埋もれた実つつく鳥の背ゆく四月
三月を折りたたむたび曇の声
吐息から吐息へわたる二月かな
ざらざらと白さ一月うたいけり
紅い背を ....
E線の震え鳥肌一人の夜
水たまり鳩の屍骸の燃える音
朝焼けの重い銀色2号線
街路樹に木っ端微塵のメルセデス
これも毒あれもまた毒グミキャンディ
青 ....
日に透ける
色づきかけた
紅葉かな
大根や何をする気もおこらない
酔ひ明けに足爪先のにっとなる
朝焼けの247に鉄塔乗る
月浴びてまったり浸かる街湯かな
日曜日高三長女と座る駅
アンコール衣装笑み映ゆケイコ・リー
秋の日にJAZZが揺さぶる証券社屋
CHEEK TO CHEEKチックトゥチックと肩で聴く
秋の夕JAZZ満たされし能楽堂
月の夜にディズニーランドなる廃宮
巨大なる鉄屑のなか秋の雨
湾岸の駅よりの景色死後のごと
あるじなき椅子の置かれし月の庭
{ルビ欅枯=けやきか}る{ルビ七光台=ななこうだい}というところ
突き刺さるケイタイ抱きし子の寝顔
叱られる覚悟で来し子の瞳見てきっと叱る
まる子みて二度泣く秋の夜は澄み
難破船
星を跨いで
チュニジアの夜
しゃぶしゃぶの月の高さが絶妙で
ささやかな月見に添えて萩の花
追憶の星をかたどる紫苑かな
金木犀夕暮れ色の香り漂う
青空に背筋伸ばして吾木香
秋桜や乙女心にそっと揺れ
地に落ちて褪せ ....
蒼い月の裏側に住むもうひとりの自分
金槌の音ふたつみつ暮れの秋
アマデウスの瞳の中へシャボン玉消え
食卓には 鍵の壊れたパンドラの箱
親戚に変人ありき月の{ルビ斎=とき}
{注 斎=仏事法要のときの食事。}
猫抱いて虫聞いている夜更けかな
針水晶の雨に包まれゴスペル歌う
秋の蚊の姿はりつく手首かな かゆ
眠れない夜を眠れば
朝もくる
おまえらも
口惜しかったら
カブトムシ喰ってみろ
猫出せば秋の光の入りけり
酔芙蓉 内に秘めたる 想い告げ
父去りて夏去りて今日ほどく紐
熱を捨て陽は降り急ぐ石の丘
涼やかな花には寄らぬ鳥と虫
触れるほど水はすばやく風深く
誰ぞ置く錆びし{ルビ ....
夢のよう 眠る傍に いる子犬
忘れてる 死ぬことを 忘れてる
赤い鳥 見えなくなって 飛べなくなって
音のする 少し先へ 歩いてく
今日は 明日のことを 考える
何も ....
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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