果たして、俺は目的の自動販売機の前に到着した。俺が欲する飲み物は、あまりメジャーでないのか、近所ではここの自動販売機にしかない。俺はポケットの中から小銭を取り出し、投入口に入れた。チャリン、と言う音 ....
父は大柄な馬だった。引退レースの有馬記念で、あっと驚く大穴を開けた時、530kgもあった。そしてその仔達も大柄な馬が多く、余計なことに、よく穴を開けるとこまで似ていた。
「血のロマン」てやつを信じ ....
俺は書きかけの遺書をクシャクシャに丸めて、ゴミ箱の方向へ適当に放った。もう、これで六度目である。今日一日で、六度も遺書を書き直している。今週に入って、七十四回、今月で百八十六回も書き直している。
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すっかりぬるくなった湯に体を沈めながら、浴槽の堅さに身を寄せる。眠るのは嫌いだ。夢を見るだとか、人生の無駄だとか、そんなくだらない理由じゃない。そもそも感情に理由を求めるヤツは総じてクソだ。まるで脳 ....
これは2年くらい前に何気に書いた散文です。
ただ、これが自由詩なのか散文なのかわかりません。物語の主人公は僕ではありませんが、物語は僕が想像の中で体験した事実です。そういう意味ではエッセイなのかもし ....
「あんちゃん」とは競馬用語で見習い騎手のことで、一種の差別語である。例えば「あんちゃんみたいな競馬してんじゃねえ」というのは、腕が未熟であるという意味の罵声である。
だが、スタッフ、騎手仲間、そし ....
天性のジリ脚だったのか、それとも他馬の先頭に立つのが嫌いな「お馬好し」だったのか。
2歳の札幌でデビューして以来、3歳の秋まで、平地ではついに勝つことはできなかった。
しかし掲示板を外したのも ....
{引用=
〜言葉なきイメージから湧き上がる芸術的言語〜
}
■境界に立ち竦む ということ
常々、『物事の境界に立ち竦む』必要と、その重要性を感じてきた。
その境界とは、善と悪 ....
そりゃあ、ちょっとは責任感じてるわよ。
私が彼を振らなければ、彼だってこんなことにはならなかったんだし…。
でも、彼には悪いけど、私は彼について行くことができなかった。
ええ、好きだったわよ ....
別に、行くあてなんて無い。何処に行こうかなんて、考えてもいない。会社は辞める気だけれど、今後どうしよう、何て事は考えていない。取りあえず、セブンスターに火をつける。よく覚えていないけど、あの女が住ん ....
彼女が浴室を出て、脱衣所をも出た気配を感じとってからすぐに、俺は湯船に体を沈めた。俺がすぐに出てきた。
「…言ったのか」
「あぁ」
「…今じゃなくても、良かったんじゃないのか?」
「 ....
通勤路に、猫家族がいるのを発見する。白と黒のまだら模様を浮かべた親猫のそばに、ちょろちょろと子猫が数匹走っていた。僕は路地裏を自転車で走るのが好きなので、猫の寝床もまた、路地裏に面している。門扉を備 ....
1年ほど前から詩を書き始めた55歳の弁護士です。どうせなら芸術性のある詩が投稿されているようなところで批評された方がよいかなどと傲慢にも思い、あるサイトをのぞきました。そこに投稿されている詩もレスも ....
1人で全部ってのはどうにもムリがあるようだ。オレにとっちゃ世の中できない事の方が多いんだぜ。
どう見えてるのかはわからないが、こう見えて気苦労が絶えないのである。
そして出来ればあんまり見ない ....
もうやけっぱちだった。仕事も棒に振り、ここで金を借りることができなければ娑婆を捨てるか首をくくるしかない。ほんの少し、ほんの少しの種銭さえあれば取り戻せる、きっと。
仁王の睨む山門をくぐると ....
#incは速読の訓練を受けた。
一日に何冊も本を読むことができるのが、
嬉しかった。
何冊かミステリー小説を買ってきた。
#incは一冊取り出し、表紙を眺めてみた。
「何 ....
ぼくには、会いたい人がいっぱいいる。
それってすごく、しあわせなことじゃないかな。
また会える人、もう会えない人、いつか会える人。
その、みんなに会いたい。
こんなことを考えている ....
昨年の今頃だったろうか、何故だか消防設備士の勉強をしていて、火災報知機にも色々あることを学んだ。煙感知器とか、熱感知器とかあって煙感知器とは発生する煙によって生じる光の乱反射の量から火災と判断するも ....
そしてこれは日記のようなものだ。
むしろ、「日記」と括ってしまった方が正しいかもしれない。
そんな散文です。文法やらなんやらは滅茶苦茶です。
内容も支離滅裂です。論がころころ変わります← ....
俺は改札を離れて、家へと向かった。いや、正確には、改札を離れてから家に帰ってきた間の記憶が、すっぽりと抜けているのである。俺が何を考えて、どういう経路で帰ってきたのか、全く記憶にない。とにかく俺は家 ....
眠りが浅くなり、自然と目を覚ます。腕の中に誰も居ない事に気付き、息が詰まった。俺は布団を跳ね除けて飛び起き、リビングに通じるドアを思い切り開け放った。
「どうしたの?」
果たして、そこに女 ....
白く濁った煙が、窓の外へと流れ出ていくのを、じっと見ていた。下腹部をウェットティッシュで拭き終わった女は、俺の横で椅子に座り、マルボロライトに火をつけた。
「ねぇ、さっき何ていいかけたの?」
....
ラウラ・ニーダーゼッセンは非-自由を求め続けている。
そしてそれを実行している。
彼女はあるシュパールカッセ信用金庫頭取の秘書だ。
仕事から帰ると彼女は、必ず初めにやることがある。
部屋の隅に ....
「出たよ」
「ねぇ、あのさ」
「あん?」
「今からそっち行っていい?」
「はァ?」
「ダメ?」
ダメだと思うが、ダメじゃない気もする。正直、会いたく無いけど、断る理由も無い。 ....
湯船の中に身体を沈めて、肺の中を空っぽにするまで息を吐き出した。
「おい」
「何だ、珍しいな。お前から俺を呼ぶなんて」
「聞いてただろ?あいつが帰ってきやがった」
「何だお前、今更そ ....
変わらない毎日と言うのは、とても安心できるものである。俺が正気でいられるからだ。周囲の環境が変われば、俺もそれに柔軟に対応しなけりゃならない。彼女と付き合い始めた、と周囲に言われれば、それなりの反応 ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=98611
しばらく前の作品なのですが、今あたしの心の支えになってくれている作品なので感謝を込めて感想を書かせていただ ....
あの夜、何故窓を開けたのかわからない。
雨が降っているかを知る為かしら。蛙が鳴いているかを知る為かしら。
それとも、可愛い可愛い風鈴たちを確かめる為?
*
酔っていた。
* ....
醤油 たもつさん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=504
われわれは忘れる生きもので、忘れていくからこそ、生きていけるという面があ
る。けれ ....
心臓を氷水の中にぶち込まれたような感覚に襲われて、目を覚ました。悪夢みたいなものを見た気がするが、どんな夢だったか思い出せない。心臓が 物凄い速さで、波打っている。喉がカラカラになっている事に気付き ....
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