高きから見下ろす夏の水田かな
山の雨木槿の花の霞むほど
夏逢瀬遠き漁り火指さして
大楠の根に寝そびけり青嵐
雀らの畑を駆くる暑さかな
朝靄の中に母乳の香稲の花
稲の香の匂う畦道めぐりけり
仕種まで亡母に似てきし踊りの手
夏山や心中魚泳ぎけり
月光に貫かれたる冬の恋
大南風くちづけかわす熊野かな
宿予約メールで済ます夜涼かな
生国や胎児の如き雲の峰
美しき雷光の射す手紙かな
遠山の近くに見ゆる暑さかな
霧雨が運ぶは遠い音ばかり
我が水の薄さに萎える羽虫かな
触れるたび遠去かる音日々の音
ゆらぐ道ゆらぐ光の水の声
水もとめ{ルビ背=せ ....
ふたつみつ山のつらなる青田かな
強き風 心を{ルビ染=し}める 淋しさよ
あいたいよ
とても あいたいよ
とても とても あいたいよ
山青田矛盾多しと老の言い
蝉時雨耳ふさぐ君愛しけり
蝉時雨耳をふさぎて見合いけり
人ひとりとどめてありぬ夏の山
{引用=茶事}
チューリップどくたあすとつぷさへぎられ
永遠に蝉の抜け殻さがす午後
誕生日なずなに今日をうばはれて
一大事つばきの花びらひとは落つ
....
暑き日を背に静寂の真鯉かな
門脇の菊の日向や中尊寺
日陰から日向へ出たる夏の猫
かどかどの
アボカドひとつ
テキーラ二杯
夕立や子猫の腐る竹林
重き夜や夏に狂うて血のちぎり
うたも絵も美しくあれ夏の闇
病んでなほざくろの花は輝けり
筆先に落つる泪や花ざくろ
しづけさやプールに沈む我がいのち
....
のど飴をのどに詰まらせ咽る日々
忘れ物取りに行ったら忘れ物
潮引きて冷や水もなく汗もなく
足袋ほつれ動かぬ故に終る日々
柳風枝垂れるみどりみどりかな
飲み食いもやがては飽 ....
石橋を叩いて叩いて結局渡らない
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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