アネモネの恋の痛みが風に散り
着飾って並んで見てるチューリップ
蒲公英の綿毛に乗って空へ行こう
隠れてもわかっているよ沈丁花
青スミレ君に捧げるサムシング・ ....
{ルビ春風=しゅんぷう}やマイケルジャクソン来日す
タバコ屋のおばちゃん代わり販売機
テトリスかGoogleMapの僕の町
恋愛病。林真理子な女たち
雨近し僕した空が食う夕陽
春の芝濃いと淡いの鬼ごっこ
月に波桜花散るアメリカン
公園で悲しい枝が空を刺す
オレンジに溶けない僕の影長く
桃色の洪水安売りハートチョコ
無機質な日がかすむ街わたしの目
九度二分を踏みつけてゆく夜半の猫
引汐を 追って沖まで 春の海
{ルビ石鹸=しゃぼん}玉 私の知らない 窓のそと
風邪ひいて口やけどする昼の汁
さふして立つてゐて坐つてゐてさふして
朝まだき春の焚火のやはらかく
四十雀日雀春田の修飾符
曾祖父は清水一家や忘れ汐
春の海見やり枯木に火を点ける
野火猛る猛れども焼き尽くさずに
焚火して未だ青春の語を背負ふ ....
目覚めれば夢で聞いてた雨の音
春うららんこっそりスキップしたりして
マーガレット雨の日だって上を向く
一粒のイヌフグリ咲く浅い春
明け方の寝顔の奥に春の ....
電線の雪ぶつ切れて落ちて来し
ポケットに凶器あたため暮れかぬる
妻を殺して帰る家 冴え返る
遺書などは無くとも二月の首縊り
シクラメン呪いは無垢なこころから
春の水濁れよ神の指触れん
失えど
桜舞い散り
涙ぐむ
淋しくも星七つ八つ春は来る
初七日の師とともに解く入試かな
{ルビ初午=はつうま}の氏子送りて遅き昼
春一番彼の屋台も早じまい
マラソンの朝冴え返る銀座かな
鼻風邪やお得意様のありがたさ
恋人を兄さ ....
春来ても僕の昭和は花咲かぬ
あったかいクリームシチュー白熱球
「いってきます」「おはよおかえり」の挨拶
飛んでった「痛いの」着いたか生駒山
しもやけとカフェモカ色の幼い日
日溜まりに夢見る猫の二月かな
盆梅や骸の幹に紅が寄り
揺れ通す竹の林や女泣く
目白散る切なき昼となりにけり
春近しバレンタインに歯医者行く
{ルビ薄氷=うすらい}が私の好きを映してる
日の透くる椿の花の別れかな
並び夜 雑音無音に とけていく
星がくれ いくつ数えた ケンケンパ
幸せは 見つかりましたか? 青い鳥
青信号 白いトコだけ ケンケンパ
....
見下ろせば煙ぶる郡上の冬支度
円空の冬の刻みや千の腕
宿の湯にゆるゆる流れ枯葉舟
捨て城の冬帽ふたり憩う石
堂の夕裏山燃えて冬紅葉
鞭鳴らし予算会議の二月来る
豆まきの窓を見つめて秋田{ルビ犬=いぬ}
病棟へ渡る廊下の{ルビ余寒=よかん}かな
人に別れ炬燵に眠る二十五時
礼服の上司の肩に氷雨降る
女子 ....
仰ぎ見る天 弔いの鐘 白く鳴るなり
{ルビ鉄=くろがね}の疑問符 持つ陶器たれ へうげもの
美しき 葛藤に在りて 藍と咲く
名を忘れ鴉にもらう夜明けかな
戸惑えど戸惑えどただつづく道
灰と種そのどちらにもなれぬ我
けだものに寄り添いて笑む夜風かな
終わりへ ....
123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158
【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
0.43sec.