ふらんすの靴で新宿さまよへり
をりをりの胸苦しさや大人の日
人間の思考ー立場、非回答得る
真っ白なシャツを着るんだ今日は面接
あいはぶあぺんしるあるいは稲光
窓枠に浮き立つ綿毛雪の空
石光る体に苦しい希望の灯
お日さまに 恋して開く 福寿草
お日さまを 家族で仰ぐ 福寿草
大空へ アンテナ高く 福寿草
背伸びして お日さま掴む 福寿草
一粒の 光大事に 福寿草
母老いて
ふるさとは雪
冬の星
冬薔薇目覚めの遅い休みかな
年賀状書く喜びともらう幸せ
春を待つ植物たちのコソコソ声
初旅や夜空突き射す東京タワー
雪の白白猫の白違いたり
外は{ルビ霙=みぞれ}老犬の餌に湯を混ぜる
指絶って初めて銀の原を描く
午後の叉路おまえの臓物においたつ
戻るまま路地の夕べの猛るまま
望み無き月ゆき交うは自身なり
....
年暮れぬ子猫追ひ追ふ道すがら
病み猫にのしかかるなり冬の音
sick cat is dying
and covered with the sound of
serious winter
....
とどこおれひとかけらまでとどこおれ
異国から細胞の{ルビ文=ふみ}打ち寄せる
冬の指ただ指に負う痛みかな
お前からお前を{ルビ奪=と}った非を ....
鳥を越えやがて止む雪咽に剣
融雪も乳牛もただ濁りゆく
区切りから区切りへ曲がる午後の音
何も得ず何も失くさぬ冬木立
{ル ....
日に一人インフルの人増えていく
通院や綿棒くじや新型や
在る理由を失くした肌にくちづける
閉ざされた行方歯車ひらく雪
空白に圧され振り出し戻りゆく
夜を呑み冬に呑まれる罪業徒
....
行く秋や忘れ物した児童達
阿蘇の秋時計の針が刻む恋
炬燵の下の泉に集まる小人たち
本棚の下 隠し階段 希望の泉
頭頂部から自噴する泉は美しい
マンションに濁りなき泉下界へ落ちて
睡蓮の池にひたすら風が起こる
....
晴れの日の白々しくてカーテンを引く
昏く雨降り続きレインコートの黄鮮やか
清水のように靄 窪地に溜まり溢れて
花のなくて12月の太陽
ビルの林立と車窓 都市生きて
朝霧ひっそりと都市は遠景
うつらうつらまどろみの泉湧く
夢博士淡い樹木と補虫網
読書してシナプス ....
左腕の火傷に悲しむ包帯
空明ける手刀切って灯るもの
陽光に揉み解されている固い魂
海牛の紅く発情して水温かい
王国 垣間見て身震いして
海に出て北風いっぱい帆に受ける
心に芯の様なものが出来る そんなお年頃
都市がお経の様にざわついている
メスで切開の空に滴る雨
曇天の暗さ太陽を尾行して
南天の赤が枯れ草色に置かれている
人前で私が私を真似ること
歌を禁じて謳い上げる
生産を遊ぼう ノートやペンや
祝祭の空の下あなたを見つける
鏡持ちながら私が私を語る時
王子・王女お庭 ....
30年前に飲んだ水薬の幻
人間は人間を定義し続ける
3LDKを王の間として読書する
格言集 言霊チャージでGO
10時にジャムトースト今日の炊飯玄米3合
ウォーターフロント 風の高層ビルに満月が架かる
護岸に寄せるさざ波 夜光虫の息
防波堤に寝ころび夏の大三角形を捜す
海風が髪を撫でるほど吹きつけて風
突堤で発火 ....
アトラス天穹支え想いに風吹く
寒空の常緑茂る つづまる小鳥
唱題の中 顧みる生命の傾向
不動の蓮華座へ向け今日も一歩
束の間に夢待ちわびて秋の暮
濡れるほど赤く恥らう紅葉かな
落ちるとも飛ぶとも知れず秋の蝶
迷い子の印なるべし残り柿
小春日に匂へ真珠の首飾り
散る散らぬ恋の微妙や冬の薔薇
―――インフルエンザに―――
母の手やクシャミを避けてセキ避けて
しづかさや車椅子押す冬の坂
冬霧に猫のため息まぎ ....
蓮華座のまどろむ椅子に腰かけて
透明に降る雨の甘さ
宿命をバネに飛び上がり越える
新たな領土発見 どこにこの魂に
愛の支配言葉の力 物語の始まり
ドッ ....
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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