血を引き摩となり闇を討つが如し
数えても数えられない夜ばかり
化け猫が数値化された街に住む
マンションの日陰の隅で笑う女
光見る身を乗り出してベランダから
一階のカラオケバアから恋の唄
かんたんに ....
月光が 静かにそそぐ 林かな
月光に つつまれ心 静かなり
月光や 世界を銀に 変えにけり
青白き 月の光に 満ち満ちて
月見上げ 心しずかに 光り浴び
月見上げ 心ははるか かの地な ....
まだみぬなめだをまだみぬ顔をまだみぬままを
花火去り 静けさ響く 夜の空
遠くにて 響く花火の 心地よさ
ちりちりと 線香花火 物悲し
ポトリ落ち 線香花火 悔しけれ
並びたつ 線香花火 送り火や
花火去り 静けさ響く 夜の空
遠くにて 響く花火の 心地よさ
ちりちりと 線香花火 物悲し
ポトリ落ち 線香花火 悔しけれ
並びたつ 線香花火 送り火や
暑き中 だらり腹ばう ワンコかな
暑さにて 敷き物となる ワンちゃんよ
遠吠えに 心ざわめく 月夜かな
寒空に 犬と一緒に 母走る
雪ふって黒めだちたる景色かな
オーロラの光の風の輝きの
極寒にオーロラ見るは神々し
極の冠ガイアは王位継承し
オーロラの光のカーテン地吹雪に揺れ
咳の後夜昼を趣くおんぶ季和
初雪の唇やはら消えにけり
訪れと去りと短き横恋慕
忘れがたきのはや消えて実りがたきのはや燃える
めづらしき冬なりオバマ大統領
正月や生まれ変はっても日本人
そこだけは春のやうなり猫ハウス
ポジティブなアクビをひとつ猫の冬
通学路に凍れる猫の骸かな
香箱を組む ....
コートに薄手の街見て 肩歩く
心に同期したてのアイポッド 節約
日本橋と不況と人たちとそろい角曲がる
せせらぎに 気持ちよさげな 西瓜かな
せせらぎに 冷やしてうまい 西瓜かな
せせらぎで 涼をとってる 西瓜さん
冷えるのを いまかいまかと 待つ西瓜
赤き身に 涼を感じる スイカ片 ....
ガンダムガシャポンズッシリと小2の指に限定版
神の家訪問
●神の家訪問1月十二日
真冬朝観光バスは出発す
黎明の第二名神朝すがし
山道を伝ってゆけば家ありて
鴨が二羽帰るや発つや寒空に
ガイドなく妻が口調の ....
ぽつりぽと降る雨ひとり身に当たる
文字人と画面ごしに会う
サイレンを反響させる電熱器
割られた殻を更に割る虚しい
見ろよ見てテレビが誘う午後十時
写真撮った 人は写らず椿 ....
や、おはよう。
猫。
今日も一日、
ヨロシクね。
お隣の
パティシエールに
じゅてぇぇむ
ハムタマゴ
サンドウィッチが
台形
高曇りコンクリートに苔の花
初空や猫の匂ひの懐かしき
お愛想もちう位なりねこが春
初夢はせつなきものぞ恋の病み
年立つもかはることなし恋あはれ
祖母恋しおせち料理の塩からさ
家のなき人もをる ....
消火器が 坂転がりて 我裸
裸見て笑う山見て初湯かな
裸あまた見て山笑う椿の湯
まるさんかく女体百態つばきの湯
満ちて堕ちて残る輪郭つばきの湯
垂乳根の銀杏の気根のような乳
吸い物椀二つ伏せたような満ちた乳
....
全から出た棒ひなたでくつろぐ
こっちの道にも花さけ三叉路
川に落ちた眼鏡 魚もかけない
四年かけて書かれた文集踏み台にする
蔦よできればあの電柱に行け
....
こんな夕日が来ていた昨日
寂しく唸るのは風か 風なのか
掃き溜めに降りたくなかった小雪
冬に合わせて足も冷え込む
凍てかけた川を鷺が横切る
葉のない枝 ....
光さし雲の浮山心満つ
青空にまばらに浮かぶ雲五つ
えもしれぬ木の生えている車路
湖に朝日上りて小波よ
蜘蛛のごと浮き立つ雲はえも知れぬ
陽はかくれ神もしりぞき給う朝
....
剥がれてもなお身を削る付け焼き刃
死人らの声聞き飽きて冬燃やす
首くくる光の如き窓のうた
忘れては腐りなお呑む火酒かな
....
七夕に 曇り空みて もの悲し
七夕や しあわせ願う 天の川
七夕や 願いに満ちて 心澄む
七夕や 願いに満ちた 空あおぐ
七夕や 祈りに満ちて 厳かに
七夕に 心に満ちる 願いかな
七夕や ....
しづかさや濁酒澄みて沁み渡り
{引用= ※濁酒(どぶろく)}
初出『俳句あるふぁ増刊号』二〇〇八年十二月
ナメクジや 曇りガラスに 隙間でき
ナメクジや 曇りガラスを まっぷたつ
ピカピカと 雫の光る 浮き葉かな
ゆっくりと 深みを増すや 稲の青
青空に 深みを増すや 稲の色
しっとりと ....
ガラス玉 覗いてみたら 梅雨晴れ間
ガラス玉 覗いてみたら 別世界
ガラス玉 キラキラひかる 夏の朝
ガラス玉 キラキラひかる 蓮の上
ガラス玉 キラキラひかる 天の川
ブクブク ....
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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