アポリアが首を擡げる猛暑かな
見上げれば 猛暑の獅子が じりじりと
路面から 陽炎あがり 蜃気楼
心から 想う人では なかったが
遠い日の 記憶のままの お爺ちゃん
幻は 儚く去った 夕暮れに
....
夏の宵
泣けたらいいなと
ふと思う
夏の虫 怒らないから 鳴き止むな
中上忌今年は浅田彰来ず
{ルビ冷奴=ひややっこ}夜が大きい{ルビ他所=よそ}の街
あなたから生まれいずる愛がある
バス停に生まれてバスを待ってたの
向日葵がくびかしげてる夏野原
恋に溺れ綺麗なままで水中花
夕暮れにネオン涼しき予感かな
今年またなくなり ....
陽を浴びてきらり樹氷の華が咲き
夕暮れてひとりぽつんと雪だるま
バス停に人待ち顔の雪女
猿股の 月の輪熊 鎌倉で くすぐられる
最新型 通信衛星 カマイタチに 苦しむ
散歩する 罪深い 完璧主義の クラムボン
桜咲く 釣堀で 確認された {ルビQ=クー}資料
裁判 ....
犬と往く
散歩に今朝は
虹を見る
夕立の中なら泣ける声あげて
大空を飛ぶ鳥になり虹の中
片恋のボタンはずして息をする
坂道を二人乗りして夏が行く
できたての朝は真夏のゼリーかな
水族館ガラスに映るあなた見てる
砂浜の足跡がまた波に消え
潮騒の残響に潜む君の声
白鷺のいる雨
父さんが履歴書を書く春炬燵
ホテルXOの看板黄砂降る
ままごとの包丁洗う万愚節
春昼やゴム手袋が落ちている
歯ブラシを真っ赤に染める受難節
小橋中橋京橋渡る花疲れ
....
年下の夫に穿かす白タイツ
闇鍋や阿部定を呼んだのは誰だ
涙目で火事を見ている阿部サダヲ
ほっぺたのにきびをつぶす初鏡
初夢の母がガメラを噛み潰す
恋愛に逃げ場はないぜ貼る ....
ピアス穴に通すえんぴつ去年今年
門松に祖父の植わっておりにけり
探偵は白紙の賀状握りしめ
雑煮餅世間知らずでござんすよ
この町は海市に合併するんだとか
春らんまん桃色うん ....
薄い青風と坂とアラームと
始まりは 皮肉な光と 脱力感
踏み切りが私を呼んだ白昼夢
時間には逆らえないねと十六時
夕焼けは君が言うほど赤くない
食事なら色彩欠如の晩餐会
....
鳩なきて妻目をさます文月朝
雨上がり妻のととのう庭涼し
妻遅し帰る待つ夕茶漬けすえ
駆け抜けた 熱き血潮は今もなお
白球の行方に気分が浮き沈み
終わる夏 流した涙は後輩へ
青空に響く 金属音の夏
声枯らし檄を飛ばす 最後の夏
負いしもの 踏み越えてき ....
空泳ぐ魚が水面に映ってる
せせらぎの声が今日は風邪ぎみで
光る瀬に低空飛行の戦闘機
居眠りの私を蟻が巣へ運ぶ
川の瀬に溺れる私の夕まぐれ
さようなら魚が跳ねて言いました
苔むして 夏の日足に 映える石
雨やみて雲雀の飛んだ水たまり
何を見て驚いたのか鯉のぼり
紫陽花がたくさんのいろ人みたい
桃をむく香りと北へ寝台車
空目指し向日葵たちが背比べ
アリが来てわたしの足を ....
其れ
紫
よ
夜更けの雨を好み候
俄雨にむせる灰
幾人かと視線の合いし夕立かな
駅ビルの中も濡れたる夕立かな
雨脚や出水の亀の見ゆる窓
魚跳ぬる河口眩しき都市の夏
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