店先に 並ぶギス籠 涼やかし
縁側に 鳴き声降らす ギスの籠
ギスの声 籠に込めにし 虫売りよ
キリギリス 声の合唱 草舞台
キリギリス 草原渡る 声の波
大空を 声にて渡る キリギリス
....
台風に ふるさと思う 我が心
台風や ふるさとの風 直送便
キラキラと 水遊びせし ふるさとよ
車窓から ひろがる田んぼ ふるさとよ
ふるさとの ギュッと詰まりし ミカンかな
天上の 水 ....
登頂や連なる峰々 キ・回・仏
人全てスターチャイルド胸に星
怒涛なり魂の海図もて進む
鵜飼い鮎 二度も闇を 潜(くぐ)りたり
鵜飼い鮎 生命拾いも また喰われ
鵜飼い漁 丸呑み鮎を かっさらい
食べし鮎 喉で止まりて 口惜しき
潜り鵜の 喉を潜りし 鮎食す
鮎漁や ぬか喜びを ....
吹く風に神想起して聖書揺る
春行きて肉体は啓く霊は閉じる
天空の秘かなひみつ街の風
コブシなの。マグノリアだけど、小ぶりなの。
花咲いて散るために繰るクロニクル
鰆食べたよと電話口きみに幸あれ
実家跡、花粉と消えた春落葉
こねこここここだよこねこここのねこ ....
凍て光る死に神に鎌にび色の血
大鎌の刈る毒麦に業火はなつ
死に神の大鎌の柄に血糊のかわく
壁がとけゆくしぼみゆく湯気のような風
世界は逆か闇は戦い前は浸るか
太陽の 恵み詰まりし 向日葵よ
愛し人 追うがごとしの 向日葵よ
キラキラと 夏を纏いし 向日葵よ
サンサンと 夏で満ちにし 向日葵よ
サンサンと 向日葵色の 日差しかな
夏盛り 向日葵色が ....
著作して書物と化すは永遠の命
驚愕の若き才能書き継ぐる
窓の外大気ぬるまり春加減
わき立つ春一人秘かに本を読む
淡白を炙るような詩句欲しく
草原に 雲雀響きて 空高し
雲雀声 青き空へと 染み渡る
雲雀声 見上げし空の 眩しさよ
雲雀空 生命の声に 満ち満ちて
揚雲雀 必死に空へ 羽ばたきぬ
揚雲雀 空に羽ばたく 勇姿かな
揚 ....
やさしさが
五臓六腑に染み渡る
華やかに 山を彩る 花盛り
花盛り 誘われける 別世界
桃色に 大地を染める 花盛り
木の下に 人も盛りの 花盛り
山中に ここにいるぞと 花盛り
並木道 がらりと変わる 花盛り
一年の ....
ゴミみてえな奴もいる神 篩分け
神々の戯れていて「ユリシーズ」
生の風ホロスコープ見て思う
夏の風 星星の波動 鮮やかに
朝霧に ふわり浮き立つ 白梅よ
朝霧に ぱっと浮き立つ 紅梅よ
芳香の そっと伝うは 梅だより
梅だより 予見させしに 満ち蕾
つぼみ満ち そっと近付く 梅だより
お姫様 ずらり並び ....
がなりたてる
ファズでも聴くか
毒の華
過ぎていく 冬の背中を 見送って
木蓮を 仰ぎ見るのに 湿る土
煮こごりを
あなたが 掬う
のが 見えた
かたまって
ふるふるになる息が
あった
ゆめみたい と
呆けた声だけ
となりに居た
夢は足元と
....
桃色に 大地を染める 花びらよ
フカフカの 大地の布団 花びらよ
花びらが 大地に掛ける 桃布団
花びらが 大地に描く 絵画かな
香りたつ 姿の見えぬ 水仙よ
水仙の 姿浮かびし 香りか ....
火の境い光の境い冬ひとつ
穂の奥の鉛の森ぞ燃えさかる
岐に至る言葉のすべて水を招ぶ
にきにきと片手の光においけり
冬の背に失いしもの踊 ....
春めくもつかの間一転寒風寄す
蕾もつ少女なる君黙読し
眼差しの貧しき部屋にインテリア
水雲の秘めたる力都市襲う
辞書をひく紙の音さえ懐かしむ
遠くまで春宣言し我あゆむ
雪化粧 天の羽衣 峰飾り
夕紫峰 天の羽衣 纏いけり
白むくに 天の羽衣 峰立ちぬ
空綿毛 枯れ木にかかり 暖かし
フワフワと 空の綿毛よ 寒の空
綿雲が フカフカふとん 寒の空
天の ....
寒空に 大気を渡る 梅の香
忍び来る 春の使いや 梅の香
月そそぎ 冷気にひそむ 梅の香
しっとりと 春の知らせや 梅の香
ほころんではにかむ梅の香やさしい日
冷たくてつぼみ秘めたる春の宵
春の香が弾く生命我がもとに
白梅にはずむ心は匂い立つ
春の香に包まれている我が肉体
....
トンネルを行く蝶もあり 坂の春
夏の蝶を映さぬ流れ 石を放る
蝶乾く 風来る街の曲がり角
闇の形 動かぬ冬の蝶を食らう
ボタン押し 悪党飾る 終花火
悪党が ボタン押し咲く 春花火
ボタン取れ 胸の隙間に やませ吹き
転勤や 散りし花びら かのなごり
転勤の 唯一なごりの 散りし花
有線でイマジン聞くは春日なり
老松に話しかけるは夕日暮
ほころんで梅の香微笑はにかんで
四脚にかたあしさしあげて私書箱
指潰れて蝶番に卵黄滴
車軸の象嵌と棚腸詰の回転驢馬金具
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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