ドラマや漫画、アニメや映画など、様々な解釈で話した機会は誰もがあるだろう。

よく「作品は作者の手から離れて一人歩きする」という。
それは、説明されていない部分について、我々受け手側が自由に解 ....
 この店でサーバーの仕事をし始めた頃、最初は、オーダーのとり方もトレーの持ち方さえも戸惑っていたが、それも、すぐ慣れたのは何か水商売の天性があるのかもしれないと、Sayoは思ったりする。昼の仕事は、夜 .... 「アレン、あたしはヴァージンって言ったはず。これはウォッカはいってんじゃないの?客が文句言ってるわ。子供が酔っ払ったって」
 Sayoは男に大きな声を張り上げた。店の中は、コンテンポラリーのジャズ・ ....
春の天皇賞。6歳になった彼の、最初で最後のG1レース。
出走にあたって、彼の所属厩舎だった田中清隆師の残した談話が今でも忘れられない。
調子がどうの、勝ち負けがどうの、という話ではなかった。
「 ....
別に、ただ気になっていただけだ。
どうせまた明日から、同じような顔をして過ごす自分に嫌気が差して叫び出したくなるように。
変わらない自分を望んでいると言う割には、平穏なんか壊れてしまえと物騒な事を ....
晴天には雨を忘れるから、いつか遠い国で無残に殺された幼児のニュースも(そういえばそんなこともあったねえ)なんて言葉で語られるだけのものになった。ベッドの上で、音を出さずにテレビをつけて、ただ画 .... 娘は娘で、やはりそんな母親の影響か教育のもと、元気に何事にもとらわれないそんなおおらかな子に育っていた。やたら頭が良く、勉強などしなくても成績もよく、クラスの担任の若い娘のような先生は、クラスをスキッ ....  女の暮らしは、毎日打ち寄せてくる波のように、変わる事がなかった。
 狭い島の単調な暮らしに飽きそうになると、女は海峡を眺めて夢想した。
 海峡の向こう側には、隣国の長く横たわる山脈が夏でも銀嶺の ....
自分の将来に光が見えなくたって、恋人の中に未来を見いだせなくたって、
自分がたった一人の『自分』である事を、忘れてはいけない。

実際に無いかもしれない事象に怯えたってしょうがない。


 ....
いつの間にか海峡と陸を隔てる水平線は確かさを失い、靄の帯を海に広げていた。
 海峡の向こうには岩肌をみせる山脈と、その手前には昔は燈台守が住んでいたという岩礁に見まがう小さな島があった。
 今、そ ....
自分がどれだけ恵まれた環境にいて、
どれだけの愛に包まれているのか気付かずに、
他人の不幸を喜び、
自分が不幸だと嘆く人間には、

吐き気がする。

私も大概気付いてはいないのだろうけど ....
別に、好きでも嫌いでも無かった。
小さい時からそれをやっていて、ただ人より上手に出来ただけだった。
劣等感を感じて、辞めちまえ、と罵る輩の気持ちが痛いくらい分かってしまったのは
それから何年 ....
「あー。酔うた酔うた」
「大丈夫っすか?めちゃめちゃ顔赤いですよ?」
「えー、そう?って何ゆうてんねん。まだまだ行けるっちゅうねん」
「でもあんま飲みすぎたら・・」
「大丈夫やって」
 ....
 めったにないことだが、仕事で都市部にでなければならないことがある。そんなとき交差点を歩いていると、あまりの人の多さに眩暈がするのだが、同時に誰かがつけていた甘い香水の匂いに触り、私は先輩を思いだす。 ....  家に帰ってまで電気の光を浴びるのは嫌いだ。夜は夜らしく、暗くあるべきだと考えている。部屋の隅の卓上電灯のタッチパネルを一押し、書き物程度の光が、机の上から漏れ出しあたりに飛び散る。部屋の真ん中にある ....  胴体のまんなか、繰りぬかれた胸にはジェンガが積んである。人間とはそういう風に出来ている。例え服を着ていようと、裸体であろうと僕の視界では四角く切り取られた空間に、ゲーム途中のジェンガが屹立しているの .... 鈴木ユリイカさんが編集し長年発行されている『something』は世界の女性詩のカタログです。
従来の詩の雑誌と違い、多くの外国人からの
すでに発売されていたり、出版されている詩集の詩から優れた詩 ....
「にいちゃん、まって!」
 青い公園と名づけた近所の小さな公園から、兄が走り去る。
「おおい。」
「にいちゃん!」
呼ぶ声は聞こえているはずだが、兄は走る。腕を振ってどんどん走る。あっという間 ....
別に、大人びている訳じゃなかった。
煙草吸ったって酒飲んだって女の子を口説いたって喧嘩したって、それは小さな反抗心と大人の真似っこって事で。
仮面やら鎧やらを風呂に浸かってシャンプーで洗い流したよ ....
 お外が嫌いなイエネコは家の中だけがその世界であったために、野良猫たちに比べいのちに触れる機会が極端に少なかった。それだけに異様な繊細さも見せた。家族の靴音をそれぞれ聞き分け、誰かが帰宅するのを何 .... ・死期を悟った飼い猫は、家を去る。
 人に嫌われたいのは、自ら関係を絶とうとしてるということ?
 生きる希望を失っているから?
 人を裏切りたいのは、自分の存在価値が無いと思っているから?自分は ....
「ほんっま腹立つわーっ。お前もそない思うやろ?」
「・・・・・・」
「せやろ?あいつら物の考え方おかしいねん。」
「・・・・・・・・・・。・・・・・・・・」
「いや、しよったよ?、しよったしよ ....
教えてもらったメールアドレスに送ったらエラーで返って来てしまった。
これはきっと、彼女が書き間違えたダケである事を切に願っている。


オレは秋刀魚が好きだ。焼いときゃとりあえず秋刀魚は裏切ら ....
著者二十代で刊行した第一詩集から第七詩集まで、
半世紀に渡る鋭利な感性の詩編とエッセイからなる一冊である。
この凝縮した水野ひかる氏の世界は、
幾重に年月を経ようとも衰えない「女性力」を感じる。 ....
夏休み前。暑いけれど、耐えられないほどではない。蝉の声が開いている窓からけたたましく入り込んでくる。風は十五分に一度くらいカーテンを揺らして。くれれば良いほう。
昼食は終わったから後ろの直樹は教科書 ....
そう呼ぶには勢力が強く、些か風情に欠ける感はあるものの、私はこのような秋の夜長が堪らなく好きであり、また同時にその余りにも寂莫とした暗闇にいつも堪えられない。


私を喧騒からすっかりと隔て、ひ ....
詩と現代詩、あと死をなめてかかっておりました。

一字一句どころか、間、音、すべてが毛細血管のように緻密に構築されていたものだったのですね。

言葉をとりあえずつなげば詩になると思っていたおれ ....
書き手である誰もが、ひとつの言葉があるべき場所を求めていたらしかった。

祭はもう終わりなのかもしれない。感じていなかった子供のときの、僕。

最後のコーヒーをすすっていた。黒い色の中に混ぜあ ....
「いやー、おもろかったなー」
「おもろかった」
「ほんまにおもろかった」
「今日も元気な松喬さん見れて良かった」
「うん良かった」
「いやいや、まだ死んでないから」
「まぁそりゃそうやねん ....
「ただいまァ。」
 八月。
 庭の潅木が、白い地面に真っ黒な影をいくつも落としています。
 暑い盛りです。
 四月から通い始めた保育園から帰った娘は、日焼けの顔で畳に膝を落とし、さっそくブロッ ....
散文(批評随筆小説等)
タイトル 投稿者 Point 日付
良作と駄作の違い飛べない豚109/10/19 18:36
「波の声をきいて」(2)月乃助2*09/10/19 2:16
「波の声をきいて」(1)1*09/10/18 3:22
「名」馬列伝(11) シグナスヒーロー[group]角田寿星4*09/10/17 23:08
詩想 —3[group]黒乃 桜109/10/17 16:21
Babelogueホロウ・シカ...3*09/10/17 10:02
「あざらしの島」(3/3)月乃助5*09/10/17 4:42
「あざらしの島」(2/3)4*09/10/16 2:36
忘れないで。aokage1*09/10/15 15:57
「あざらしの島」(1/3)月乃助4*09/10/15 11:36
怒りと憤り。aokage1*09/10/14 19:13
詩想 —2[group]黒乃 桜109/10/14 18:48
串かつ捨て彦309/10/14 7:11
花は女の匂いがする亜樹409/10/13 23:18
無題影山影司109/10/13 20:39
ジェンガング109/10/13 3:17
鈴木ユリイカさん編集の『Something』は世界の女性詩の ...イダヅカマコ...3*09/10/12 13:45
地面かみなりオイタル3*09/10/11 22:05
詩想[group]黒乃 桜209/10/10 23:03
ぜんぶあげるよゆえづ109/10/10 14:40
メモ結城 森士009/10/10 1:10
バッテン捨て彦109/10/9 22:02
Blade Fish BoneBOOKEN...409/10/9 15:23
新・日本現代詩文庫59『水野ひかる詩集』渡 ひろこ9*09/10/7 21:51
午後からの哲学者捨て彦4*09/10/7 1:06
秋雨きゃとる109/10/5 23:55
降伏宣言KETIPA2+*09/10/5 0:07
書き手に断絶としての番田 109/10/4 21:15
真夏の喫茶店捨て彦009/10/3 13:56
夕暮れオイタル3*09/10/3 7:33

Home 戻る 最新へ 次へ
105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 

【散文(批評随筆小説等)】散文詩は禁止。散文詩は自由詩のカテゴリへ。
0.45sec.