光あれ暗闇もあれビッグバン
天津キツネ二尾を伸ばして駆け抜けた
二億年メリーゴーラウンド銀河系
「アミノ酸あれ」そう云って海に陽が射した
「午後の恐竜」地球カレンダー閏秒
....
しりしりと親待つ雛の声微か
初夏の空木の間隠れの青さかな
麦秋や燕飛び交う二羽三羽
水田や空の広さを写し取り
ヒメスミレカメラ構えた轢死体
朧月煮すぎた蕪をつつく箸
光あれイエコウモリにイースター
青空の中咲き誇れ花カツラ
オケラ鳴く電車の走り過ぎるわき
円居から解かれたくなしジ ....
春の海子猫ほどある{ルビ雨虎=アメフラシ}
柔らかな果肉の真紅いちご狩り
カンカン石小網代神社に摂津から
スナフキン桜とともに北上する
ニョロニョロは葉桜とともに現れる
....
田舎道 そのまた裏は 蓮華草
雲雀飛ぶ フロントガラス 残る雲
菜の花に 凍えた朝の 土の音
嫁入りに 虹がそよいだ 春一番
泣く場所を選ばずはらり梅の花
沈丁花香りの先でしなやかに
サンライズ
ウェイクアップ
ニューデイ
天仰ぎ 飛び立つ黒背 花吹雪
大根の芯の熱さやリビア燃ゆ
バナナ羽ばたつかせおおそらに
思い出を 悲しい順に ならべなさい。
静かなる 風吹いて ひとりきり。
精霊の 衣の如き 初氷
ある夏の 思い出ひとつ 白貝殻
海岸で 壊れたピ ....
チョコレート 甘きくちびる 苦き 想い出
聖なる日 何が 清くて 穢らわしいのか
それよりも あっち向いてて 風を見ていて
郷愁の 教会の窓 今は割りたい
どっちみち あなたが ....
しんしんと 振り行く きょうの 八重桜
風邪の花なにか英語の飲みものを
導管へ真っすぐ落ちよ寒の水
しもやけの痕にやさしき指ずもう
冬雲やはっかの味のするたばこ
汽車を待つ人の隣で汽車を待つ
お父さん好きな言葉 ....
あら、雪ね。今年最初のヒヤシンス
この道のトップノートは沈丁花
ふんわりとパニエのおしりカイツブリ
自販機の青を覆うほどミモザの黄
ヒメコブシそろそろ秘めきれなくなった?
....
ぼきぼきとつらら喰うたび牙となる
我が身から生まるる銃群我が身撃つ
ぐるぐると腕まわすたび獣降る
灯の羽や吹雪に径を曳いてゆく
....
初恋のつめたい指先冬のみち
さびしさにレモン投げたい冬の空
小鳥らはだれのために泣いてるの
初恋は曲がりくねって青白く
宝石のように輝け遠い未来 ....
山笑う数多のはだか椿の湯
梢にて野鳥のふりですずめチュン
冬型の気圧配置の大海嘯
屋上屋さらに重ねて霜柱
一日を終えて夕日に沈む富士
土曜日は身のうちに海をいれに行こう ....
大雪の余りがこっちの粉雪
この闇の白きは雪とは違うかあれは
ヘッドライトが放射する雪よ
雪やない星や
場違いの米粉が散乱している
雪や雪雪から雪が分裂 ....
野良猫に無視されつつく霜柱
照らしても見えぬまま在る虚ろかな
降る桃と鈴のはざまを染める息
吹きだまる吹きだまる棘吹きだまる
あたふたと耳に目薬ひかり喰み
....
とっぷりと暮れてゆくかな正月は
雪うさぎ空の城壁うち砕く
目から目へ熱の{ルビ帷子=かたびら}奮えたつ
風の層やわらかな{ルビ襞=ひだ}たなびかす
濡れ雪の縦すじ仄か残り ....
「愛してる」返ってきたのはもがり笛
「恋してる」云われてゴメンもがり笛
面映ゆい君を抱き雪を頬張る
脇道をふさぎ手のひら横たわる
雨の音の光さかまく深夜かな
かたちからまぶしいかたち引いてゆく
拒まれてそのままにおく冬装束
....
かげおくり 思い出とおく 杉の上
真四角の 枠を飛び出し 青クレヨン
花は散り 果実は重く 苦くなり
炬燵の火 水失いて 指割れぬ
皮破る 林檎果汁の 生やかさ
氷点下 白き大気を 拒みつつ
一人鍋 冬肌よせる ガスコンロ
雪女 凍えて泣くより 火で溶けろ
北風や 宇宙 ....
疲れたと 溜まる落ち葉に 独り言
蛍光灯 涙 ため息 白くけぶる
なにもないから星みてあるく
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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