昼寝する{ルビ鬼灯=ほおずき}の花風の色
雨蛙一輪咲いて縁に在る
Hanako
ゴム草履を履いて和菓子のおみやげ
Françoise
紙袋に悲しみをふくらませてぱん
胃袋にセメントを詰め貧富の差
夏木立天まで延びて空をとる
サラサラと言葉の雨降り森光る
あんぱんの黒色革命に怯える夏
子午線で縄跳びをしている少女たち
電磁波を避けつつ齧るラムネ菓子
淋しくて名も知らぬ草生やしてみる
残り湯に藪蚊が浮かんでいる
いろんな果実がなる庭だ
階段で猫がとおせんぼしている
乾からびた刺身が跳ねる海は何処だ
鉄塔が背伸びして笑っている
猫がみんなおりてきた
似たような家が並んでいる子どもの笑い声
時間通りに来ない電車を待っている蝶々
生ぬるい電車の中で夢を見た
....
切り花の向日葵は哀しい花盗人め
嗄れ声の学生群れる駅に燕啼く
金魚放つ用水路の臭い夏赫い眩暈
果樹園を抜けると犬が待っている
蜂の巣に水鉄砲放つ幼女かな
....
夏が好き呟くあなただって八月生まれやもん
乾からびた紫陽花を愛でる老いた妻
街路樹の年輪数える昨日の児
差出人不明の葉書が届く夏
泥団子差し出す少女明日は夏至です
癖毛が僕に似たのか初夏の風
渦えがき夏猫とける真昼かな
活版のよごれたる指ふく若葉
一瞬の獣の夜に鳴る火薬
野から野へ指から指へ夜宮かな
無理矢理を ....
赤薔薇の 散華重ねる 涙雨
雨蛙 読経は要らぬ 世話と知れ
不如帰 鳴くは遠くに 聞いてこそ
徒花に なるを待てるか 鬼灯花
よの明に 消えてなくなれ 蛍の火
五センチの
距離は遠くに
ある想い
ふと触れる
右手の温もり
冷めてゆく
どくだみの葉 義経蜘蛛が 跳び渡る
光あれ暗闇もあれビッグバン
天津キツネ二尾を伸ばして駆け抜けた
二億年メリーゴーラウンド銀河系
「アミノ酸あれ」そう云って海に陽が射した
「午後の恐竜」地球カレンダー閏秒
....
しりしりと親待つ雛の声微か
初夏の空木の間隠れの青さかな
麦秋や燕飛び交う二羽三羽
水田や空の広さを写し取り
ヒメスミレカメラ構えた轢死体
朧月煮すぎた蕪をつつく箸
光あれイエコウモリにイースター
青空の中咲き誇れ花カツラ
オケラ鳴く電車の走り過ぎるわき
円居から解かれたくなしジ ....
春の海子猫ほどある{ルビ雨虎=アメフラシ}
柔らかな果肉の真紅いちご狩り
カンカン石小網代神社に摂津から
スナフキン桜とともに北上する
ニョロニョロは葉桜とともに現れる
....
田舎道 そのまた裏は 蓮華草
雲雀飛ぶ フロントガラス 残る雲
菜の花に 凍えた朝の 土の音
嫁入りに 虹がそよいだ 春一番
泣く場所を選ばずはらり梅の花
沈丁花香りの先でしなやかに
サンライズ
ウェイクアップ
ニューデイ
天仰ぎ 飛び立つ黒背 花吹雪
大根の芯の熱さやリビア燃ゆ
バナナ羽ばたつかせおおそらに
思い出を 悲しい順に ならべなさい。
静かなる 風吹いて ひとりきり。
精霊の 衣の如き 初氷
ある夏の 思い出ひとつ 白貝殻
海岸で 壊れたピ ....
チョコレート 甘きくちびる 苦き 想い出
聖なる日 何が 清くて 穢らわしいのか
それよりも あっち向いてて 風を見ていて
郷愁の 教会の窓 今は割りたい
どっちみち あなたが ....
しんしんと 振り行く きょうの 八重桜
風邪の花なにか英語の飲みものを
導管へ真っすぐ落ちよ寒の水
しもやけの痕にやさしき指ずもう
冬雲やはっかの味のするたばこ
汽車を待つ人の隣で汽車を待つ
お父さん好きな言葉 ....
93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133
【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
0.28sec.