一時期、詩の投稿サイトに出入りしていたことがある。
自作詩を投稿し始めたのと同時期であったのと、そのサイトの趣旨として「鍛錬」があげられていたこともあり、相手の詩に感想だけではなく、質問もよく書 ....
こどもたちの歌声が聞こえてきた。めだかの学校だ。この公園にテントを張って一ヵ月。他のホームレスとも仲良くなった。そうっと覗いてみてごらん。遠足だろうか。俺にもあんな頃があったんだな。そうっと覗いてみ ....
今回一緒にテレビに出るアイドル、吉田美鈴は、カメラに写るすべての行為が計算だ。今も隣の楽屋で怒鳴っている。司会者にサンドイッチを食べさせるから用意して。私はマネージャーをペットショップに走らせた。収 ....
杖をついたおじいさんが、僕の前をゆっくりと歩いていた。追い抜こうかと様子をうかがっていると、前からだらしない格好の若者が三人歩いてきた。彼らは狭い歩道を横に並んだまま、無理やりすれ違った。瞬間、何か ....
社会と個人には決定的な相違が生じるわけはない。
社会は個人の集合体であり、どんなとっぴな思想であろうと、その思想を包括し得ないことには社会としては成り立たないはず。
かとおもえば、僕らはみな、社会 ....
以前の文をさらに詳しく述べて行くことにしたい。
まず、誰かを助けることの発問について。
僕がどういう行動をとるのか、それはそのときでなければ分からない。そのときでなければ、僕はいかなる行動 ....
僕の知り合いの詩人から少し引用
{無反響室というものがあるらしい。海胆を裏返したような部屋で、上下左右、前後の内部壁面からは突起がいくつも出ている。
今「君」が「在る」場所から何か音を立て ....
妻に先立たれ、一人で暮らすようになった時、息子夫婦からポメラニアンをもらった。ポメと名づけてかわいがったが、無駄吠えが多くなると煙たくなった。その夜も鳴き声で目が覚めた。叱ろうと起き上がった時、男の ....
少し長くなります。
もし、目の前で死にそうな人がいたら、僕は助けられるだろうか?
目の前には大きな炎が立ちこめ、僕は助けるためにその中へ飛び込まなければいけない。
僕は三人の友人がいて、彼らは僕 ....
シャムは野良猫だった。白い毛に青い瞳。きれいだったから面白半分に餌をあげていた。するとなついてしまい、家に入ってくるようになった。ところがある日を境に姿を見なくなった。どこかで死んだのかもしれない。 ....
入浴中に屁をすると、泡になって上ってくる。水面ではじけた時のにおいをかぐのが好きだ。ある時大きめの泡が上ってきたので、食べてやろうと思った。開けた口を水面につけ、屁を食べた。次の瞬間、口の中いっぱい ....
昔の喫茶店のような
雰囲気を味わいたくて
コーヒーには 角砂糖を入れたかった。
角砂糖を入れたガラス瓶も
胸が きゅっとする。
ミルクは まだ入れずに
昔、
どこの喫茶店でも使 ....
厳しい借金の取立てに耐え切れなくなった男は死ぬことにした。崖の上で靴をそろえる。ふと右手を見ると、同じように靴をそろえている男がいた。目が合った瞬間、ふたりは理解した。つらかったですね。それももう終 ....
10年ほど前、社員旅行でオーストラリアのケアンズに行った。1日だけ、なんの理由もなくブルーになってしまった僕は、仲間たちと別れ、単独行動をした。12月の暑い日だった。
巨大ショッピング・モールに ....
ホワイトアウト。別に、遭難した仲間を探しに来たわけではない。美那子と初めての外泊に新潟のホテルを選んだ。深夜の露天風呂に浸かる彼女を覗いてやろうと、タオル一枚腰に巻いて岩場を乗り越えた。あとひとつ岩 ....
ハマグリは濡れた唇で亀を誘う。亀は最深部を見てやろうと、ハマグリの口の中へ頭を突っ込む。深く、首の根元まで。ハマグリは潮を吹き出す。亀は力の限り、ぐいぐいと首を伸ばす。たまらずハマグリが亀の首を強く ....
少女連続暴行殺人事件の犯人。彼は色つき眼鏡をかけて白い杖をつき、人通りの多い駅を歩く。声をかけてきた親切な少女に案内を頼む。順路に人気のない路地を指定するが、目の見えない人だと思われているのであやし ....
ゴキブリ夢ネタです。小説にしようと思ったけどできなかったゴキブリの夢。
なんでこんなものを載せるかというと今ネタに不自由しているからです(笑
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畳はすっかり腐っていた。だから、踏 ....
入社三ヵ月で五度の遅刻。次はクビだといわれていたが、会社近くの駅についたのは出勤時刻五分前だった。改札へと急ぐ廊下の隅に、うずくまる老婦人を見つけた。見過ごせなかった。駅長室まで送り、会社へ走った。 ....
推理小説家の大島は、スランプに陥っていた。四百以上の作品を書き、殺しのネタはとうに尽きていた。締め切りをひかえ、ホテルで執筆する予定だったが、隣室から聞こえる声に邪魔されていた。女は獣のように吼える ....
バイト先の女の子に告白したら、あっけなくふられた。その夜、貯金をすべておろしてタクシーに乗った。とにかく北へ向ってくれ。戸惑う運転手に事情を話すと、彼も今日女にふられたのだという。女の悪口に花を咲か ....
小学五年生だった息子が、いじめを苦に自殺した。私たち夫婦は互いに責め合った。離婚して五年。気持ちの整理がついたころ、佳奈と出会った。彼女も離婚をしていて、前の夫の連れ子を育てていた。高校一年生だそう ....
いつも 眠いのだけれど
更にもっと 眠りを欲する日々がある
やはり そのときは
身体の言うことを素直に聞いたほうが良いと思う
脳は
ぼんやりしている
かと思えば
....
昌幸は、体育館の倉庫でサンドバッグになっていた。浜崎たちが、かわるがわる昌幸の腹を殴る。誰のパンチで涙を流すかを競っているのだ。毎日のように行われるゲーム。今日は松本のパンチで涙が出た。浜崎と森本が ....
一昨日、某友人に連れられて、和歌山のある陶芸工房を訪ねた。
そこは10年前に都会から引っ越したご夫婦が経営している工房で、そこの土が気に入って、陶器を焼くためにわざわざその地に住み着いたのだ ....
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃がドンブラコ、ドンブラ ....
先日、午睡機械さんが私の詩をひろげました。彼との出会いは、一遍の詩『遠い自殺』に関する対話からと振り返られます。いつも感じることですし、あまり大きな声で伝えることでもないのですが、引き寄せられてし ....
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♪押入れの猫は
欠伸をしながら
今日も一日を過ごしてゆく
何も変わらない
のび太君の性格♪
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アンタ結局 ....
暗い廊下の角を曲がると女がいた。その距離三メートル。同時に銃口を向け合った。俺と同じく黒のライダースーツを身につけている。彼女もスパイか。すこしでも動けば引き金を引くだろう。こちらも同じだ。互いに動 ....
足の親指のつめは独特のにおいがする。すみっこを指先で持ち上げて、その指をにおう。やみつきになる。だからつめが反っている。そこをかむのが好きだ。入浴時にしっかりと洗い、下着をはいたのち、足を口元に引き ....
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