*黒猫と少年
黒猫のいなくなった部屋で、少年は揺り椅子に腰かけてぼんやりしていた。
がたん、と二番目の窓が音を立てて、
黒猫が顔を出した。
「どこに行っていたの ....
*手紙
古びた手紙の束を、抽斗の片隅に見つけた。
色褪せた切手の上の消印から、
少年は手紙を受け取った日のことをぼんやりと思い出す。
その日は朝から雨が降っ ....
脅迫です。
書いたから読め、ということです。
2回ほどありますよ。この寡黙でおしとやかでシャイな砲丸投げ選手として活
躍しているMonkさんも。こっぱずかしいですよ。誰かのために詩を書いてそれ
....
*バレリーナ
古びたオルゴールの蓋を開けると、バレリーナがくるくると踊りだす。
それから、名前を思い出せない曲がゆっくりと流れ出した。
黒猫は、もう随分前からくも ....
*三番目
三番目の窓を開けると、その先には夕暮れの森が広がっている。
それから机の三番目の抽斗を開けると、
昨日の夜に見かけることのなかった月が眠っていたりする。
....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=34796
街中でヘッドホンごしにベースソロを聴いていると自分の周りだけが別空間の
ように錯覚する。このリズ ....
*鉱石ラジオ
暇をもてあました少年が、ふと思いついて鉱石ラジオを作った。
黒猫はそのかたわらで目を細めてその様子を見守っていたが、
いくらたっても何も聴こえてこな ....
女王様は、悩んでいました。
そろそろ結婚してくださいと、家臣たちから言われていたからです。
女王様だって、結婚したくないわけではありません。けれど、女王様が好きになる男性は女王様を相手にしてくれず ....
さて春である。年度末の多忙さからも解放され、自宅の周囲の雪もようやく汚く小さ
い固まりを残すのみとなった。いよいよ青森に春が来る。恐らく3年周期の転勤族に
は最後の青森の春、そして夏だ。
この駄 ....
*三日月
三日月の晩に、少年がふっと部屋から出て行くことを黒猫は知っている。
塔の螺旋階段に響く足音が、とん、とん、とん、と続いて、
てっぺんの窓を開ける音が聞こえて ....
*蝶
黒猫の気だるい微笑みは、いともたやすく蝶を虜にする。
その静かに差し出された手の上に、青い翅の蝶がとまる様子を、
少年は頬杖をついたまま眺めていた。
「可 ....
果たして夜は来るのだろうか。
僕のイメージはほこりをかぶったまま闇の中にほおむられている。そして、君が、好きな誰かへの感情も、きっとそうだ。なぜなら、ここはネバーランドじゃないから。
世界の中 ....
*夜半過ぎに
夜半過ぎになって、その悲しい報せはもたらされた。
そっと肩を寄せてきた黒猫が、
「それは悲しいことだわ」
と、うわごとのように何度か繰り返した。
少 ....
先日のホテルで神の愛が、熱として体に宿った事。適度なスニッフとシャワーで軽やかな心。その状態で恋人に逢いに行く事。私はエデンにいる。
エデンとは銘酊した視覚と弛緩した唾液に宿る。恋歌(ミンネ)!恋人 ....
詩誌「荒地」に所属していた詩人たちの中でも、北村太郎の存在は一種特異である。鮎川信夫のように出発時に先頭に立つこともなければ、田村隆一のように低空飛行しながら生き延びることもない。最初期にはいかにも ....
{画像=050415004542.gif}
○「居酒屋にて打ち上げ」 オヤジ vs 043BLUE
オヤジ:「いやー、お疲れさんです。まぁ、一杯やんなさいよ。結構、早いペースだったじ ....
{引用= 1935年、文化人類学者のキルトン・スチュアート博士は、マレー半島に住む先住民族『セマイ族』の調査を行なったところ、彼らは独自の方法を使って、夢をコントロールしている事が明らかになった。そし ....
妹
次郎の妹は、だいぶ前から次郎にしか見えなくなっていました。
次郎は最初の頃、自分には妹が見えるのだと喜んでいましたが、お父さんやお母さんが、次郎が見て見てと言うたびに泣いてしま ....
配列された写真。白い空間。僕は、写真展の一室にいる。中央のソファーに座った中年の男性。その後ろから僕は写真を見る。いつか、その中年の男性がそこに座ると計画されていたように、写真はその男性を飲み込んだ。 ....
僕は人は一人だって思う。いや、正確にはほぼ全ての人が一人なんだと思っている。どんなに大きな、涙が出るくらいの優しさを持っていたって、人は一人なんだ。みんなはそうじゃないって言うけど、人は一人なんだ。だ ....
{引用=
「簡単に言って、料理とは単に舌先だけで味わうものではなく、また弄ぶものでもない。耳から、目から、鼻からと、様々な感覚を動員して、「美」と「味」の調和を楽しむものだと思う。色どり、盛り方、取 ....
内戦や紛争、戦争にテロで死ぬ人の数と同じだけ、日本人は自殺をする。特に20代の若者に自殺者が集中しているらしい。死ぬ気があるなら、何でもできるはずだって言う人がいる。僕もそのうちのひとりだっただろう。 ....
{引用=
「童心というのは、人間はみんな平等だという心ですね。白人の子も黒人の子も、小さいときはいっしょになって遊んでいる。決して差別しない。いやがらない。童心というのは、ものを知らない、ということ ....
年齢詐称だ。
いいじゃないか、「うなずきマーチ」を知ってる20歳がいたって。
ひょうきんひょうきんそれひょうきん♪ひょうきんパラダイスだっつの。
バイト先で、オッサンと先に仲良くなりますが、 ....
「ネット詩とビート」
{引用=「テレビは深い参与を求める様式であるから、若い詩人たちが突然に喫茶店や公園、その他あらゆる場所で自分の詩を朗読する事態を引き起こした。テレビ以後、詩人た ....
{引用=
「どのようなエクリチュールも、最終的には、言葉を知らない、コトバ以前の感覚的な、感性的な存在を、コトバによって、ということは同時に法によって貫かれた倫理的な世界へと、〜ある決定的な痛み ....
{引用=
「詩とはなにか?−この問いに対する答えは、詩の方法的、形式的側面からなされるのが普通です。しかし、形式的規律をもたない自由詩以後は、こうした側面からこれに答えることは、全く困難になってしま ....
昔、よく国道沿い大観堂隣の喫茶店「ウッドペッカー」で
タバコを吸って(学生服着用)週間スピリッツとかを読み
終えた後や、友人の家から帰る夜、徒歩の道なりやで、
思春期なりの、
妄想の哲 ....
日参6000人の大型サイトに、1人のサイト荒らしが訪れた。
5999人がそのサイトを好きだったが、その1人はそのサイトを憎んでいた。
3年前、現在のサイトの前身サイトでそいつと話したことがあった気 ....
まあ要するにインターネットってなんなの?ってことですよ。
僕はインターネットで日記を断続的に公開している人を見ては自分もやりたいと思うんだけれど、どうしても恥ずかしくてできない。自分が長ーい時間をか ....
散文(批評随筆小説等)
タイトル
投稿者
Point
日付
黒猫と少年(8)
嘉野千尋
6*
05/4/21 22:05
黒猫と少年(7)
〃
4*
05/4/21 11:27
これは君のために書いた
Monk
17
05/4/21 1:11
黒猫と少年(6)
嘉野千尋
7*
05/4/20 23:40
黒猫と少年(5)
〃
4*
05/4/20 20:57
【批評ギルド】『リフレイン』ワタナベ
Monk
6*
05/4/20 20:29
黒猫と少年(4)
嘉野千尋
7*
05/4/19 18:22
女王の結婚
チアーヌ
6
05/4/19 12:57
転勤族のふるさと自慢6
Dr.Jac...
1
05/4/19 0:29
黒猫と少年(3)
嘉野千尋
5*
05/4/19 0:16
黒猫と少年(2)
〃
8*
05/4/18 16:37
人が待つもの 3
チャオ
4*
05/4/18 0:14
黒猫と少年(1)
嘉野千尋
10*
05/4/17 21:54
エデン
六崎杏介
3
05/4/17 14:32
北村太郎(その詩と死)
岡部淳太郎
12*
05/4/17 8:00
【家庭の詩学】 おまけ
[group]
043BLU...
5
05/4/15 0:56
【家庭の詩学】 #5 「エス」のはなし
[group]
〃
9*
05/4/14 23:20
短い読み物を2つほど・・・ 良かったら読んでください。
[group]
ベンジャミン
6*
05/4/14 23:05
フリースタイル
チャオ
1*
05/4/14 13:11
死ぬななんて(死んでいくのならに付随して)
Tシャツ
1
05/4/12 23:15
【家庭の詩学】 #4 「味*素」のはなし
[group]
043BLU...
10*
05/4/12 19:02
死んでいくのなら
Tシャツ
4*
05/4/12 0:52
【家庭の詩学】 #3 感動はどこから来るか
[group]
043BLU...
8*
05/4/11 21:37
リョウ氏が33歳なのに20歳だと言い張る件について
[group]
虹村 凌
5*
05/4/11 13:51
ネット詩とビート
藤原 実
8
05/4/11 2:45
【家庭の詩学】 #2 わかるということ
[group]
043BLU...
11*
05/4/10 11:15
【家庭の詩学】 #1 詩とはなにか
[group]
〃
10*
05/4/9 5:47
17歳 砂に何を埋めた?
瓜田タカヤ
5*
05/4/9 3:42
サイト荒らしと冬と春
第2の地球
9
05/4/8 22:27
僕の居場所は現代詩フォーラムだけです。
span
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05/4/8 1:18
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243
【散文(批評随筆小説等)】
散文詩は禁止。
散文詩は自由詩のカテゴリへ。
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