五。
舞台がアメリカだと仮定する。
信心深い両親に、
異常なまでに過保護に育てられた彼女は、
いつもとても内気な性格で、
ずっと周りの言いなり ....
仮説として。
一。
文体もとても難しいが、
会話もとっても難しい。
現実の会話であるような、
儀礼に満ち説明的で回りくどい、
こ ....
まずは素朴な疑問から始めたい。
どういうことかというと、それは一般的な通念を疑うということである。
となれば、まずはその通念が本当に通念として成立しているのかを疑う必要があろう。
しかしここでは ....
時には散文を書こう。詩ばかり書いて、詩ばかり読んで、詩のことばかり考えているうちに、段々と散文の書き方を忘れてしまった。
すぐに改行したくなる。
すぐに一行開けたくなる。
すぐに展 ....
好きだと思うもの、心動かされるものをこれまでどれ程見聞きし、感じてきたかはわからない。
けれども、その中で私の身体の中の中枢に近いどこかを鷲摑みにし、鳥肌と動悸と口渇感を与えるものは数える程しか無い ....
? Devil's story
あるとき、白い羽の悪魔がいた。
生まれたときから白く、両親にさえも
「汚らわしい」と言われ、愛を知らずに育った。
誰も信用できなかったし、信用しようとも ....
? Angel's story
あるとき、黒い羽の天使がいた。
生まれたときから黒く、ペンキを塗ったり、脱色したり、
いろいろなことを試したが、努力もむなしく白くなることはなかった。
....
? God's story
あるとき、神は存在した。
人と共に暮らし、人と同じように成長した。
しかし、神は神であるがために、自分が神であることを知っていた。
ある日川へ行ったとき、 ....
雨が降ってきたので、浜辺に置いてあった船の下で雨宿り。青く錆びた船、後ろには網が沢山積んである。
拾った貝殻の中で一番大きなのを灰皿にすることにする。
近頃は連れられて景色が綺麗な場所にい ....
カフカが並んだ僕の部屋の本棚を、君は丹念に本の背をなぞりながら、「一冊だけ足りないわね」と言った。
カフカは結局たくさんの未発表の作品を遺して死んだ。それはつまりカフカの作品数を正確に把握できな ....
肉欲の無い恋愛なんて
スパイスの抜けた
ライスカレーの様なものです
(ミキョウ・イターニャ)
....
非力な女がいた。
駅の自動販売機でペットボトルのオレンジジュースを買っても、キャップが開かない。飲みたいがために買ったので、ホームで延々とキャップを回すが、いつになっても開かない。見かねた近くの ....
三百四丁目の博士の家に行くまでに、僕は三十回くらいもう諦めようかと思ったけど、二百五十丁目の看板が見えたときには、なんとかもう少し頑張ってみようと思い直した。
博士の家に行くまでには、一丁目から ....
自分の娘が二人の娘を連れて実家に戻ってきたら、どんな気持ちがするだろうか。三人の娘も無事に結婚したし、そろそろ引退でもするかな、と思っていた頃に、また娘と小学生の孫娘2人を扶養しなければならなくなった ....
彼から電話があったのは、すっかり眠りについて、そろそろ楽しい夢でも見れそうだなと思っていたあたりだから、夜の2時くらいだろう。とにかくこんな時間に電話をかけてくるということはそれほどいい連絡でないこ ....
ドアをとんとんと叩く音が聞こえたので、ギシギシ言う古いドアを開くと、あまがえるが立っていた。
「雨が強くてかなわねぇ。旦那、ちょいとの間雨宿りさせてくれねぇかね。」
僕の部屋はそれほど大きい ....
「家族」とはなんとも不思議な集合体だとわたしは思う。
父親は、実家ではなく少し離れた場所で家族を養うために働いている。
母親は、家族のために食事を作り洗濯をし、そしてパートへと出かけていく ....
春を嫌いな理由をつらつらと、
書き連ねてみようとしたが、
一行もつらとも書けない。
なので、
もしかしたら、
春が嫌いではないのかもしれない。
との思いに至 ....
Mが自殺したという報せを受けたときのことを、ぼくは今でも克明に覚えている。実はその前日に、ぼくはとある女性と飲みに行ったのだが、その女性が恐るべきスピードで日本酒の熱燗を飲みまくるので、すっかり酔い ....
たいがいのひとは独自の処世術を経験則から導きだすものである。
いかにして他人と上手くやっていくか? 特に相手が女性の場合、事は重大である。
ぼくが心掛けているのは、より多くの言葉を相手から引き出す ....
王様を独占する
ずっとではなくて、偶然に2人きりになるささいな時間を、その時に話される言
葉を
朝の白いひとときを
恋をするわけではない
気持ちよい朝を布団と共に抱えて微睡む ....
? 自殺
気がつくと僕は校舎の屋上にぼんやりと立ちすくんでいた。どうしてかは分からないが無意識のうちに酸化が進んでひどく錆び付いた柵を乗り越え、今もまだ長 ....
王様が寝ている
裸だが裸の王様ではない
セックスを営むのに言葉は必要ではない
いく、終える、ゆく
全ての進行は言葉でなく手のひらの感触で記す
静かなセックス
言葉のない ....
浄化にも二種類ある。
作り出すもの、壊すもの。
繰り返してやっとわかる。
どちらを選ぶかなんだと思う。
無駄なことがバケツに一杯溜まると、無駄なことも腐り、異臭を放ち、ネバ ....
社内恋愛、社内結婚、社内出産、社内不倫疑惑、社内射殺、社内離婚、
愛のない
勝手にしてくれ
先日、「覚えてろよ」と指差しされた
何を覚えていればいいの?
あの日の ....
激しい息切れ、痛み始める喉、ぼやけかかりはじめた脳。
自転車(チャリ)で坂を駆け上がる。それは通常の3倍の速さ。
何かにつけ胸がつまる感じがする10代の心。
そんな時は坂を駆け上がる。もう少し、 ....
形式的な挨拶というものがある。
そこで交わされる言葉は一見無意味のようであり、
また実際無意味なのだが、だからこそコミュニケーションの足場を固める作業に向いている。
いわゆる社交辞令というやつで ....
女は雨の中を、願いを胸に抱き走り続ける。女の残す素足の跡が、雨の路に流れる。長い黒髪が雨に濡れる。滴り落ちる水音が誰もいない神社に響き渡る。
雨は止むことがない。低気圧が男にすがる愛人の様に停滞す ....
煙草で焦がした風穴を塞がないまま
ベランダで5分前の太陽の光を浴びている
昨日のメッキはもう半分以上剥れていて
ロウキーライティングで誤魔化すので精一杯
二足歩行のまま夜空を眺めながら
....
「家政婦募集容姿端麗、声に特徴のある女性歓迎」
貯金はもう少しで底をつく。最早迷う術がないのはよく分かっている。だからと言って、これだけの新聞広告に飛びつくやつが私以外にいるのだろうか。と思っ ....
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