雪が降ってきた、白い雪はどれも同じスピードで落ちてくる
その雪をゆらす風は無い
そんな中、電車を待つ一人の女性の髪に、雪が振り落ちていくのが見えていた。
ホームの白線の内側の黄色いタイル ....
2月が終れば3月がくるということを、無論ずっと知ってはいたけれども、たいていこのくらいの時期になるときゅうに理解してしまう。毎年、性懲りもなくだ。2月と3月のあいだには、いくつもの恋が横たわってい ....
詩を書き始めたのは高校生の頃。
現代詩集という投稿サイトに狂ったように詩を書き続けた。
ドコモのimodeのせいで人生も狂った。
不満だけは人よりあった。未来はそれほどじゃなかった。
一攫 ....
http://yaplog.jp/tipotipo/archive/284
戦争が好きかどうかと聞かれると、途端に答えに詰まる。何故なら私は平成の生まれで、戦争を経験したことがないからだ。一部の ....
「根源的な怒りと恐怖、ですか。」
「聞き返さないでね。私だって分からないんだから。ただの勘よ。あんたなら分からないまま流してくれるし、言いふらしたり騒いだりしないだろうと思って話しただけ。」
「そ ....
淵
ああ、遠いあの日のように烈しい夏がほしい。少くともあの日だけは夏だったのだ。雑草の生い茂っている崖っぷちの小道を、私は駈けていた。谷側の斜面には血のように赤い彼岸花が咲き、山側には雨のように ....
今日は週一回の休日。家でまったりしながらこれを書いている。
今の職場には、Kさんという先輩がいる。
僕より二歳年上で、とても仕事ができる女性だ。
物流の現場では、日々クライアントからの ....
お父さんが白い箱になって帰ってきた日の晩、白い布と木箱に覆われた陶器の蓋を開けて
一つまみの欠片を持ち去った。
指先に付いた欠片の粉を口に含んだら、あまりにも苦くて・・・・苦くて・・・・身体はお父 ....
「まあな。うちで鍛え上げた者ならば、もう少しマシな戦いかたを見せただろう。特殊能力の発現前にみっちり体を鍛える方針でずっとやってきたし、俺がそれを根付かせて来たのだから。そのぶん、ついて行けなくなって ....
「文学金魚」http://gold-fish-press.com/
「文学金魚」ってウェブ文芸誌があります。実はぼくもこういう感じのを作りたいと
常々思ってたんです。「文学極道」の代表をやって ....
ついこの前、ミスチルの「君が好き」という曲を探そうとして、「君が好き 僕が生きるためになるものがいっぱい詰まってる」と入力したところ、こんなサイトが見つかった。
http://rerock.3. ....
この時期、雪山での遭難は多い。日が暮れて警察、消防、自衛隊などによる捜索が打ち切りになったり、吹雪のために彼らが動くに動けなくなったときがウチらの出番だ。彼らのようなオモテの人たちは自身が遭難したり ....
詩とは言葉によって世界を再構築する行為・作品である。では、なぜ、そのような行為・作品を詩人は描き、世の中は求めるのであろう。その前提として、現実世界は例えそれが幾ら素晴らしかろうと、苦悩があり、苦痛が ....
「自尊心よりも、自分が期待されている役割を読み取り、それに近付くために努力を惜しんでいないということか。」
「そう。志はとても高いわ。私のみてきた数多の訓練生と比べれば一目瞭然。あなたも感じているん ....
寒いです、こんな時に釣りへ行くやつは馬鹿野郎です。
このボクも何を隠そう大馬鹿野郎なんですが、さすがに今回は釣りをあきらめました。
それで家で悶々としているうちに、そろそろお昼時です。
近い ....
坂の多いところに引っこしてきて二月になる。暖かすぎる冬にもようやく雪が降った。じきにみぞれに変わって重たくぬかるむ轍をばちゃばちゃ言わせるのが楽しいらしく、膝の下あたりまで濡らして娘があるいていく ....
社会は個人に対して物質的で不条理であるというイメージが強い。あるいは社会は個人がその役割を果たすことにより自己実現するステージであるという積極的なイメージもある。だが、積極消極いずれに解する ....
弓道の防具で、右手にはめる革製のてぶくろみたいなものを「かけ」と呼ぶらしい。弦を引く際に、主に右手親指を保護するためのものであるとか。
その革は子鹿のものであることが望ましいそうで、かけとなりう ....
1月XX日のアッくん
※この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
スーパーに買い物に行ったアッくん。
凹んだ缶ジュースや賞味期限切れ間近の商品に2割引き ....
このB級の指先で合成の調整の声を断絶したあとの日暮れでジョージ・コックスを汚す。なにも仕留められない、仕留められない、消毒液を浪費しては自己嫌悪/ユニクロからのメールマガジンを読んでTシャツが見当た ....
「女郎なんかしているから。金を買ってやったのよ。」
私はやりたくもなんともない。憤り。一月上旬の空気の乾燥で唇の端が切れて痛いと声をあげるこんなことしか言うことができない人間はただそれまでの人間で ....
詩は「読む」ものというよりは「触れる」「聴く」ものである。文の論理構造に従って明確な意味を読み取るものというよりは、そこに立ち上る言葉の響きや質感を聴いたり、意味の多義性や構文の揺らぎに触れるも ....
「訓練生が訓練について行けなくなったとき、何が起こるか知ってる?」
「ここでのことに限って、訓練生の記憶が消える、だろ。」
「表向きはそうね。ここを離脱すればここの記憶は自然に消える。もちろん何者 ....
人の呼吸のしかた、姿勢、歩き方から運動しているかどうかがわかり、筋肉のつき具合まで短時間でわかるくらいだ。柏木も地道な肉体の鍛練を愛しているのだ。そして特殊能力の修得もその延長上に描いている。だから ....
堕落論の中に反戦思想を読む人の気が知れない。
十代前半から四十代後半の今までに少なくとも2万回は読んだが、
何回読んでも、8割りがたは戦争礼賛にしか見えない。
事実、戦争中ほど良い世の中はなかっ ....
仕事の定休日である木曜日にクリスマスイブが重なる。誰とも約束せず、普段通りに過ごす。それだけのことが空虚でつまらないことと感じてしまう理不尽な日。いつもなら仕事に打ち込むことでその空虚を埋めていた。 ....
たった今、冷蔵庫のなかのありあわせで作ってみてあまりにも美味しかったので皆さんにも食べてもらおうと思って書いてます。
◆材料:
蕎麦(袋入りのゆで麺) 一袋
油揚げ ....
まだビニルの臭いがする五体の人形から初老女の指紋を検出するのにそう時間はかからないと男が笑う。
手袋の内側に付けられた粉はパン屋のそれとは大違いだ。
牛乳にクルミを砕いて入れながら、デリバリーヘル ....
パソコンがなかったら仕事ができない。
年金詩人のわたしは今日もパソコンと睨めっこしている。正確にはマイクロソフトワードがなかったらということになる。その理由は文字を書く労力が半減することで、文章 ....
二十年来使ってきたざるを買い換えた。そのざるには欠点があり(それは使い始めてすぐにわかったことだが)持ち手になる場所にほんの少し金属が出ているらしく、私はなんどもそれによって手を傷つけてきた。傷とい ....
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