいじゃん .... 誰がなんと言おうとも、私は三流怪奇詩人でありたい。インターネット上において、私は、ポエム書きのパキーネだったり、リリック&ことばあそび書きのりりと☆だったり、連作詩書き兼マルクス主義フェミニストのルク ....  私は体に障害を抱えて生まれてきた。私はその事を周りには明かさないように暮らしている。生涯を通じて腐れ縁を持つであろう友人を除いてである。また、ひょんな出来事から、私の障害を知られてしまった人にも、必 .... 日本文学盛衰史
高橋 源一郎著
出版:講談社
ISBN:4-06-210585-3
発行年月:2001.5 本体価格: \2,500

 この600ページ近い大冊を書評するのは、個人的に ....
☆萩原隆詩「氷海」の場合




白い皿の上で
蟹を解体する

節という節をへし折り
甲羅を割り
白い肉をせせり喰う
朱金色の脚の内側を裂き
固いはさみを砕き
脳味噌をひらき ....
言葉を使いすぎだ。
「以心伝心」というものはございます。あります。
「思っていることは言わなきゃ伝わらない」「人の考えていることはその人にしかわからない」とか言います。
(注:ここでは、「言葉」 ....
「わが青春の詩人たち」三木卓著 岩波書店 ISBN【4-00-002642-9】\2,500

 本を読んでいて、巻末に著者年譜があると、いつも、現在の自分の年齢にあたる部分を熟読してしまう。この ....
☆立原道造「さびしき野辺」の場合





いま だれかが 私に
花の名を ささやいて行った
私の耳に 風が それを告げた
追憶の日のように

いま だれかが しづかに
身をお ....
そういや私が最初に「たもつ」なる名前に目をしたのは、考えてみたら「醤油」を読んだときではなかった。

某PJでレビュウに値する詩を探していた私は、幼いが鋭い何かを感じさせる短い詩「さめ」に注目した ....
山田でございます。
前回はスタミナ切れでと言う誤魔化し方で何とかお茶を濁してみたのだけれど、実はそこから先に進まないとあのままじゃただの俺の言い訳だけだったりしたような気がすごくしていて(最もこっか ....
{引用=
「それ[伝統]は相続するなどというわけにゆかないもので、もしそれを望むなら、ひじょうな努力をはらって手に入れなければならない。伝統には、なによりもまず、歴史的感覚ということが含まれる。これ ....
☆石原吉郎「若い人よ」の場合




私はちがうのだ若い人よ
私はちがうのだ
私の断念において
私はちがうのだ断念への
私の自由において
堤防はそのままに
堤防であり
空はその ....
たいていの朝やとんでもない夜中に変なひとはやってくる。
律儀に戸を叩いてくるのだが、むろん叩く必要などない。
彼らは壁を通り抜けるし、それを生業としてる。

今日もなの、とわたしがたずねるとこ ....
 ☆山中散生「JOUER AU FEU」の場合




 
 いま私の手もとに「JOUER AU FEU」という一冊の詩集がある。このタイトル、外国語なので、もちろん読めない(笑)。が、検 ....
原口氏の詩集を拝受。さっそくというにはかなり遅ればせに手に取った。タイトルは『声と残像』。一読して戻ってきてみると益々その感を強くするが、このタイトルは暗示的だ。暗示、というより過剰でさえある複数の意 .... 以前やませば(山田せばすちゃんのこと)とメッセで話していて、たもつさんの詩とやませばの詩の違いは、たもつさんのほうがマジメそーに見えることだと私は言ったが、よく考えればちょっと違うな。やませばの詩には .... ☆小山正孝「倒さの草」の場合




草むらに私たちは沈んだ
草たちは城壁のやうに私たちをくるんだ
倒さの草たちのそこの空に白い雲が浮んでゐる
青ざめたほほと細いあなたの髪の毛と
草 ....
繁華街、
昼夜問わず、平日休日問わず、にぎやかなもんだ、
なんで学生が昼からこんなところにいるんだよ、
フリーターもいるし、リーマンもいる、

それをみて思う、
これは重大な事実だ
もし ....
 「痛い!」
と言いながら、半泣きの少年がいた。名はトキ。
トキは今日、長老のコオリの家を訪れ、掃除の手伝い。
手伝いと言うよりも命令で働かされていた。
 コオリは年齢が百歳ぐらいの頑固ジジィ ....
 勇気のある少年は泣き虫で、喧嘩も弱かった。
しかし、その少年は12人の賢者と出会い、
はてしない旅が終わり、新しい道を歩むことになった。
 この話はまだ 時 を知らない 無時(むじか) と言わ ....
 ☆清岡卓行「子守唄のための太鼓」の場合






 ご要望にお応えして清岡さんでいきます(笑)
 と決めたものの、待てよ、そういえば、この詩人の作品、まとめて読んだことがないのでは ....
まずは詩をひとつお読みください。
著作権は切れております。

***

「琉球娘仔歌」佐藤惣之助

その黒髪の上(へ)に瓜籠やのせて
その黒髪の上に仔豚やのせて
紅藍(べに)の花よま ....
T.S.エリオットは「アーノルドとペイター」という評論のなかでペイターの『享楽主義者メイリア
ス』について、


   「その内容は古典学教授の学識や感じやすい観光客のイタリー印象や礼拝式に対 ....
そういえば私は批評を読むのが好きだ。詩を読むのが苦痛になりかけているとしても、批評を読むのは苦痛ではない。それは私にとって快楽だ。みつべえさんの批評を読んでいて、思い出した。私は、いい詩を読みたいなあ .... (たもつ氏作「透明人間と」に寄せて)
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=271&from=listdoc.php%3Fhid%3D42%26from ....
散文(批評随筆小説等)
タイトル 投稿者 Point 日付
俵松シゲジロウの倦怠みつべえ403/12/14 1:00
自己の言語回路からの自由へー九鬼周造著『日本詩の押韻』私解ー狸亭1803/12/12 11:04
かなりかなりや(平和ボケ)かなりや203/12/12 0:20
かくかくしかしか/書く掻く詩か死か --詩と詩人についての ...岡村明子4*03/12/11 2:33
名付けについて(二流詩人7つの条件補遺2)佐々宝砂303/12/10 4:10
名乗りについて(二流詩人7つの条件補遺1)403/12/10 1:41
二流詩人7つの条件30*03/12/9 3:18
同情するならお金下さい。絶倫号303/12/7 4:26
「日本文学盛衰史」書評佐々宝砂4*03/12/5 17:56
風のオマージュ その10[group]みつべえ1203/12/5 12:59
言葉使い過ぎ山内緋呂子603/12/5 2:16
三木卓『わが青春の詩人たち』書評佐々宝砂403/12/3 2:26
風のオマージュ その9[group]みつべえ603/11/29 12:49
たもつ家のほうへ — たもつさんの詩の印象 2 —佐々宝砂603/11/25 20:47
山田せばすちゃんショウたぶん番外のけたらその5 再びいつの日 ...山田せばすち...503/11/24 1:01
エリオット「伝統と個人の才能」[group]藤原 実703/11/23 2:12
風のオマージュ その8[group]みつべえ503/11/22 17:06
変なひと石川603/11/22 8:17
風のオマージュ その7[group]みつべえ703/11/15 20:54
原口昇平『声と残像』を読む(1)ななひと303/11/13 15:48
失われた醤油を求めて — たもつさんの詩の印象 1 —佐々宝砂703/11/8 15:21
風のオマージュ その6[group]みつべえ8*03/11/8 10:18
繁華街、蒼空と緑0*03/11/5 23:20
トキの伝説 第1章「出会い」玄さん003/11/2 12:03
トキの伝説 プロローグ003/11/2 11:21
風のオマージュ その5[group]みつべえ503/10/31 15:20
南国の娘仔たち佐々宝砂303/10/26 23:52
ペイター「ルネサンス」 (3)[group]藤原 実103/10/25 23:38
オマージュにオマージュ佐々宝砂203/10/25 4:00
甘いウェハースのように、ほろ苦く。あるいは、循環する名付け直 ...いとう803/10/23 11:33

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【散文(批評随筆小説等)】散文詩は禁止。散文詩は自由詩のカテゴリへ。
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