冬日和庭の手入れに時使う
鱗雲取り除くにはデカすぎる
雪の降る町はいまだに白くない
買い揃え聖夜の支度加速する
紅葉や競い合うように染まりゆく
冬晴れに光をもらう植物よ
暖房に可愛がられる人々よ
国道をひとつはいれば冬匂う
冬の駅白い息吐く人の波
曼珠沙華、燃えて燃えてなお夢の中
オホーツク海を目指した鰯かな
撫子の可憐を食む羽虫達よ
うろこ雲幼き日に見た水彩画
流れゆく、うろこ雲さえ息を止め
アロワナに憧れたんだ ....
冬霧に隠れて見えぬ恋の罠
忘れてる桜密かに紅葉す
流れゆく時加速する年の暮れ
唇の傷を広げる悔しさよ
行き交いて只残るは野菊の香
ライト浴び踏み出す先は別次元
おでん買いあの熱々を味わおう
おでんして最後の卵取り合って
破れたる恋色づける枯野かな
真っ白な心を持った白兎
紅葉や今とばかりに染まりゆく
買うよりも手編みのセーターあたたかい
年の暮 冷蔵庫には灯り
帰宅して暖房をしてブラームス
蒼い夜は冬の寒さがよく似合う
初雪に胸躍らせる甥っ子等
「また餅」とつい口に出す朝ご飯
人間の環境破壊恨む鷲
寒雷やこの世の終わり見せている
未練しか残っていない帰り花
口数の少ないような枇杷の花
寒鯉や右も左もわからない
羽ばたいて夢探してる鷲一羽
冬の庭秋の花咲きまだ明るい
大空を舞台と決めて舞う枯葉
山茶花の花弁ひとつ寂しげに
「十一月」
数減るも巨大化していく女郎蜘蛛
雨風に吹かれ散ってく夢ゆめよ
あっという間に魔に墜ちる少年期
ちりとりに飛びこんでくる今日の死蛾
焼かぬのに灰にまみれて ....
弱ってる冬蟷螂の黒い影
雪だるま作れるほどのものがない
あの人と半分こする冬林檎
冬深し旬の魚は海の色
小春空取り忘れてる柿ひとつ
寒くても障子の奥は別世界
日曜を 待ち侘び老いる きりぎりす
倒れ臥す野薊に泣く凩
凩とあかぎれの血と赤い頬
泣きたくも木枯らし痛し寂しき日
冬寒し缶コーヒーを握り締め
皮を剥く母親の手は蜜柑色
背伸びする白鳥見ては真似をする
冬めいた街見るだけで寒くなる
雪が降り無口のまんま積もりゆく
北風が桜の葉っぱ赤にする
冬の月寒さも知らず笑い顔
いっぱいの日差しを浴びる布団かな
冬の虹儚いものと知らされる
イルミネーション仕事帰りの疲れ取る
冬の海失ったもの探す日々
木枯しや誰かの背中追いかける
ほろ酔いの頭に浮かぶ冬銀河
紅葉の穴場を示す情報誌
秋澄めり遥か彼方に見える恋
逢いたくて逢いたくてまだ春遠し
マラソンの人に手を振るコスモスよ
サヨナラの匂いが混じる冬の海
寒くても温かくなる冬の恋
冬空に穴あけて飛ぶハワイ行き
枯葎命の息吹弱りつつ
ツリー見る独り寂しい聖夜かな
吹く風に押されて咲いた寒桜
寂しくはないよと開く忘れ花
駆け抜けど 暮れは短し 師走風
冬空の 寒さに凍え 夜は耽る
夜が明けて 寒さに揺すられ 目を明かす(字余り)
木枯らしに包み込まれた街景色
飼猫に遊ばれている小春かな
ドライブに一緒にのせる冬日和
生きているのか
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