凍えた手 温かい手を にぎりしめ

君よ 息のかかるほど もっと近くに

湯気絶えて 底見えて 尚 君見つめ

香水の 名残を抱いて 帰途の風

限られた時間と空間を超えて…
{ルビ何故=なにゆえ}に 枝をふるわせ 山笑ふ 不覚暁読むべき本の十四、五冊 冴え返り 愛用毛布 手放せず 春光や「カレーの市民」の尻の張り

春光や決死の像に漲りぬ

彫像の裳裾の奥へ春光る

春光の中や塑像の蹲る

緩みなく「考へる人」春早し

春立ちぬ考へること生きること

地 ....
暖冬と 言われど朝は 未だ寒し

帰り際 地下鉄内で コート脱ぐ

夕方は {注チャリ=自転車}をこぐたび 汗が出る
夏を見て次の春まで筆を置く

濁流も流れと数え現代詩

創られぬ夜を草木の夜と知り

恋文も届かぬ国の地図を見る

山を見下ろす黒き鳥影
譲れるか 君の想いを この僕に ひとときの 四温に溺れ 凍る土

別れては 三寒四温 {ルビ刻=とき}止まる
雪崩 老樹 飲みこみ 夜となる

日々凍る おのが命や 鉈一つ

右の手に 乗るはずの独楽 くうへ逸れ

炎をば 凍らすと言う 痴れ者は
指の跡 みじかい文の うらおもて

いまさらの 恋が見えない あぶり出し

ときどきが どきどきするほど わるい恋
眠たいと 起きて見る外 雪景色

闇夜とて 月の明かりに 照らされし

このような 寒き日々とて 花は咲く

これやこの 見るに美し {ルビ雪月花=せつげつか}
寒い空 空も思わず 白い息 {ルビ冬青=そよご}揺れ 葉に空うつして 紅一点 大阪に 久方ぶりの {ルビ寒雨=かんう}あり

濡れる人 濡れざる人を 羨望す

我濡れる 水も滴る 風邪も引く
バレンタイン 一部の人には 祭日か

バレンタイン 普通の人は {ルビ動悸=どうき}あり

バレンタイン 我には一切 関知せず
ほらあそこが春分点だよ赤道儀
な隠れそ極軸あわせ北極星
シリウスを30センチで覗くバカ
バーナードループ見えたかホントか嘘つくな
アイピースからフラッシュを焚けば波動砲
四分儀と双 ....
瀬をはやみ割れたきりなる年の夜

心眼を持たぬ我らの初詣

拾ひしは空の財布ぞ初夢に

二階なき我が家にぞめくひめはじめ

ちはやふる{ルビ雪花菜=きらず}炒めつ落語聴く
年明けの雑煮は夏の尻子玉
君がため汲みし若水 皿に注ぐ

寒施行 狐と分け喰む小豆飯
そっと割る頭氷の鏡開き

水底は青女の朝より温かく
名護岳のキジムナーから花便り
{ルビ南の風=フェーヌカジ} ウージの音色 揺れる青 うつし世は春雨なりき芝居果つ

渡り廊下の左右より春の闇

洗ひ髪夜しか逢へぬ人と逢ふ

揚花火仰ぐ横顔盗み見る

首筋に跡を残せし残んの蚊

衣かつぎ妻は家では酔へぬも ....
たらば蟹氷で味わふ足の華
室咲きの柔らかく散れ牡丹雪
壁を見て土偶は黙し冬薔薇
杉木立室生の里の雪の朝
オリオンの木星射るを仰ぎつつ
木枯らしや岐路に立てるを告ぐ便り
流感の息子の耳朶の産毛かな
流感や早退けの背に陽のそそぐ
幼子の額のあざや冬ざるる
雪しまく挑むが如く鴉啼く

矮猫亭はこ ....
入居見て日々数える敷居かな
ゐりいみ(て)ひにち(かぞえる)しきい(かな)
うるうると潤む舟見て歌津救う
うる(うると)ゆ(る)むふぬ(みてうた)つすくう
をろし味蓬ほのかに屠蘇凍り
をろ( ....
白髭の八と読んだり冬の山
大雪や山又山の8の道
大雪や木莬には木莬の塒(ねぐら)あり
水仙や四方八方こぼれ雨
芭蕉野分してスローカーブをもう一球(季 ....
中東の戦火は遠く男郎花
頭陀袋肩より下げて女郎花
虚子忌まで雪を窓見の冬籠
未確認飛行物体観世音
蜆売車力木造鯵ヶ沢
大回遊秋刀魚塩焼柚子大根
不来方の初っ切り相撲の勝ち名乗り
友人から「いかにせん 茶飲み友だち」の上五、中七 を示されて、下五のみ、考えてみたもの。本来なら、「未句」という欄があれば、そこに出すべきものですが、ことばの面白さにつられて、付けてみました。

 ....
口紅を持たぬ日ありき麦芽ぐむ

伐られしは冬萌赤き若木なり

孕みをれば死は許されず冬の蜂

      *

紅挿すや湯冷めせしほど待ちわびて

寒紅を般若の面の裏に刷 ....
情秋や太郎は白く流れたり

情秋や次郎は黒く流れたり
俳句
タイトル 投稿者 Point 日付
ケーキと珈琲風雨004/3/4 1:08
如月のくすくす春日野佐秀204/3/2 16:15
買わずに借りた二百冊小池房枝2*04/2/27 21:01
愛用毛布春日野佐秀304/2/24 20:57
県立ロダン美術館右肩良久404/2/23 21:03
暖冬三歌虎狼104/2/22 23:18
鳥影(または現代詩)音阿弥花三郎104/2/22 9:10
_千翔104/2/20 23:45
バランス崩れけらまご204/2/20 1:42
凍炎音阿弥花三郎104/2/19 1:43
恋文と恋の三句折釘704/2/12 6:26
雪月花虎狼004/2/11 13:34
雲ぽっかり春日野佐秀304/2/9 19:49
冬青104/2/6 22:04
傘忘れた・・・。虎狼204/2/2 19:39
聖バレンタイン104/2/1 17:18
見えていてもいなくても小池房枝4*04/1/24 4:45
ちはやふる佐々宝砂4*04/1/14 17:17
一月の河童たち小池房枝6*04/1/11 16:13
海風春日野佐秀104/1/10 22:27
半仙戯[group]佐々宝砂603/12/30 16:46
牡丹雪コンパス103/12/19 15:22
矮猫亭句帖抄 冬の部ならぢゅん(...103/12/17 12:09
無題コンパス103/12/14 7:26
夏の日103/12/13 14:43
戦火003/12/10 19:26
米紅203/12/8 20:11
いかにせん茶飲み友だち狸亭503/12/5 10:00
寒紅[group]佐々宝砂103/12/2 5:50
前橋広瀬川畔にて 二句狸亭103/11/24 17:31

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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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