「釣りに行かないか」

彼がそう言いだしたのはめずらしく彼女が午前中に起きだしソファで寝転びながら、
いそいそとインテリアと家具の本を広げた時だった。
彼女はマンション購入が決まっ ....
「風邪をひいたな」
そう感じたのは、くしゃみに加えて咳が止まらなくなった2日目のことだった。
?止まらない?と聞いてどの程度を想像するのが一般的だろうか。
とにもかくにも止まらないのである。
 ....
それは年明け早々のことだった。
このときほど彼と彼女に驚かされた事はない。

お正月も三が日が過ぎて、ようやくいつもの生活に戻り始めた日曜日。
彼女も仕事が休みで三人揃っての休 ....
 「生きてく理由は見つからないが、何故死なないでいるのかが解らない、そういう時に生きる悲しみがラスコオリニコフの胸を締め付けるのである。」という一節が、小林秀雄の「罪と罰?」にある。
 僕は自分のく ....
1

 流石に、というよりももう幾千幾万も暴れ回って周りの人に迷惑をかけているのかと思うと、とてもではないけれどこれ以上僕は息をすることが出来ない。僕は何回も何回もずっといままで同じことを繰り ....
スープの用意をしていたら玉ねぎと一緒に人差し指の皮を剥いてしまった。

春らしい夜の冷えかた、風の強さ。彼にさいごに会ったのはもう半年以上まえで、そのあいだに会った男のこたちのことはよくわから ....
戯曲(習作つづき9)

屋根裏部屋 奈津、全裸。泣いているようである
父登場、全裸

父  「奈津ー^、ちゃんと見せるんだぞー!(退場)」

せむし登場、全裸。前方の椅子に座る

せ ....
キッチンからいい匂いが漂ってきた。
大掃除の今夜は彼の得意なビーフシチューだ。

「おいしそうだよ」
リビングのソファでふて寝をしている彼女に声をかけてみるが
返事がないところを ....
その日は珍しく彼女の帰りが早かった。
「何食べたい?」
帰って真っ先に冷蔵庫を覗くなりそうわたしに問いかける。
           
頭をめぐらせ冷蔵庫にありそうな食材でなおかつ ....
何もしない安全策をとっていれば何もおこらない。
リスクを考えながらも何かをはじめる。
何処かへ実際に行ってみる。
たぶん何かを感じ何かがおこったりもする。
それ以外は抽象的な観念にすぎないのか ....
もう冬休みに入り部活へ行く以外は毎日家にいる。
こうして彼女とふたりで休日を過ごすのは夏休みや冬休みの
彼女が休みの平日しかない。
          
「ねぇ、いい加減起きた ....
 俺にも誰かと付き合うという機会はあるもので、大抵相手のその寝顔を見ながら夜を明かした。俺は眠れないことが多かった。


 寝たいか。と、問われればイエス。
 俺を殺せ。が、アンサー。 ....
やわらかな陽の差す日曜日の午前中、
朝食の片づけをする私の背中に彼の静かな声がかかる。
         
「そろそろ買い物に行くか?」

彼女は今朝もぎりぎりまで寝ていて、慌て ....
塚、奈津
父全裸、せむし全裸

奈津 「わたしのお父さんは誰ですか?(奈津、自分のパンティーを拾う)お父さんよ。このパンティーをかぶるにふさわしい、わたしのお父さんは誰なのか、おしえてください」 ....
「かあさん、コンビ二で『レシートいりますか?』って言われたら
なんて答える?」
 と中学生の娘が聞く。
「ふつーに『いりません』というかなあ」
 と私は答えた。

「えっそうなん。私はどう ....
 今週の『サザエさん』は一家で福島に旅行する話だったそうだけれど、具体的にはどんな内容だったのだろう? あいにく私はいま異邦人として暮らしているので日本のテレビを見られない。しかし福島第一原発の原子炉 .... 若手漫画家の登竜門としてCOM並びにガロはぼくらの教科書だった。

その女流の中でも異彩を放っていたのがこのやまだ紫氏と岡田史子氏だったと記憶する。

やまだ紫さんはもともと詩人だった ....
「ねぇ、この本の表紙知らない?」
           
彼女は読み終えた本をわたしに見せる。
その顔にはどうしてないのかわからない、不思議でならないと
いった表情がありありと浮か ....
 時々、訳もなく泣きたくなる。

 今日がそんな日だった。目に映る何もかもが煩わしくて、それでいて、執拗にそれらに触れたがっている、もう一人の自分がいた。放っておいて欲しいのに、見捨てられたくない ....
博士 オリンピックが終わって寂しいです。
あの感動は4年後まで 待たないと再び戻ってこないのですよね・

南君 勝ち負けを超えた 彼らのあの限界に挑戦する姿こそ 時代を作っていくのだ、しかしその ....
 「喫煙は自由だろ」 彼はそう言った後に皮肉そうに眼を細めて冷笑しながらこう続けた。「ま、自由の概念が日本人に理解できるかどうかはわからないけれども」 ぼくは微笑みつつ答えた。「少なくともぼくはよく知 .... もうすぐ年末だというのに、大掃除もせず日の当たるベッドで
丸まっている彼女は来年41になる。
わたしの年齢の2倍より多く、3倍には満たない想像のつかない歳である。

彼女の夫はさらに15歳年上 ....
 文学と社会科学は無縁であるかのように思われがちだし、実際、文学をやっている人間が社会科学に明るいかというと必ずしもそうではない。むしろ、社会のことなんてそれほど興味がない人がたくさん文学をやっている ....  月夜の晩に森に迷い込んだ。ブリキでできた木の幹と葉っぱの上を、糸状に光が跳ねていくので、歩くだけで遊んでいる気分になった。
 月のかけらを吊るした糸を、ぶら下げながら歩く男の子と出会った。騒がしく ....
岩手県内某所 事務所

小沢先生 「なに、後援会が三人になった?」
公設第一秘書 「なにぶん、権益が震災復興に集中してしまい…」
小沢先生 「決断の時至れりということだな」
公設第一秘書 「 ....
奈津登校中
爆発音、ノイズ、戦争の音など入り乱れ鳴っている
小さな塚、中央に石が置いてある。墓のようである

奈津 「むげん まぼろし 平泳ぎ
    今日は朝焼け 胸がくるしい
     ....
さくらも雪柳もなんだってああもこぼれるように咲くんだろう。
かたわらでぼとぼと落ちている椿の鮮やかに腐れるさま。
きょうも海が見えている。花曇り、ぼうやりとした稜線。
手を閉じたり開いたりし ....
{画像=130329074436.jpg} 

{画像=130329080838.jpg} 

{画像=130329080859.jpg} 


 天候不順でさぞかし桜もとまどっているだ ....
ご存知の方も多かろうが群青は泡沫恋歌さん主催の創作集団である。
メンバーは恋歌さんはじめ空の珊瑚さん木原東子さん為平澪さん十六夜KOKOさん等現フォの女流の粋を集めたまさに梁山泊である。
なかに映 ....
J−POPについて書こう。疲れているような心境のときや、なにをすべきなのかがわからないときにそれを聴くと、自分自身が癒されるように感じるのは何故だろう。それにしても、昔にくらべてボーカリストの不足 ....
散文(批評随筆小説等)
タイトル 投稿者 Point 日付
彼と彼女とわたしの海石田とわ3*13/4/16 23:43
せきをしてもひとり?そらの とこ1*13/4/16 22:55
彼と彼女の買い物石田とわ3*13/4/15 23:31
「生きる悲しみ」についてyamada...013/4/15 7:39
2013-3-31南条悦子013/4/13 15:08
スープのこと[group]はるな113/4/11 20:13
戯曲(習作つづき9)星☆風馬013/4/11 17:28
彼と彼女とふくれっつら石田とわ2*13/4/11 16:29
彼と彼女とワインの夜4*13/4/11 2:29
現場主義経験主義あるいは実体論梅昆布茶213/4/10 13:58
彼と彼女と綿ぼこり石田とわ6*13/4/9 20:14
隣で死んだように眠っていた横顔は榊 慧213/4/9 12:55
彼とわたしとぶり大根石田とわ5*13/4/9 1:31
戯曲(習作つづき8)星☆風馬013/4/8 18:27
『あっ』というクッションに似たものそらの珊瑚713/4/8 9:39
漏出する汚染水のなかの『サザエさん』動坂昇313/4/8 3:34
トリビュートやまだ紫 性悪猫梅昆布茶913/4/8 2:37
彼と彼女の本棚石田とわ11*13/4/8 2:16
やさしい世界まーつん213/4/7 14:02
ドウリンピック“北(ぺ)博士の野望”ぎへいじ513/4/7 10:43
異邦人日記から動坂昇013/4/6 11:09
彼と彼女の無口な食卓石田とわ5*13/4/5 4:54
社会科学と文学葉leaf3+*13/4/4 7:21
ブリキの森と紙の古城とウルサい湖畔の魔法木屋 亞万3*13/4/1 0:15
政治家劇場 春場所salco3*13/3/31 23:35
戯曲(習作つづき7)星☆風馬013/3/31 19:31
眼科のこと[group]はるな613/3/30 14:47
あおば7*13/3/29 8:03
創作工房「群青」薄紅に染まりし夕暮れ・十六夜KOKO・帰って ...梅昆布茶11*13/3/26 15:39
J−POP感慨番田 213/3/23 23:36

Home 戻る 最新へ 次へ
63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 

【散文(批評随筆小説等)】散文詩は禁止。散文詩は自由詩のカテゴリへ。
0.45sec.