本当に不誠実な友がいたものだ。その発見だけが収穫とは!友情に金銭の関係が絡まるともういけない。同窓会でも借金話と就職の世話話とをしないのが皆の出席の長続きする原則である。
私の信条 まさかの時の友 ....
自分の友人のことについて語るのは難しい。そこにはどうしても遠慮や照れくささといったものが介在しがちであるし、ましてや彼は僕がやっている「反射熱」という詩誌の同人でもあるので、下手すると仲間褒めといっ ....
僕はロボット。少しでも君の人生が豊かになればと未来から送り込まれた、ロボット。君が大人になるまでという約束だったから。僕はもう君の前から消えなければならない。君のためならヒマラヤに咲く青い花を摘んで ....
妻が平日に東京へ行くことになった。
友だちが故郷の鹿児島から仕事の都合でこちらに来るので会いに行くということだった。
ほぼ十年ぶりの再会だそうだ。
鹿児島から東京に出てきて、僕と結婚し、千葉に引 ....
冬も近くなって日の落ちる時刻もだいぶ早くなった。少し暗くなった渋谷の駅前ではいかにも胡散臭そうな50過ぎのロシア男がショパンの別れの曲に合わせて操り人形を躍らせていた。ロシア男は渋谷をうろつく数人の ....
『恋空』とは多分こんな話なのだと思う。
おそらく、時は西暦20XX年、世界は核の炎に包まれたのだと思う。文明は崩壊し、モヒカン刈りの悪漢達が暴虐の限りを尽く無法の世界となっているのだと思う。 ....
私には親友がいます。
ただもう会えないだけで。
今まで生きてきて
半分以上、
ほとんどの年月を一緒にすごしてきました。
今日は私にとっては
親友の月命日。
ほんとうは明日なんです ....
手首を切るような人間の感情はわからない、と彼女は言った。
それは、彼女のまっとうさを端的に表わした発言だろう。
私が最も憧れて、同時に疎む、彼女の特性の一つである。
わからない、と言った彼女は、 ....
ぼくが生まれ育ったのは、田舎の城下町だ。田舎っていっても、一応は県庁所在地なんだけれどね、それでも田舎は田舎さ。ぼくがちいさなころはまだ田んぼがあったし、春になれば土手にはノビルが生えた。よく採って ....
時計の針が走り続けて
止めることはできない。
こうやって
パソコンに向かっていても
眠っている間も
ぼんやりしていても
どんなことをしても
時間は過ぎていく。
時間は止まってく ....
若い苗木を植えるときは、上の枝をはらうだけではなく、木の根っこもかなり切ります。細かいヒゲのようになった毛細部分は一度 土から離してしまうともう力がなくなり腐り始めてしまうからで、新しい土に新しい強 ....
傾いていた。
傾いているので歩くごとにそちらに、ずれる。ずれるのでずれないように歩こうとすると、さらに傾き、またずれる。急いで、いる。なのでずれるのにも構わず、ず ....
巧妙に嘘をつくのと、本当のことを敢えて言わないのとは違うことだと思った。
本当を隠して一物抱えて軽やかに笑う
感情が鈍感なのでなく、無感情でいろと心に指令を出すほどひだひだに繊細な感情 ....
摩天楼の一画に、とても素敵な景色の見える部屋がある。
私はこの部屋のテラスで、夜風を感じながらあなたと過ごすの好き。
まずは赤と白のワインで乾杯するの。
この時は決まってあなたが白で、私 ....
ひさしぶりにカラオケに行った。強引に連れて行かれた、という方が正解かもしれない。
カラオケだと妙に酔いの回りがはやいのはぼくだけだろうか。あの密室の感じが酔いを促進するような気がする。
いくら酩酊 ....
近年、NEETと呼ばれる「教育を受けず、労働をおこなわず、職業訓練もしていない人」が増えてきていると言われています。また、フリーターと呼ばれる雇用体系に融通が効く状態に甘んじている「フリーランス・ア ....
初めて火垂るの墓をみた。
衝動的に感想を書きたいと思ったので書く。
しかし私は頭が悪いので上手な文章は書けないし、
「そこは違う」
と言われても、反論できない気がする。
....
いいですね。感覚がいいですね。働くということと詩を作るということとがかなり一体化している。生活、労働が作者のうちで相当融合しているからだろう。本当に詩の生まれる過程が読者にも届いている。但し言いたい ....
・僕は電車で真ん中に座る
少し語ろうと、思う。今しか語れない事や、それから少し前の事を。先の事を。
もうじき30歳になるある日、僕は友人と酒を飲み、そうして勢いで、次の日の仕事を休む電話を会社 ....
いまさっき、ちょっとしたきっかけから原民喜「原爆小景」を読んだのだが、
どうしたことか、さっぱり感応するところがなかった。
どうも最近はなにごとにも不感症で、自分で自分に困惑してしまう。
た ....
なんと感覚が強情に張り切っていることか。
本は内容なのに、本の表面がこんな感想を招くとは!
作者の感覚は本の表面、本の置かれている環境にのみ及ぶ。
見解や感想の違いだといわれれば、その通りだろ ....
「ちえちゃんッ」
「あ、健太郎」
「姉さんこんにちわ。ちえちゃんどないや」
「うぅ・・健太郎・・」
「ちえちゃん、ちえちゃん、おっちゃん来たで。大丈夫か」
「・・・・」
「今寝たとこか」
....
“食堂”に五人が揃っていた。
だだっ広い食堂の空間の中央からややはずれた所に、白いテーブルクロスをかけられた大きな矩形の卓が置かれている。厨房からの灯りがわずかに漏れ出して、食堂の全体を仄かに浮 ....
詩作やその他の創作活動について、著者本人のエピソードがそのまま語られているかのような詩がいくつかあった。舞台裏を見ているような気分になるので、「詩」を求めるときはそういうものを見ないふりをしてやり過 ....
最初に断っておきますが、僕は議論があまり好きな方ではありません。自分が提出した意見に対して横槍が入ったからといって、それに答えて弁明または自らの意見を解説するようなことは極力したくありません。それと ....
最初に言っておかねばならない。私は経験を重要視するわけではないし、軽んじるわけでもない。私は経験について中途半端な考えを持っている。経験は重要な場合もあるし、そうじゃない場合もある。経験しなけりゃわか ....
・
僕は床におかれたビンに近寄った。
男はまだごしごしやっている。僕はビンにひだり手でふれた。
液体はとても澄んでいて気にいったから、しずかにビンを揺らした。空にぶつかったひ ....
ウンコネタ多数。カレー食ってるヤツ注意。
俺は、風呂に入る時、風呂場の空気が乾燥しているのが好きだ。
ほら、一番風呂の時の、風呂場の感じってあるじゃん。
二番目以降だと、風呂場の空気っ ....
ビートルズ愛好者として生き続けて早や三十有余年。ビートルズのギター完コピは難しい。ミッシェルのアコギもそのひとつ。こんどこそ完全に解明してやろうと試みては果たせず、年ばかり無駄に重ねる人生でありまし ....
これから書く詩集についてそのエピソードを書くとき、エピソードの本来の語義から外れてこの言葉を使うことになるかもしれない。そこでここだけに通用するエピソードの意味を私なりに考えてみたい。もちろん、本来 ....
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